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2019.11.13

明らかになった、流山市教育委員会 後田博美教育長の責任

流山市教委の法令違反かつ不適切ないじめ問題への対応について、流山市教委の後田博美教育長にお尋ねしたいことを、10月26日付の本ブログで書かせていただきました。流山市議会では、各会派の代表が本件についてご対応くださり、私がお尋ねしたいことを市議会事務局から市教委に対して質問してくださり、このほど回答が提出されたようです。後田教育長から市議会事務局への回答書が、公表されています(ここで見られます)。

驚くことに、後田教育長からの回答には、「記憶しています」という表現がいくつも見られます。いじめ重大事態への対応という法でも定められた重要な案件について、何も資料を確認せず記憶だけで回答しているのです。このこと一つとっても、後田教育長をはじめとする流山市教委が、いじめ重大事態への対応をいかに軽視しているかがわかります。

この内容を読んでも、責任や処分に関しては最終報告書を待つという態度しか読み取れず、相変わらず中間報告書の指摘を受けて対応するという姿勢が見られません。そして、市教委の法令違反かつ不適切な対応がいじめ被害者を苦しめたことについて、謝意も示されていません。そもそも、現在の調査会の調査のあり方について、被害者側とは合意が得られていないようですので、最終報告書はいつ出されるかわかりませんし、出されたとしても被害者の同意が得られず、市長部局での再調査が必要になる可能性があります。こんなことをしているうちに、関係者は転出したり定年退職したりして、責任を問うことができなくなると思われます。

しかしながら、今回の回答は、市教委の対応がいじめ被害者を苦しめたことについて、後田教育長に責任があることを明確に示しています。以下、具体的に述べます。

第一に、平成29年重大事態認定案件について、重大事態の調査委託が4ヶ月以上にわたってなされていなかったことの責任が、後田教育長にあることが明確です。本件では、平成29年3月に市教委が重大事態認定し、市教委の説明では4月28日に開催された流山市いじめ対策調査会(以下、「調査会」とします。)において市教委から調査会に調査を委託したつもりであったとされています。しかし、10月24日付の本ブログで書かせていただいたように、4月の時点では調査会会長すら決まっていない状態で、調査の委託がなされる状況にはなく、実際に依頼されたのは8月2日に開催された調査会の時点においてでした。今回の回答でも4月28日の調査会の時点で調査を依頼したという教育長の認識が示されていますが(A6)、この時点で後田教育長は調査会の会長が誰なのかすら確認をしていなかったことになります。そして、教育長の回答では重大事態調査の依頼ができていなかったことを知ったのは7月21日付の被害者代理人からの文書によってであったとされていますが(A6)、他方で県教委からの指導の連絡は6月に聞いていたとも述べられており(A3)、県教委からの指導を受けても調査の状況について確認がなされていないと読み取れます。こうなると、後田教育長が当初から調査の進め方や方針について指導課から報告を受けていたという回答(A5)も怪しく、後田教育長は一貫して本件重大事態への対応について、誰が会長なのかも知らず、県教委から指導があっても状況の確認を怠り、7月下旬まで調査が依頼されていない状態を放置した責任があるということになります。

第二に、平成26年度発生事案について、重大事態の要件を満たしているにもかかわらず当時重大事態認定されなかった問題についてですが、このような法令違反の対応がなされた責任が後田教育長にあることも明確です。後田教育長は本件が重大事態の要件を満たしていることを知っていながら、被害者代理人との話し合いを受けて重大事態認定しなかったという認識を示しています(A10)。重大事態の要件を満たしている案件について、たとえ被害者側から申し立てがあっても認定しなくてよいなどという規定は法になく、法令違反の対応がなされたことが明確です。

これらの法令違反の対応は、被害者をひどく傷つけています。第一の点については、被害者は明確に、最もつらかったのは市教委が調査をしているかのように言いながら4ヶ月以上にわたって調査がなされていなかったことであったと述べています。被害が深刻化した責任は、市教委にあり、このことについて認識できたはずの後田教育長が管理者として重い責任を担っていたことが明らかです。第二の点については、被害者の苦しみがその後も癒えず、結局は3年半以上経過した後に市教委が重大事態認定をするに至っています。この点についても、平成26年度当時に市教委が法令違反の判断をしたことが問題なのであり、そのことを認識していた後田教育長には管理者としての責任があります。

最終報告書を待つのは、責任問題の先延ばしに過ぎません。これまでの中間報告書に十分に問題は示されているはずですので、今すぐにでも関係者の責任を明らかにして被害者や市民に謝罪した上で、再発防止策の策定・実施と被害者の支援を進めるべきです。今回の回答でも、再発防止について後田教育長は実質的に何の回答もしていません(A15)。具体的な再発防止策を考える気がないのでしたら、責任をとって辞職され(当然、処分逃れではまずいので給与の返納や退職金の辞退等が前提でしょう)、後継者に再発防止策の策定や実施を委ねられるのも一つの方法かと思います。

私は、調査会に関わっている期間中、教育長が全く調査会に関心をお持ちになっていないように思われることについて、強い疑問を抱いていました。いじめ問題への対応を重視されているのであれば、調査会の会議において委員に挨拶をされることがあるはずでしょうし、大変な重大事態の調査を委託されるのであれば、教育長としての真摯な姿勢をお見せになって調査について委員に直接挨拶をされるべきだと考えます。しかし、教育長は一切そうした関わりをもたれず、調査会の会長が決まっていないことさえ認識されていませんでした。私は多くの教育委員会に関わらせていただいてきましたが、ここまで重要な案件に無関心に見える教育長を知りません。教育者として長年学校現場に関わっていらした後田教育長がいったいどんな思いで教育長業務をされているのか、いじめ問題についてどのようにお考えなのか、ずっと理解できずにおりました。

別の点についてです。流山市における市教委からの不適切な対応について、教育長は認識しており、対応を指示しているとされています(A13)が、個々の案件についてほぼ明らかにされていないと思われます。体罰案件への流山市教委のひどい対応に対して街頭で署名活動をされている方もいらっしゃいますので(参考)、こうした案件への具体的な対応を含め、市教委の対応にどのような課題があり、どのように改善が必要なのかを明確にしていただく必要があります。

流山市議会各派のここまでのご尽力に深く感謝させていただきます。そして、市教委のあり方の抜本的に改善に向けて、引き続き必要な対応をお願いしたいと思います。

今後に向けて市教委に尋ねたいことはすでに11月1日付の本ブログで示させていただいているところですが、今回の後田教育長の回答を受け、11月1日に挙げたものを含め、あらためて後田教育長にお尋ねしたいことをまとめると次のようになります。

1) 11月11日付けの回答書で多くの回答が記憶のみに基づくものとなっています。いじめ重大事態への対応について、後田教育長のお手元には一切の資料もご自身のメモも存在しないということでしょうか。存在する資料やメモがあるのであれば、そうした資料やメモを開示された上で、資料やメモに基づいて回答されるべきではないでしょうか。

2) 平成29年重大事態認定案件について、教育長は平成29年4月28日の時点で調査会に重大事態の調査が委託されたと認識しておられ(A6)、指導課から調査の進め方や方針について説明を受けておられたとのことですが(A5)、いったいどのような説明を受けられていたのでしょうか。調査会の会長が決まっていない状況で、調査会による調査の進め方や方針について具体的な内容があったとは考えにくいのですが、具体的な説明があったのでしょうか。

3) 平成29年重大事態認定案件について、調査会に調査が委託されていないことを教育長がお知りになったのは7月21日付被害者代理人文書を受けてと説明されていますが(A6)、6月の段階で県教委から指導を受けていたこともご存知だったと回答されています(A3)。6月の段階で、重大事態の調査がどのようになっていると認識されていたのでしょうか。6月の段階で重大事態調査が調査会に委託されていないことを認識されるに至らなかった事情はどのようなものであったのでしょうか。

4) 平成29年重大事態認定案件について、調査会への調査の委託が遅れ、そのことが被害者をひどく苦しめてきたことについて、教育長ご自身の責任をどのように考えておられるのでしょうか。最終報告書を待ってからあらためてご判断いただくのかもしれませんが、第二次中間報告書までの指摘を受けた段階での所感をお示しください。

5) 平成26年度発生案件について、いじめ防止対策推進法は重大事態認定について要件を満たしている事案について、たとえ被害者側からの申し立てがあっても重大事態と認定しなくてよいという規定がないことについて、ご存知でしょうか。ご存知だとすれば、被害者側代理人との話し合いの結果だとしても、当時、重大事態認定を行わなかったことは法令違反にあたるということになるということについて、ご理解いただけるでしょうか。

6) 平成26年発生案件について、当時重大事態認定をしなかったために被害者を苦しめ続けることとなったことについて、教育長ご自身の責任をどのように考えておられるのでしょうか。最終報告書を待ってからあらためてご判断いただくのかもしれませんが、第二次中間報告書までの指摘を受けた段階での所感をお示しください。

7) 新たな調査会の委員はどのような方々なのですか。専門性や中立性に問題はないのですか。(私が聞いた話では、市教委の元指導課長が委員に入っているそうです。市教委の対応が批判されている中、市教委のいじめ担当責任者を経験された方が委員に入っているとしたら、大問題です。)

8) 新たな調査会の委員については、被害者側の合意を得られているのですか。

9) 新たな調査会は旧調査会から引き継ぎをしていませんが、引き継ぎはしないのですか。(藤川が9月に市教委に記者会見の内容を連絡した際に確認したところでは、「引き継ぎは行う」ということでした。これに対して藤川から、新たな調査会の委員について被害者側から同意が得られていないと引き継ぎが無駄になる可能性があるのだが、同意は得られているのかと尋ねたのですが、これについては返信をいただいていません。もちろん、引き継ぎも行われていません。)

10) 「最終報告に対し」ては真摯に対応されるとのことですが、これまで2回出された中間報告書については真摯に対応しないということですか。そもそもこれまでの中間報告書について市教委としての反省も出されず、被害者支援等の対応もあまりなされていないようですが、これまでの中間報告書に真摯に対応しない理由は何ですか。

11) 中間報告書に対応せず最終報告には対応するという姿勢は、中間報告書が市教委にとって都合が悪いものであり、最終報告は市教委にとって都合のよいものにしようとしているということではないのですか。

12) 他にも市教委の不適切な対応が問題になっている事案があり、体罰案件に関して街頭で署名活動を訴えていらっしゃる方がいらっしゃいますが、たとえばこの体罰案件について市教委の対応にどのような問題があったか、どのような改善が必要か等について、教育長はどのような認識をお持ちですか。

2019.11.01

流山市教委のコメントに見る「悪くても謝らない」「責任転嫁する」という態度

流山市教委が法令違反かつ不適切ないじめ問題対応を行った問題で、昨日10月31日、流山市教委のサイトにコメントが掲載されました。

 

Nagareyama20191031

 

このコメントの中には「前流山市いじめ対策調査会会長の藤川大祐氏によって、文部科学省記者クラブにて行われた、流山市教育委員会のいじめ重大事態の対応についての記者会見に関する報道等により、市民の方々をはじめ多くの皆様に大変な御迷惑と御心配をおかけしていること、心よりお詫び申し上げます。」と書かれています。一応お詫びの言葉になっているのですが、何をお詫びしているかというと、私の記者会見に関する報道等で「御迷惑と御心配」をかけていることをお詫びしている形になっています。

これは大変不思議なお詫びです。なぜなら、私は記者会見で、流山市教委の対応が法令違反かつ不適切な対応があったことを指摘したのに、そうした対応があったのか否かについての言及が全くなされていないからです。法令違反や不適切な対応があったのであれば、まずそのことについて謝罪がなされるべきです。教育行政を司る教委として、法令違反や不適切な対応は許されないことであるはずだからです。そして、仮にそうした対応がなかったと主張するのであれば、どうどうと記者会見の内容に反論すべきです。堂々と反論しないから、市民は心配するのです。

法令違反や不適切な対応について見解を示さずに、藤川の名前を出して謝罪するというのでは、まるで藤川に問題の責任を押しつけているようです。藤川の個人名を出しながら見解を出さず責任転嫁するような姿勢に、市教委の「悪くても謝らない」「責任転嫁する」という不道徳な態度が象徴されています。こうした市教委がいじめや体罰の被害に苦しんでいる児童生徒や保護者にどのように対応するのか、流山市民の皆様はぜひ想像していただきたいと思います。想像していただくと、ますます心配になるのではないでしょうか。

そして、市教委のコメントには「現在は、新たないじめ対策調査会において調査を進めております。/今後、現調査会によって作成される最終報告に対し、教育委員会として真摯に対応してまいります。」と書かれています。私が市民、市議会議員、教育委員等の立場であれば、次のことを尋ねたくなります(尋ねられる立場にある方はぜひ尋ねてください)。

1) 新たな調査会の委員はどのような方々なのですか。専門性や中立性に問題はないのですか。(私が聞いた話では、市教委の元指導課長が委員に入っているそうです。市教委の対応が批判されている中、市教委のいじめ担当責任者を経験された方が委員に入っているとしたら、大問題です。)

2) 新たな調査会の委員については、被害者側の合意を得られているのですか。

3) 新たな調査会は旧調査会から引き継ぎをしていませんが、引き継ぎはしないのですか。(藤川が9月に市教委に記者会見の内容を連絡した際に確認したところでは、「引き継ぎは行う」ということでした。これに対して藤川から、新たな調査会の委員について被害者側から同意が得られていないと引き継ぎが無駄になる可能性があるのだが、同意は得られているのかと尋ねたのですが、これについては返信をいただいていません。もちろん、引き継ぎも行われていません。)

4) 「最終報告に対し」ては真摯に対応されるとのことですが、これまで2回出された中間報告書については真摯に対応しないということですか。そもそもこれまでの中間報告書について市教委としての反省も出されず、被害者支援等の対応もあまりなされていないようですが、これまでの中間報告書に真摯に対応しない理由は何ですか。

5) 中間報告書に対応せず最終報告には対応するという姿勢は、中間報告書が市教委にとって都合が悪いものであり、最終報告は市教委にとって都合のよいものにしようとしているということではないのですか。

これまで2回にわたる中間報告書の作成については、市教委にも確認してもらっており、事実誤認等はないという回答を得て提出しています。にもかかわらず、市教委は中間報告書の内容には真摯に対応せず、最終報告を待つという態度をとりつづけています。こうした市教委の姿勢が、被害者を絶望させ、被害者の苦痛を増大させています。

被害者がもっともつらかったこととして挙げたのは、市教委にウソをつかれていたことでした。真摯に対応すべきだった時期は、もっとずっと以前だったはずです。

2019.10.27

流山市だけではない、教委等の法令違反のいじめ対応(報じられた主なもの一覧)

流山市教委の法令違反かつ不適切ないじめ対応についてですが、当ブログの記事にいただいたコメントによれば、昨日流山市内で行われたタウンミーティングには井崎市長や後田教育長が出席され、いじめ対応についても話題になったようです。流山市のサイトを見ると、市内2ヶ所で、子育てや教育をテーマにしたタウンミーティングが実施されたようですね。報道機関の取材にはなかなか応じてくださっていない市長や教育長が、お逃げになることなくこうした場に出ていただき、市民の方々と対話をされたことは大変ありがたいです。

まだ昨日のタウンミーティングの記録はアップされていませんが、当ブログにいただいたコメントによれば、市長も教育長も法令違反や不適切な対応を反省したり謝罪したり様子は示されていないようです。せっかく市民の方々に見解を出していただける機会に、このように責任逃れの印象を与えてしまうのは残念なことです。

特に問題なのは、後田教育長がおっしゃったとされる「最終報告を待つ。しっかり見極めて対応する」という言葉です。最初に事案が発生してからすでに5年が経過しており、平成29年12月と今年5月に2回にわたって中間報告書が提出されています。これらの中間報告書では、最終報告書を待つことなく必要な対応をとるよう求めて来ました。29年12月に教育長に中間報告書を手交させていただいた際にも、教育長は最終報告書を待たずに対応していただけることに合意していただけたと考えておりました。

仮に昨日の後田教育長の発言が事実だとすると、法令違反や不適切な対応について最終報告書が出るまで何もしないという姿勢は、単なる指導課の担当者の態度ではなく、トップの教育長が定めた市教委としての公式の方針ということになります。このことのもつ意味は大変重いです。というのは、中間報告書を提出したのは、市教委が任命した委員によって構成される流山市いじめ対策調査会であり、その調査会から求めた「最終報告書を待たない対応」について、任命権者である教育長が明確に否定したことになるからです。市教委自身が定めた流山市いじめ防止基本方針では「いじめを受けた児童等の救済を最優先に考え、いじめを行う児童等の行為を止め、関係機関と連携して指導します」とありますが、最終報告書まで対応しないという態度が「児童等の救済を最優先に考え」る態度と言えるはずがありません。そもそも、最終報告書が出るまで再発防止策を検討してはいけないとか被害者を支援してはいけないなどという規定はどこにもないのですから、躊躇なくできることをすればよいはずです。

後田教育長をはじめとする市教委の「最終報告を待つ」という態度は、被害者への二次被害を生じさせています。被害者は今も被害とその後遺症に苦しんでいます。中間報告書が出れば、市教委は必要な対応をとってくれると期待していたはずです。何かしようとしてもそう簡単には進まないでしょうが、後田教育長はじめ市教委は「最終報告を待つ」として、当面何もしないことを宣言してしまっていることになります。このことは、中間報告書の提出後の動きにわずかな希望を抱いていたはずの被害者をさらに深い絶望へと突き落とすことになります。そもそも、被害者が最もつらかったことは、平成29年夏の段階で、重大事態認定後の調査が4ヶ月以上も、調査会への委託すらなく進んでいなかったことだと聞いています。すでに、この問題の最大の加害者は市教委となっているのであり、後田教育長の「最終報告を待つ」という態度は、市教委による被害者への「いじめ」を重ねる態度なのです。

この問題を発表させていただいてから明日で1週間となります。いじめ問題に関わっておられる国会議員や県議の方々からは発表直後にご連絡をいただき、その後も動いてくださっています。国や県でもこの問題を受けた動きが出てくるはずです。流山市の市議の方々も、遠慮なく連絡をくださればと思います。昨日の記事で後田教育長にお尋ねしたいことをまとめてありますが、市教委の対応のどこがどのように問題があり、どのような質問をすれば問題が明らかになるか、何を求めるべきか等、意見交換させていただければありがたいです。

流山では、法令違反や不適切な対応があり、指摘されてもなお態度を改めない教育長はじめ市教委の方々の態度が被害者に二次被害を与え続けているわけですが、「流山だけの問題ではない」とお感じの方も多いと思います。実際、報道されている例は多いので、以下に競りしておきたいと思います。

○取手市教委(茨城県) 平成27年11月に中学生が亡くなった事案で、保護者が独自調査の結果を提出しいじめ被害があったことを訴えたにもかかわらず、市教委は教育委員会議で重大事態でないと違法な議決を行いました。本件については、文部科学省の指導等があって市教委は議決を覆して重大事態と認定し、県に調査を委託しました。今年3月に県が設置した調査委員会が調査報告書を提出し、これを受けて取手市いじめ問題専門委員会が再発防止策案を策定、現在、再発防止策案についてのパブリックコメントを募集しています。私は本件を受けて取手市が条例で設置した取手市いじめ問題専門委員会の委員長をつとめさせていただいています。なお、市教委や学校の関係者には、市や県から停職や減給といった懲戒処分がなされています。

川口市教委(埼玉県) 中学生がいじめ被害を訴え自殺未遂をしていたにもかかわらず学校や市教委はなかなか重大事態と認めず、ようやく重大事態として調査委員会を設置したものの、被害者側にはこうしたことを伝えず、聴き取りも行いませんでした。いじめ防止対策推進法第28条第2項では重大事態調査にあたっては被害者や保護者に情報を適切に提供すべきことを定めており、法令違反だと言えます。週刊文春の記事によれば、高校1年となった被害者が「教育委員会は、大ウソつき」という遺書を残して今年9月に自殺しました。

○吹田市教委(大阪府) 平成27年から29年にかけて小学生が暴言や暴行のいじめ被害を受け骨折や心因性の視力障害などを負った事案について、市教委や学校は1年半にわたって放置。日経新聞の記事によれば、被害者の両親は市教委の対応について「何度も足を運んだのに取り合ってもらえず、つらく悔しい思いをした。何のための組織なのかと思った」と強く批判しています。しかも、朝日新聞の記事によれば、市教委は第三者機関による調査を拒否していました。

○神戸市教委(兵庫県) 教員カレー「いじめ」事件が話題となっている神戸市教委ですが、児童生徒のいじめ被害への対応についても問題ある対応が報じられています。第一に、平成28年10月に中学生が亡くなった事案で、いじめ内容を記した調査メモが隠蔽され、関係者が懲戒処分されています(産経新聞の記事)。第二に、いじめを苦にして尼崎市の中学校に平成30年に転校した生徒の被害について重大事態としての調査を行わず、その生徒が今年8月に亡くなっています(神戸新聞の記事)。

○仙台市教委(宮城県) いじめ自殺案件が複数回報じられている仙台市では、平成30年11月に小学校2年生へのいじめを苦にして、母親が被害児童と無理心中したことが報じられています。この案件では、死亡後に学校が被害児童の欠席日数を計30日から28日に訂正したことが判明しており、重大事態にしないために欠席日数の操作が行われたのではないかと指摘されています(河北新報の記事)。いずれにしても、いったんは30日とカウントされていたのですから重大事態としての対応がなされるべきでしたし、30日はあくまでも目安ですから28日であっても重大事態としての対応が検討される必要があったと考えられます。

他にもあるかもしれないのですが、私が現時点で把握している最近の事例は以上です。他の事例をご存知の方はぜひお知らせください。

なお、昨年3月、総務省が「いじめ防止対策の推進に関する調査〈結果に基づく勧告〉」を公表しています。この中には重大事態の調査にさまざまな問題があることが示されています。たとえば、重大事態調査結果の被害者や保護者への情報提供を行っていない事例は回答のあった37教委のうち6教委に見られます。保護者への情報提供を行っていない理由は下記の通りであり、認識不足を挙げている県教委が1、市教委が1あることがわかります。この市教委では該当する重大事態が11件もあり、そこで被害者側に情報提供が行われていないのはどういうことなのか、(そしてこの市教委がどこなのか)気になります。

Hogosha

2019.10.26

流山市教育委員会 後田博美教育長にお尋ねしたいこと

流山市教委の法令違反かつ不適切ないじめ問題対応について、昨日、萩生田文科相が「教育委員会の対応に問題があると思う。だからこそ前会長も辞めてしまって、記者会見を開く事態になったんだと思う」とおっしゃっています。被害者に寄り添い、県教委を通して流山市教委を指導されるとのことで、期待しています。文部科学省児童生徒課のいじめ問題担当の方には、これまでも再三再四、流山市教委への指導をお願いしてきました。しかし、私がお願いしても、実効性ある指導はなされていません。今度は、トップである大臣がおっしゃっていますので、これまでとは違う形で指導されるものと期待しています。報道機関の方々には、ぜひ文部科学省がどのような指導をされるのかを取材していただきたく思います。

大きな問題に対応するとき、組織のトップが動くことは重要です。逆に言えば、組織のトップが何もしないような組織では、大きな問題に適切に対応することは難しいでしょう。この意味で、流山市教委の後田博美教育長には、ぜひ今からでもリーダーシップをとって、市教委のあり方を抜本的に見直し、これまで不適切な対応をされてきたいじめや体罰の被害者に対して必要な調査や支援を行っていただきたいと願っています。

過去の任命の際の文書によると、後田教育長は、流山市内の小学校の教諭、教頭、校長や市教委の職員を経て、平成23年4月に教育長に就任されており、26年9月に再任され、(記録が見つからないのですが)29年9月に再々任されているはずなので、現在3期目だと思われます。おそらく、来年令和2年9月までが任期です。私としては、ぜひ現在の任期中に、今回指摘させていただいたいじめ問題への対応について、教育長から率直なご説明をいただきたいと願っています。【追記:教育委員名簿によると、後田教育長の任期は令和3年9月まででした。】

私はこれまで二度教育長にお目にかかり、教育長のご認識やお考えをお尋ねしました。しかし、残念ながら十分なお答えをいただくことはできません。おそらく、今後私が直接教育長にお尋ねする機会はないと思いますが、教育長にお尋ねしたいことをここに記します。教育長に質問をされる機会があるであろう流山市議会議員のみなさんや報道機関のみなさん、ぜひこうしたことを教育長にお尋ねいただきたいと思います。

以下、質問を箇条書きで列挙させていただきます。

(平成29年認定重大事態認定案件について)

Q1 教育長が本件について報告を受けられたのは、いつ、どなたからだったでしょうか。

Q2 教育長は本件について、指導課にどのような指示をされましたか。指示をされなかったとしたら、なぜ指示をなされなかったのでしょうか。

Q3 本件の重大事態認定が遅れたことについて、県教委から指導の連絡がなされていますが、こうした連絡があったことについて、教育長は報告を受けておられましたか。受けておられた場合、いつ、どなたから報告を受けられましたか。

Q4 本件について、調査主体を学校でなく教委にすることについては認識をされていましたか。認識をされていたとしたら、条例上、調査会に調査を委託することになっていることをご存知でしたか。

Q5 本件は教委が調査会に調査を委託する初の事案となったはずですが、初めての調査にあたり、調査の進め方について指導課から報告を受けたり指導課に指示をされたりしましたか。しておられたとしたら、具体的にどのような報告あるいは指示でしたか。

Q6 本件調査が調査会に委託されたのは市教委による重大事態認定から4ヶ月以上経過してからでしたが、すぐに委託されなかったことについてお知りになったのはいつ、どのようにしてでしょうか。お知りになったことを受けて、教育長はどのような行動をとられたでしょうか。

Q7 平成29年12月に調査会から本件についての中間報告書が提出されていますが、この報告書を受けて、教育長はどのような行動をとられたのでしょうか。

Q8 調査会への調査委託が4ヶ月以上遅れたこと、そしてそのことが被害者に多大なる苦痛を与えたことについて、責任はどなたにあるとお考えでしょうか。指導や処分等はなされたのでしょうか。

(平成26年度発生事案について)

Q9 教育長が本件について報告を受けられたのは、いつ、どなたからだったでしょうか。その際、記録上の欠席が30日を超えているという点について、報告を受けておられましたか。

Q10 報告を受けられた当時、いじめによると考えられる不登校の日数がおおむね30日以上となった場合、いじめ防止対策推進法における重大事態に認定しなければならないことをご承知でしたか。ご承知だったとしたら、本件が重大事態として認定されていないことについて、報告を受けた当時、どのようにお考えになりましたか。指導課に対しては何らかの指導をなされましたか。

Q11 本件は平成30年10月に重大事態として認定されていますが、重大事態認定にあたり指導課からいつ、どのような説明を受けられましたか。また、指導課に対してどのような指導をなされましたか。

Q12 結果的に、重大事態の要件が満たされてから重大事態認定まで3年半以上かかっているわけですが、このように重大事態認定がなされていなかったことの責任はどなたにあるとお考えでしょうか。指導や処分等はなされたのでしょうか。

(流山市のいじめや体罰の問題への対応について)

Q13 これまで流山市の学校でいじめや体罰の被害に遭い、市教委や学校から不適切な対応を受けてきたと訴える方が次々と現れています。教育長は、これまでの教員や教委職員のご経験を含め、こうした不適切な対応の事例をご承知ですか。ご承知だとしたら、その事例についてはどのような対応がとられていましたか。

Q14 これまで訴えがあった案件について、事実確認を行っていただくお考えはおもちですか。

Q15 こうした不適切な対応が今後生じないようにするために、市教委としてどのようなことを行うおつもりでしょうか。

教育長がこうしたことについて率直に説明してくださることがあれば、流山市教委で何が起こっていて何が問題だったのかが、かなり明確になると思われます。市議会議員のみなさん、報道機関のみなさん、ぜひこうしたことを教育長にお尋ねください。教育長が率直に説明してくださることを切に願っています。

2019.10.25

流山市事案を受けた千葉県いじめ防止対策条例の改正の可能性について

このブログで連日取り上げている流山市教委のいじめ問題に対する法令違反かつ不適切な対応について、多くの方からご連絡をいただいています。再発防止や被害者支援を進めなければならないのですが、今のところ、流山市教委及び流山市からはそうしたことにつながる積極的な発言は聞かれません。やはり、組織の長である教育長はご自身の見解を述べられるべきだと思いますし、教育長や教育委員を専任している市長にはリーダーシップをとってご対応いただきたいと思います。

流山市レベルでの再発防止策については、まずは流山市で考えてほしいと思います。他方、今回の経緯の中では、県教委や文部科学省による流山市教委への指導が、実質的に機能しなかったということがあります。県議の方々からは、千葉県いじめ防止対策推進条例(以下、「県条例」とします。)の見直しも含めて考えたいというお話もいただいています。そこで、今回の件を受けて、千葉県いじめ防止対策条例をどのように改正すれば、県教委から市教委への実質的な指導が可能になったのかを検討してみたいと思います。

1)県の責務

県条例では、第5条で県の責務を定めていますが、市町村との関係については、「市町村その他の関係者と協力して」施策を総合的に策定し、実施する責務を負うとされているだけであり、市町村のいじめ防止対策について確認し指導するという点が責務として示されていません。市町村教委が不適切な対応をとりうることを前提とすれば、県には市町村のいじめ防止対策が適切に実施されているかを確認し、必要に応じて指導することを責務として負わせるべきでしょう。

2)市町村の役割

県条例では第6条で市町村の役割として、施策を作成し実施する、必要な措置を講じるということが書かれているだけで、実質的な義務はほとんど課されていません。これでは、流山市教委のように、法令を認識しないままの対応についてですら、県条例は無力です。たとえば、いじめ防止対策推進法その他の関係法令を遵守して必要な措置を講じ、法令に反する対応がないかを自ら点検することを責務として課すくらいのことがあってもよいように思います。

3)相談体制

県条例では第13条で相談及び情報収集体制の充実を掲げていますが、抽象的、一般的に「充実を図るものとする」とだけ記されています。ここに、市町村や県におけるいじめ問題への対応が法令に違反することが疑われる場合について相談を受ける窓口を設け、法令違反の対応に対する相談を確実に受けられるようにするという項目が追加されるとよいと思います。

4)いじめ問題対策連絡協議会

県条例では第19条においていじめ問題対策連絡協議会の設置を定めています。私も構成員として出席していますが、多くの関係者が出席する大変重要な会議です。しかし、この会議には市町村教委関係者は出席していません。すべての市町村から出席を求めると人数が多すぎるかもしれませんが、各教育事務所管内から輪番で市町村教委の担当者が出席し、できれば近隣の地域とも情報を共有する市町村連携の体制をとれるようにできるとよいと思います。この会議に出れば、市町村だけにしか通じない対応を改めようという意識が、多少なりとも担当者には生まれてくると思われます。

5)いじめ対策調査会

県条例第20条にあるように、県にも流山市と同様に、いじめ対策調査会が設置されています。しかし、この調査会が市町村教委のいじめ対応について実質的な検討ができる状況にないと思われます。調査会で市町村レベルの対応状況を精査すること、市教委への指導のあり方について調査会が県教委に意見すべきこと等を入れ、この調査会が市町村レベルのいじめ対応について実質的に機能するようにする必要があると思われます。(見直して内容を修正しました。)

6) 管理職・主任等への研修(ご意見をいただき、追記しました)

県条例第15条では人材の確保及び資質の向上を掲げており、教職員への研修の充実も挙げられています。しかし、流山の状況を見ると、管理職や主任等、学校を代表していじめ問題に対応する人の資質に問題が見られます。こうした人が市教委の指導課などに異動する可能性も含めて考えると、千葉市以外の市町村立学校の教員の任命権者である千葉県が、管理職や主任に対してコンプライアンス、保護者対応、第三者委員会等の運営方法、管理責任等について、具体的な事例(たとえば流山市の事案を教材化する)に沿って、協働学習形式で学ぶようなことが行われる必要があります。この意味では、単に教職員の研修の充実ということだけでなく、管理職や主任クラスへの研修の充実ということを条例に含めることが検討されるとよいでしょう。

 

2019.10.24

流山市教育委員会は資料を確認せずに嘘をつく

10月21日に流山市教育委員会の法令違反かつ不適切ないじめ問題対応に関して記者発表をしたところ、多くのメディアで報じられ、多くの方からご連絡をいただいています。

30年前に流山の小学校で教員からの虐待被害を受けていた宇樹義子さんは、この問題を受けて、ブログに「流山市教委いじめ不適切対応問題を受けて ―30年前に流山市の小学生だった者より」という記事を書いてくださいました。宇樹さんは、


「空気」が、「皆と同じであれ、集団の同質性を守れ、異なった者を排除しろ」と言えば、彼らはそうする。
「空気」が、「快活であれ、いつも強くあれ、弱音は吐くな」と言えば、彼らはそうする。
「空気」が、「優れた者/まともな者以外は痛めつけろ、殺せ」と言えば、彼らはそうする。
「空気」が、「常に世の中の役に立つものであれ、世の中に『迷惑』をかける者は死すべし」と言えば、彼らはそうする。
「空気」が、「目上の者にたてつくな」と言えば、彼らはそうする。

と書かれています。流山市教育委員会や同様の対応をとる学校、教育委員会にもあてはまる鋭い指摘だと思います。「空気」が人を傷つけ、場合によっては殺してしまうのです。熱心な教師にこそ、こうしたリスクがあります。

他にも多くの方から、流山市教委や市立の学校において、いじめ、体罰等の被害を受け、まともに対応してもらえなかったという声をうかがっています。流山市教委は、今回指摘した案件だけでなく、過去の案件を洗い出し、そのすべての被害者に対して謝罪、名誉回復、支援等を行うべきではないでしょうか。

 

各報道機関に流山市教委からのコメントが掲載されていますが、さすがにきちんと指摘しなければならないと思いますので、指摘させていただきます。流山市教委は流山市いじめ対策調査会に対して、いつ調査を委託したのかという問題についてです。

教育新聞の記事では、市教委のコメントが「いじめの重大事態を報告した17年3月の臨時会で調査を依頼したつもりでいた。調査会の委員と市教委の間に誤解があった」と掲載されています。教育新聞が間違っていないとしたら、このコメントはあまりにもひどいです。というのは、2017年3月に調査会の臨時会は開催されていないからです。

当時の経緯はこうです。

3月8日 調査会定例会開催。深刻な案件が発生しているという第一報の説明はあった。(実はこの頃、市教委が重大事態認定をする根拠となった自殺企図があった。)
3月30日 市教委が重大事態認定。
4月28日 調査会臨時会開催。

3月中に臨時会は開催されておらず、3月に臨時会があったというのは明らかな誤りです。たしかに3月8日に本件について説明はありましたが、これはまだ第一報であり、市教委が重大事態認定するのはこの日から22日も後。3月8日の定例会で重大事態認定がなされたはずはありません。

昨日のTBSの「グッとラック!」で紹介された市教委のコメントでは、4月に調査会に委託したつもりだったとなっていました。これならまだ話はわかります。4月28日の臨時会のことを言いたいのだろうと思います。

たしかに、4月28日は本件への対応について審議がなされています。ただ、重大事態の調査の依頼はありませんでした。

このことについては、証拠があります。7月12日に、「平成29年度 いじめ対策調査会への報告会①」という会合が開かれていて、市教委作成の議事録があります。これは、本来調査会の臨時会を開催すべきだったのが、日程調整がうまくいかず、若干名の調査会委員がバラバラに集められていじめ事案への対応状況について報告を受けた会合です。この①には私も出席しています。この議事録には、重大事態としての調査をどう進めていくかに関する議論が書かれており、私からは市の条例に沿って調査を行う必要があること、そして調査会に調査が委託されれば最優先で行うつもりがあることを述べています。市教委から、早急に動いていきたいという言葉があって会合が終わっています。こうした経緯があって、8月2日開催の臨時調査会において、市教委から調査会に調査が委託されることになるのです。

この7月12日の会合の議事録は、市教委が作成したものです。こうした文書で経緯を確認すれば、4月の段階で調査委の依頼をしていたなどという説明はできないはずです。そもそも、市教委が内容を確認した上で提出した中間報告書でも、市教委が調査会に調査を委託したのは平成29年8月2日と明記してあります。中間報告書に関して事実の間違いはないと市教委は言っていたのであり、今になって3月あるいは4月に委託したつもりだったと言うのはあまりにもひどいと言わざるをえません。

 

なぜこうなるのか。昨日の記事では市教委が法令を見ないということを指摘しましたが、見ないのは法令だけでなく記録も見ないのです。市教委の担当者としては、報道機関に対してできる限りの説明をしているのであり、そこに嘘をつく意図はないと思います。しかし、記録を見ずに、当時の担当者の聴き取りだけをもとに回答していると思われます。当時の担当者の思いとしては、4月に依頼したつもりだったということなのかもしれません。しかし、記録を見れば、市教委としてその説明には無理があることが明白です。記録を見ないで担当者の言い分をそのまま発表しているので、結果的に嘘が生じるのです。

市教委がこのように担当者の思いだけをもとに説明し、結果的に嘘をつくことは、私たちが行った調査の過程でも見られました。事実関係が不明な点について市教委に質問して回答を得ることがしばしばありましたが、どうも他の要素と整合しない回答が多くありました。そうしたことがあると、あらためて根拠となる資料を出してもらい、資料との不整合があるとそれをまた確認するというような作業を行わなければならなくなっていました。当初は、市教委の回答に嘘が含まれることなど想定していなかったので、こうした作業が想定外に増え、調査の負担が増大しました。

市教委のこうした状況は、いじめや体罰の被害者への対応にもきっと表れていたはずです。被害者側の方々から、市教委に嘘をつかれたという声を多く聞いています。資料を確認せず、担当者の思いだけで説明するので、市教委や学校の対応が合理化されやすく、被害者側ではひどい嘘をつかれたと受け止めるしかなくなるのだと考えられます。

 

今回の記者発表をするにあたって、私は約1ヶ月前に、市教委の指導課長に会見内容をすべてお知らせし、何かあれば指摘してほしいとお願いしていました。指導課長からは、「こちらの認識とは異なる点がございます」という回答があったので、具体的に教えてほしいとお願いしました。ところが、指導課長からは「こちらの資料および担当者からの聞き取りから当方としては、認識が異なるとお伝えいたしました。どこが、どのようにという点に関しては、このメールで議論する意思はありません。」という驚くべき回答が返ってきたのです。結果を見ると、認識が異なる点というのは、調査会に調査を委託した時期だったのでしょうが、市教委ではどの資料をもとに3月あるいは4月に委託したと判断したのでしょうか。「議論する意思はありません」などとおっしゃらずにどのような資料をもとにどのような認識をおもちなのか言っていただければ、私からも7月12日の議事録などに触れ、認識を合わせることができたはずであり、残念です。

しかし、この指導課長のメールの文面は、市教委のいじめ問題等についてのコミュニケーションのあり方を象徴的に示すものとして貴重です。何か指摘されても「認識が違う」として具体的な説明を拒否し、資料も確認せず担当者の思いだけの「認識」をただ守ろうとしている状況がよくわかります。被害者側や報道機関は、市教委のコミュニケーションがこのようなスタイルであることを理解した上で、市教委とコミュニケーションをとる必要があります。市教委は資料を確認せずに嘘をつくのです。

2019.10.23

教育委員会がなぜ法令違反の対応をしてしまうのか

10月21日(月)に発表させていただいた流山市教育委員会の法令違反かつ不適切ないじめ問題への対応に関して、どうして教育委員会が法令違反の対応をしてしまうのかと、記者の方などから繰り返し問われます。私が流山を含めいくつかの教育委員会と関わらせていただいた中で考えていることを書かせていただきます。

 

1)孤軍奮闘

流山市教委の場合、いじめの問題に対応するのは、指導課に配置された1名の指導主事でした。何かがあれば、指導課長や課長補佐、他の指導主事がサポートするということになります。

私が流山市いじめ問題調査会(以下、「調査会」)の委員をつとめていた4年間で、担当指導主事をなさった方は3名おられます。どの方もいじめ問題に真摯に対応しようと、大変熱心に仕事をされていました。

ただ、担当指導主事は常に孤軍奮闘しているように見えました。あまり深刻でない問題であれば、一人で学校と連絡を取りながら対応すれば、それで十分なのかもしれません。しかし、深刻で前例がないような事態に対応するには、市教委内でさまざまな検討が必要であり、役割分担も必要です。しかし、組織風土として、組織できちんと相談することがあまりできていなかったように思います。

2)物言わぬ役職者

上記とも関連しますが、本来、いじめ問題への対応については指導課長が責任をもち、最終的な責任は教育長にあります。しかし、私が関わった指導課長にはリーダーシップをとる様子はほとんど見られませんでした。

本来、調査会の委員を委嘱する際には、責任ある立場の人(指導課長なり教育長)が、各委員にしっかりと挨拶し、いじめ問題が起きたら調査にあたってもらう重要な組織の委員を委嘱していることを説明し、協力を求めるということがあるはずです。しかし、歴代の指導課長からはそうした話を聞いたことがありません。教育長に至っては、重大事態の調査がかなり大変な状況になっても、調査会委員に対して直接話をされることは一切ありませんでした。

いじめ問題への対応の経緯についても、指導課長は通り一遍のことしか把握していないようで、深刻な問題についてリーダーシップをとり、担当指導主事と綿密に打合せをしながら対応しているとは考えにくい状況でした。

結局、指導課長や教育長といった役職者は、現場に近い面倒な問題について汗をかくことはしない立場ということになっているようで、何かがあっても「認識が違う」「認識が甘かった」というような大まかな説明だけして、やがて任期が終わるという状況になっているようです。こうした役職者には前例と違う対応は期待できませんから、いじめ問題に真摯な対応をしない例が重なればそれが変わることはないわけです。

3)外部との交渉の弱さ

こうした市教委の状況は、外部との交渉の弱さにつながります。

調査会の委員は教委から見ると外部の専門家です。こうした外部の専門家に対して、当初、担当指導主事はひどく遠慮がちであるように見えました。このことは、会議の日程調整に端的に表れています。委員の日程をきちんと調整して、多くの委員が出席できる日程で会議を設定するということができないのです。遠慮がちに日程を通知し、出席できないと返答するとそれ以上の調整が行われることはありませんでした。

また、会見で発表したように、調査会発足から2年以上にわたって会長が決まっていなかったのですが、担当指導主事はこのことに気付いていながら、調査会委員らに対して、出席者は少ない中だが会長を決めてほしいと言うことができていませんでした。

重大事態の調査を調査会に委託したつもりだったのにできていなかったということが出てきていますが、これも調査会の委員に対して明確に物を言えないことの反映だと考えられます。本来、会長の決まっていない組織に依頼をするというのは無理がありますし、調査を依頼したのであれば教委が資料を提出したり関係者の聴取の日程を調整したりといった業務を担う必要がありますが、そうしたことはなされていませんでした。本当に調査を依頼したつもりなのであれば、もっと具体的に調査をどう進めるかについて話がなされなければならなかったのですが、そうしたことができていないのは、ある意味で交渉が下手だということの表れなのだと思います。

4)法令を見ない

そして、市教委の方々は法令を踏まえて動くことがあまりないように思われます。孤軍奮闘する指導主事は、法令を確認せず、上司の考えを忖度したり、被害者側からの要望に応えたり、調査会の委員にうかがいを立てたりして問題に対応するのですが、法令に基づくということがありません。指導課長も、法令に関係する説明ができておらず、法的な理解に関して問うても誰も答えられない状況が続きます。

当然、私たち調査会では法令に基づいた対応をしているので、市教委にも法令に関係する話をする機会がありますが、重大事態の調査が始まっても、市教委担当者は法令を確認して話す様子はなく、何度か「あなたたちが作った条例を読んでいないんですか」というお話をしたことがあります。

教育行政を担う市教委が法令を見ないということが想像されにくく、外部の関係者は市教委は当然法令に従って動いているということを前提にします。外部の関係者が実は法令を見ていないのではないかといことに気付くまで時間がかかり、気付いた時点では事態はかなりこじれているということになります。

5)組織風土の問題

以上のように、流山市教委には組織風土に深刻な問題があります。すなわち、担当者は孤軍奮闘し、役職者は問題に深入りしないため、組織で連携した対応ができません。しかも、法令を見て対応されることがないため、容易に法令違反が起こります。外部の人とうまく交渉することもできません。

このような状況ですから、たとえばいじめ被害や体罰被害を保護者が申し立てても、熱心そうな指導主事がきちんとやってくれるのかと思えば、法令違反の場当たり的な対応を熱心にされるだけということになり、問題がより複雑にこじれることになるわけです。

本来、行政組織が法令に従って動くべきことは当然ですし、法令に従わなければ判断の根拠を示すことができない場合が多いはずです。そして、前例のない難しい案件に対応するためには、組織内で上下関係なく相談をするとともに、外部の専門家とも遠慮なくコミュニケーションをとり、多様な知見をふまえる必要があります。

 

今、全国各地で教委が法令違反のいじめ対応をしていることが報じられています。ここで述べた状況は決して流山市だけのことではなく、法令違反が指摘されている多くの教委に共通することではないでしょうか。

教委の個々の担当者は決して悪人ではないでしょう。しかし、組織を動かせなかったり法令を見なかったりする担当者は、いかに熱心であってもそれでよいということにはなりません。他の組織との人事交流を進める等して、組織改革を早急に行う必要があります。

流山市教委は、最終報告が出たら再発防止策をとると説明しているようです。しかし、調査会の委員が全員退任した後の新たな調査会が調査を再開して最終報告を出すにはまだ時間がかかるはずです。そもそも現在の調査会の委員のプロフィールが明らかにされておらず、被害者も人選について同意しないのではないかと考えられている状況です。私たちが出した2回の調査報告書で、教委の問題は十分に指摘されています。最終報告を待つというのは問題の先送りに過ぎません。ぜひ、今すぐ再発防止のための組織改革を始めてほしいと思います。

2019.10.21

流山市教育委員会の法令違反かつ不適切ないじめ問題対応について

本日2019年10月21日、文部科学省記者クラブにて、流山市教育委員会の法令違反かつ不適切ないじめ問題対応について公表する記者会見を行いました。


文部科学省が発表したように、小中高校のいじめ認知件数は過去最高を更新しており、いじめ防止対策推進法が定める「重大事態」の件数も昨年度602件と増加しています。そして、神戸市、埼玉県川口市等で、教育委員会が重大事態に対して法令違反あるいは不適切な対応をしている例が続出しています。こうした状況を背景にいじめ防止対策推進法の改正の議論がなされていますが、現状ではまだ改正への道筋は定まっておらず、また改正したとしても教委が法令に従わないのであれば実効性は担保できません。

重大事態への対応のあり方の問題は、被害者が死亡した事案では注目されがちですが、被害者が心身にひどい被害を負ったり不登校になったりして現に苦しんでいる事案はあまり大きく報道されることはありません。しかし、死亡事案で注目されているのと同じかそれ以上ひどいレベルでの対応を行っている教委はまだまだあると考えられます。

 千葉県の流山市教委は、いじめ重大事態に関して、以下のように法令違反あるいは不適切な対応をとってきました(主なもののみ示します)。

・いじめ重大事態に該当する事案について、重大事態と認めず、調査を行わなかった。

・いじめ重大事態と認定した事案について、条例に従って附属機関である流山市いじめ対策調査会(以下、「調査会」とします。)に調査を付託することを怠り、4ヶ月以上にわたって対応を放置した。

・被害者側や調査会との約束に反して被害者側との関係を悪化させる行為をとり、調査会による調査の妨害を行った。 

市教委の附属機関である流山市いじめ対策調査会において、こうした市教委の対応について繰り返し指摘をし、改善を求めてきましたが、いまだ改善がなされない状況があります。そうした中で、本年5月の任期満了をもって、すべての委員が退任するという状況に至っています。市教委のこうした対応によって、被害を受けた方やご家族は今でも大変な苦しみの中にあります。

記者会見で公表した資料は以下の通りです。

発表資料

補足資料

被害者保護者からいただいたコメント

 

市教委が法令に反し、調査を妨害するような状況にあることを多くの方に知っていただき、事態の改善と被害者の支援が適切に行われるようご理解ご協力をいただきますよう、お願いいたします。

2019.01.20

横断型授業づくり系修士論文発表会のご案内

千葉大学大学院教育学研究科横断型授業づくり系の修士論文発表会を、下記の通り開催いたします。皆様のご参加をお待ちしております。

平成30年度 千葉大学大学院教育学研究科 横断型授業づくり系修士論文発表会

日時:平成30年2月9日(土) 12:25〜17:15(受付12:00開始)
場所:千葉大学教育学部棟2号館2階2207教室
(JR西千葉駅、京成みどり台駅より徒歩10分)
キャンパスマップはこちら

<スケジュール>(時間は前後することがあります)
12:00 受付開始
12:25 開式

12:30~12:55
荒井 万里子
高等学校看護科における動画教材の開発と授業実践
―上級生による新生児沐浴技術の動画教材の開発を通して―

12:55~13:20
川瀬 寧々
宗教リテラシーを身につける授業の開発
―宗教知識を活用する場面を想定したマンガ教材―

13:20~13:45
木村 誠二
インタビューを活用したコミュニケーション能力育成のための授業実践研究
―高等学校普通科の国語科授業で展開するキャリア教育―

13:55~14:20
小牧 瞳
他地域における事例を通して地域課題の解決について学ぶ授業の開発

14:20~14:45
佐藤 頌太
AIリテラシーを養う授業実践の開発
―中学生が機械学習を用いた課題解決を行う授業実践を通じて―

14:45~15:10
三瓶 雄司
原子力発電についての理解を深める授業の開発
―「科学的リテラシー」の育成を目指して―

15:20~15:45
シスワン・マユリ
タイと日本における集団意識とその育成の比較考察
―運動会(体育祭)を題材に―

15:45~16:10
藤田 有紀
小学校算数における数学記号の理解を深める授業開発

16:20~16:45
柳沼勇輝
「自分らしい学び方を学ぶ」授業の開発
―授業のユニバーサルデザイン化を目指して―

16:45~17:10
山本茜子
地域の交通のあり方を考えるモビリティ・マネジメントの授業開発
―栄町の交通網を題材にして―

藤川研究室卒論等発表会のご案内

千葉大学教育学部授業実践開発研究室(藤川研究室)では、2002年度より卒業論文等の発表会を「エデュテイメントフェスタ」と称して、発表会自体を楽しさあふれる演出をする場として開催してまいりました。今年度の発表会を以下のように開催いたします。一部だけのご参加でもかまいませんので、ぜひ皆様ご来場ください。

Photo

千葉大学教育学部藤川研究室卒論等発表会「エデュテイメントフェスタ2019」

日時 2019年2月3日(日) 12時〜19時(予定)
場所 千葉大学西千葉キャンパス 総合校舎G3号館 G3-11、G3-12
(JR西千葉駅、京成みどり台駅より徒歩10分)
キャンパスマップはこちら

内容
【第1部】12:00-14:30 テクノロジーと落花生〜つながるヒト、変わるセカイ〜
【第2部】14:35-17:10 パッチワークのランドセル〜学校は変われるのか〜
【第3部】17:15-19:00 電卓とサッカーボール〜スポーツ×数学〜

発表要旨集はこちら

2018.10.04

「私たちの選択肢」シリーズ第3弾、多様な性について学ぶ授業を公開で実施しました

昨年から千葉大学、敬愛大学、柏市教育委員会、ストップイットジャパンの連携プロジェクトとして、いじめ防止に資する教材「私たちの選択肢」シリーズの教材を開発し、ストップイットジャパンより指導案付きDVDを無料配布していますが、このほど同シリーズ第3弾として多様な性について学ぶ教材を開発し、9月28日(金)に東北大学で開催された日本教育工学会第34回全国大会における発表を経て、10月1日(月)、柏市立柏第三中学校にて、報道機関向け公開授業を実施しました。

この授業の様子については、以下の報道が出ていますので、ぜひご覧ください。

NHK
https://www3.nhk.or.jp/lnews/chiba/20181001/1080003934.html

朝日新聞
https://www.asahi.com/articles/ASLB12Q97LB1UDCB001.html

千葉テレビ
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181002-00010001-chibatelev-l12

毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20181003/ddl/k12/040/152000c

また、柏市立柏第三中学校の公式サイトでも、当日の模様が紹介されています。

http://www.dai3-j.kashiwa.ed.jp/index.php?key=joif4pi56-308#_308

本件についての柏市からのプレスリリースは以下に掲載されています。

http://www.city.kashiwa.lg.jp/soshiki/020300/p047777.html

この教材を収録した指導案付きDVDは11月中旬以降にストップイットジャパンから無料配布されます。DVDの配布申込は、ストップイットジャパンのホームページからお願いいたします(まだ発表されていません)。

2018.08.27

NHK Eテレ「いじめをノックアウト」に出演します

8月31日(金)18:55-20:45、NHK Eテレ「いじめをノックアウト」スペシャルに生出演します。いじめ問題の解決に少しでも貢献できたらと思っています。皆様ぜひご覧ください。
http://www.nhk.or.jp/ijimezero/

2018.08.03

「考え、議論する道徳」に関係する教材のご紹介

小学校で2018年度から、中学校で2019年度から道徳が「特別の教科」化され、「考え、議論する道徳」を実践することが求められています。「考え、議論する道徳」を実践するためには、これまでとは異なる発想での新しい教材が必要と私は考えています。基本的な考え方については著書『道徳授業の迷宮』で、いじめと道徳との関係については著書『道徳教育は「いじめ」をなくせるのか』で、それぞれ詳しく論じていますので、ご参照いただければ幸いです。以下、私が開発に関わった教材をご紹介させていただきます。(随時更新予定、2018年8月3日更新)

『みんなで道トーク!』(河出書房新社、全3巻)
小学生向け書籍シリーズ。友人に調子を合わせなければならないのか、暴力的な親を尊敬しなければならないのか、受験勉強を犠牲にして地域の祭りに参加するべきなのかといった小学生の悩みが漫画で描かれている。各話に小学生が選択を迫られる場面があり、「考え、議論する道徳」の教材としても使いやすい。河出書房新社のサイトから授業用の指導案やワークシートをダウンロードすることもできる。

日本経済新聞記事
産経ニュース記事
 
「私たちの選択肢」シリーズ
千葉大学、敬愛大学、ストップイットジャパン、柏市教育委員会等で産学官連携で開発を進めているいじめ防止動画教材シリーズ。ドラマの終盤で主人公が選択を迫られる場面があり、そこで教室で視聴している児童生徒が選択を迫られ、抽選アプリでその後の展開が決まるという構成。いじめ問題に関する短い解説映像まで含めて授業で使えるようになっている。ラインナップは下記の通り。
エピソード1 脱いじめ傍観者教育(ストップイットジャパンがDVD付き冊子を無料配布中)
エピソード2 SOSの出し方教育(2018年7月記者発表、近日中に映像公開予定)
エピソード3 多様な性の理解に関する教育(2018年9月記者発表予定、その後DVD付き冊子配布予定)

エピソード2について
プレスリリース
東京新聞記事
朝日新聞記事
毎日新聞記事


ボクたちの出来事シリーズ
 文部科学省の「道徳教育の抜本的改善・充実に係る支援事業」を受託して開発した動画教材。アクティブブレインズの協力を得て開発したもので、本書でも紹介している。動画の基本部分はサイトからストリーミング視聴可能としている。
 なお、この教材に合わせて、ICTを活用して児童生徒の多様な意見を交流できるツール「AIAIモンキー」も開発されており、アクティブブレインズが学校等に有償で提供している。

NHK「クローズアップ現代+」
教育新聞記事

○いじめについて考える架空事例教材
 千葉県の市川市教育委員会からの依頼で作成した文章教材。200文字程度の文章に、いじめか否かが判然としない状況が描かれており、どうすればよいかをじっくりと議論できるようになっている。市川市では、地域住民が教育委員会主催の講座を受けた後、小中学校を訪れて担任教師ともにこの教材を活用した授業に地域支援者として参加している。数名のグループに1名ずつの地域支援者が入り、地域支援者が聴き役となって児童生徒の意見をじっくり聴くことを中心とした授業を行っている。教材全文を下記に公開している。

教材全文(Wordファイル)をダウンロード

各話の内容は以下の通り。

・「チビ」という呼び名は? (小学校3・4年生向け)
・わすれ物が多いのは?(小学校3・4年生向け)
・「いじられキャラ」って?(小学校5・6年生向け)
・スマホアプリの仲間外れ?(小学校5・6年生向け)
・もう少し空気読みなよ(中学生向け)
・ツヨシじゃなくて、ツヨ子だろ(中学生向け)
・ケンカしても謝れない(小学生向け)
・なんで注意されないんだよ(中学生向け)
・一緒に遊ばないと(小学生向け)
・まとめられないのは誰の責任?(中学生向け)

 なお、市川市教育委員会では同様の趣旨で藤川監修の小学校低学年向けのDVD教材「大切なのは?」も作成している。このDVDの市川市以外への配布はなされていない。

○「考えよう、ケータイ」シリーズ
 ソフトバンクとNPO法人企業教育研究会が制作し、学校等に無償提供している情報モラルを扱った動画教材。ドラマを見るだけで児童生徒や保護者が話し合いたくなるように構成されている。指導案や関連資料もサイトで提供。2018年4月提供開始の最新作「みんなで考えよう、スマートフォン」の内容は以下の通り。

1 予期せぬネットトラブル?
2 動画配信の罠?
3 スマホトラブル、うちの子だけは大丈夫?


2018.07.26

取材・講演・委員委嘱・監修等のご依頼について【2019年度改訂版】

 藤川に対する各種ご依頼についてお願いしたいことをまとめております。ご依頼をいただく前にご覧いただきますよう、お願いいたします。(2019.7.26修正)

 

1.報道機関による取材のご依頼については、できる限り対応させていただきます。電子メールにてご連絡ください。深夜・早朝を除き、おおむね数時間以内にご連絡させていただきます。「授業研究全般」「言語教育」「算数・数学教育」「ディベート」「メディアと教育(特にケータイ・スマホ関連)」「キャリア教育」「いじめ防止対策」等のテーマでご依頼をいただくことがあります。なお、私の発言が文字で掲載される場合には、該当部分を事前に電子メール等で確認させてください。また、テレビ等であらかじめ決められた枠組みにあてはめるようなインタビューを受けた経験がありますが、こうしたインタビューについてはすべてお断りしますし、結果的に私の発言の趣旨をねじ曲げるような扱いがなされた場合には厳重に抗議することとなります。

 

なお、報道については、大学の広報室に報告する必要があるため、掲載紙等を下記にご送付いただきますよう、お願いいたします。

 

 〒263-8522
  千葉市稲毛区弥生町1-33
   千葉大学企画総務部渉外企画課広報室広報係

 

2.2018年度より教育学部附属中学校長併任となったため、講演や委員等のご依頼については、特に重要なものを除いてお断りしております。また、ワーク・ライフ・バランスの観点から、土日祝日(特に日曜日)についてのご依頼は原則としてお断りしております。ご了承ください。以下に該当するものについては、例外的にお引き受けするかもしれませんので、電子メールにてご相談ください。

 

(1) 国レベル、都道府県レベル、政令市レベルの学校教育に直接的に貢献できるもの
(2) 継続的に学校現場等の授業づくりに参画できるもの
(3) 映像教材やデジタル教材の作成等、研究室単独では取り組みにくい課題に関するもの
(4) 私や研究室の研究に大きなメリットのあるもの

 

3.ケータイ・スマホ関連についてのご依頼を多くいただいているのですが、上記2(1)〜(4)に該当するものは別として、基本的にお断りしております。私が理事長をつとめるNPO法人企業教育研究会が、平成23年度より「千葉県青少年を取り巻く有害環境対策推進協議会」の事務局をつとめており、この種の講演についての講師紹介等もしていますので、企業教育研究会事務局にご相談いただければ幸いです。あるいは、私が特別会員となっている安心ネットづくり促進協議会で無料出前講座のリストを掲載していますので、ご活用ください。

 

4.ご相談をいただく際には、なぜ私への依頼なのかをお書きください。他の方でもよいと思われるもの、担当の方に熱意が感じられないものについては、お断りすることとなります。

 

5.児童生徒向けには「講演」はしません。「授業」ということであれば検討いたします。

 

6.大学での本務が優先となります。直前まで予定が確定しないことが多いので、数ヶ月後より先のお約束は原則として控えさせていただいております。

 

7.連絡は基本的に電子メールでお願いします。電話やFAXは基本的に使用しません。また、ファイルを送信される場合には、一太郎形式のファイルは避け、pdf等に変換してお送りください。

 

8.紙の書面でのやりとりは原則としてお断りしています。私が署名、捺印等をする必要がある場合には、内容について電子メールで確認していただいた上で、うかがった当日に署名、捺印することとしてください。承諾書、振込依頼書、準備物連絡書等の文書での送付は、大変な負担となります。手間のかかるものについては、たとえ送付されても返送をお断りすることがあります。具体的には次のようにお願いします。

 

承諾書:メールでの「承諾」の返信をもって、承諾書に代えてください。
振込依頼書:メールで口座等の情報を送付させていただくことをもって、振込依頼書に代えてください。
準備物連絡書:メールでのご連絡をもって、連絡書に代えてください。
マイナンバーカード:パスワードつき添付ファイルにてマイナンバーカードの両面のコピーをお送りします。

 

9.「プロフィールを送ってほしい」と言われることが多いのですが、原則としてブログの「プロフィール」欄に載っている情報を編集してお使いください。また、顔写真は以下をお使いください(無断利用は禁止)。

 

「fujikawa2017.jpg」をダウンロード

 

なお、取材で顔写真の写真撮影をしていただく場合、撮影された写真を電子データでご提供いただき、一定の範囲で活用することについてご承諾いただけると大変助かります。

 

10.講演の場合、演題を決めてほしいと言われることが多いのですが、希望される演題をまずご提示いただくようお願いいたします。

 

11.事前にお電話をいただいたり、ご挨拶に来ていただいたりすることは不要です。打合せに関しても、原則として電子メールにてお願いいたします。どうしても会ってお話しすることが必要であれば、公開の研究会等にお越しいただくようお願いいたします。

 

12.私は自家用車を利用しませんので、うかがう際には公共交通機関でうかがいます。日程が決まりましたら、何時にどこに行けばよいかをメールにてお知らせください。食事や宿泊についてのご相談も、メールにてお願いいたします。なお、移動中は重要な仕事時間でもあるので、空港からバスがある等、公共交通機関が使える場合には送迎は不要です。

 

13.録画・録音・撮影の可否を尋ねられますが、すべて可です。メディア関係の取材も可です。講演録は作成していただいてもかまいませんが、私のほうで確認作業を行うことはできませんので、作成者の文責にて作成をお願いいたします。

 

14.講演の場合、できる限り公開にしてください。公開には、インターネット上に案内を掲載することも含みます。

 

15.謝金・交通費については、まずはご提案をいただくようお願いいたします。講演等の謝金は、通信費、交際費、書籍代等、大学の研究費ではまかなえない活動資金とさせていただいています。他方、学校等で予算が苦しい組織等からのご依頼であれば、極端に言えば交通費すらなくても(私の研究的関心に合うのであれば)うかがいます。

 

16.電子メールでのご依頼をお願いしていることと矛盾するようですが、うかがう場合には大学内で許可を得なければならず、そのため所定の様式の兼業依頼状をご送付いただく必要があります。様式は、こちらに掲載されています。藤川が内諾をさせていただいた後、すみやかに藤川までご送付ください。

 

17.講演の場合、基本的にプロジェクター、スクリーン等のご準備をお願いします。基本的にPC(もしくはタブレット端末)は私のものを使用します。動画を使用する場合にはあらかじめ申し上げますので、PC用スピーカー等のご準備もお願いいたします。なお、講演データは基本的にパワーポイントで作成し、原則として講演の数日前に電子メールもしくは「宅ふぁいる便」等のファイル送信サービスでお送りしますので、受信できる環境をご準備ください(数MBのファイルを送信いたします)。配付資料として印刷、配付をお願いいたします。

 

18.当日、待ち時間等がある場合、懇談等のお気遣いは不要です。できればデスクワークに時間を使いたいので、机と椅子(できれば電源も)のある場所で、終了時刻を決めて待たせていただければ幸いです。その場合、えらい方等のご挨拶は終了時刻以降にしていただければ幸いです(五月雨式にご挨拶においでいただくと、実質的に仕事ができません)。

 

19.途中でご担当者が変わり、上記事項が引き継がれていないことがあります。そうしたことのないよう、引き継ぎをお願いいたします。

 

20.ご依頼をいただいた場合、必要なスケジュールを確保し、他の依頼があっても断るようにしています。にもかかわらず、明示的なご連絡やご相談のないまま講演等の時刻が変更になっていたり、企画自体の開催が中止になったりする事態がときどき生じています。こうしたことのないよう、スケジュールについては丁寧なご確認をお願いいたします。

 

21.教材等の監修をさせていただく場合には、打合せは千葉大学内を原則とさせてください(状況によっては東京都内の交通の便のよい場所でということも検討します)。また、あらかじめスケジュールの明示をお願いします。

 

 以上、大変失礼な内容かとは思いますが、ご理解、ご協力いただきますよう、お願いいたします。

 

 

 

2018.05.28

LGBT映像教材制作について

本日5月28日(月)のNHK首都圏ニュースで「LGBTビデオ教材制作へ 千葉」として、私たちがLGBTへの理解を深めるための映像教材を制作していることが報じられ、千葉大学に何件か問合せをいただいています。

今回報じていただいた教材は、ストップイットジャパン、柏市教育委員会、敬愛大学等とともに開発し、NPO法人企業教育研究会が普及に関わっているいじめ防止教材「私たちの選択肢」シリーズの新作として制作しているものであり、NHKの報道にあったように今年9月をめどに指導案つきDVDを学校等に無料配布することを予定しています。前作同様、千代田ラフトに制作を委託しており、現在、予定通り作業が進んでいます。

DVD配布の準備が整いましたら本ブログでも告知させていただきますので、もう少しお待ちください。

2018.03.27

研究室紀要及びプロジェクト研究報告書公表のお知らせ

千葉大学教育学部授業実践開発研究室(藤川研究室)では、毎年度の研究成果を研究室紀要『授業実践開発研究』としてまとめ、公表しています。また、近年は、千葉大学大学院人文公共学府(旧人文社会科学研究科)のプロジェクト研究報告書として、特定のテーマに合わせた研究成果をまとめ、公表しています。

以下のように2017年度の成果を公表させていただきました。各冊子に掲載した論文は、すべてpdfで公開されていますので、ぜひお読みください。また、ご意見等があればぜひお知らせください。

研究室紀要『授業実践開発研究』第11巻
https://ace-npo.org/fujikawa-lab/bulletin.html

人文公共学府プロジェクト研究報告書第324集「教育におけるゲーミフィケーションに関する実践的研究(3)」
https://ace-npo.org/fujikawa-lab/other.html

2017.09.17

日本教育工学会第33回@島根大学 発表資料

9月15日(金)から9月18日(月)まで島根大学で開催の日本教育工学会第33回全国大会ですが、一部プログラムが台風接近による悪天候のため中止となりました。

取り急ぎ、中止になった部分を含め、私たちが関係する発表の資料を順次掲載いたします。

P1a-20
小学校家庭科の被服分野を題材としたゲーム教材開発
◎遠藤 茜,長田 卓也,シスワン マユリ,田中 敦実,潤間 築(千葉大学)
抄録  発表資料

1a-603-01
企業を交流先とした小学校社会科における「子育て支援の願いを実現する政治」の遠隔授業の試み
◎小池 翔太(千葉大学),堀江 敦子(千葉大学/スリール)
抄録  発表資料

P1p-20
ネットいじめにおける脱・傍観者の視点を取り入れた授業プログラムの開発と分析
 選択と分岐を取り入れたドラマ教材を活用して
◎山本 恭輔(千葉大学),阿部 学(敬愛大学),藤川 大祐(千葉大学),谷山 大三郎(ストップイットジャパン),佐和 伸明(柏市教育委員会),青山 郁子(静岡大学),五十嵐 哲也(名古屋大学)
抄録  発表資料

P1p-48
ソーシャルメディア社会に対応した高等学校芸術科「音楽Ⅰ」における創作授業の実践と考察
 知的財産教育とメディア・リテラシーの体得的な学びを目的として
◎飯島 淳(千葉大学)
抄録  発表資料

P2p-27
確率についての探求活動を促進する授業開発
 ゲーム教材「Dice game」を題材として
◎古林 智美(千葉大学)
抄録  発表資料

P2p-29
授業というゲームにおけるプレイヤーたちの態度に応じた授業分類の試み
 バーナード・スーツの「ふざけ屋」・「いんちき屋」・「荒らし屋」論をたよりに
◎伊藤 晃一(千葉大学大学院)
抄録  発表資料

2a-201-08
教員一人一人のカリキュラム・マネジメントに向けた実践的研究
 分析・改善を意識した組織的な取り組み
○古谷 成司(富里市教育委員会)
抄録  発表資料

3a-604-02
動画教材と意見分析ツールを活用した道徳授業プログラムの開発
○藤川 大祐(千葉大学)
抄録  発表資料

以下、順次掲載します。

2017.07.14

脱いじめ傍観者プログラム「私たちの選択肢」無料配布を開始しました

本日千葉大学からリリースがなされたように、私たち研究グループがストップイットジャパン等の協力のもとで開発した脱いじめ傍観者プログラム「私たちの選択肢」について、指導案冊子つきDVDの学校等への無料配布を開始しました。このプログラムは、今年度より千葉県柏市の全中学校1年生全クラスで使用されているものです。

実効性のあるいじめ防止対策には、傍観者だった立場の児童生徒が行動を起こすことが重要です。そしてそのためには、クラスにいじめを心配する雰囲気をつくっていくことが有効です。「私たちの選択肢」は、どこかの中学校の出来事から入り、いつのまにか自分たちのクラスの雰囲気や個々の児童生徒の考えが問われる教材で、当事者意識をもって考えられるようになっています。

ぜひ多くの学校等でご活用いただきたいと思います。

Sentakushi_2

▽千葉大学からのプレスリリース
http://www.chiba-u.ac.jp/others/topics/others/topics/img/2017/20170714sentaku.pdf

▽「私たちの選択肢」特設ページ(ダイジェスト動画を掲載しています)
http://stopit.jp/workshop

2017.05.28

いじめ防止対策としての学級解体論について

前のエントリーにもあるように、千葉県柏市で脱いじめ傍観者授業といじめ通報アプリを公立全中学校で導入することが発表され、各所で報道されています。私は、脱いじめ傍観者授業のプログラムを監修するという立場で、この取り組みに関わっています。

この件に関して、評論家の宇野常寛さんとの間で少々やりとりをさせていただいています(下記参照)。

https://twitter.com/wakusei2nd/status/868498960037535745

論点がいくつかありますので、私なりに整理しておきたいと思います。

1. 宇野さんがおっしゃるように、学級のような閉鎖的な集団があることがいじめを発生させているということは疑いえないことであり、こうした集団に無理に所属させないようにすることがいじめ問題の改善に寄与すると考えられます。内藤朝雄さんのこれまでの議論にも通じます。

2. 学級の機能をいきなりゼロにすることは非現実的で、具体的な策としては、宇野さんがおっしゃるように、学校選択制、科目選択制、担任選択制、学級で取り組む学校行事の大幅縮小等と考えられます。こうした取り組みは基本的にいじめ防止に寄与すると思われます。しかし、こうした方向性について、以下3点を述べておく必要があります。

i) こうした方向をとっても、現実にひどいいじめが起きているケースはあります。特に学校選択制については、先進的に導入している東京都品川区でいじめによると考えられる自殺事案が連続して生じています。科目選択制の学校においては基本的にいじめは生じにくいようですが、科目選択制をとっている通信制高校でいじめられているという人もいます。限られた事例から学級機能を弱める方向がいじめ防止に寄与することが否定されるわけではないですが、学級機能を弱めることだけでいじめ問題が解決すると考えるのは単純すぎます。職業選択の自由があるはずの職場でいじめ=ハラスメントの問題が絶えないのと同じで、どんな制度をとったとしても、学校においていじめ対策は必要です。

ii) 学校選択制や教科選択制等については。実質的な選択を可能にするには学校や教員について豊富な資源が必要です。しかし、実際には国も地方も財政が苦しく、教育に豊富な資源を投入することは困難です。また、児童生徒や保護者が選択するにはそのために豊富な情報が必要であるはずですが、そうした情報を供給する仕組みの構築は困難です。この結果、選択制をとったとしても、選択の範囲が限定されてしまいがちです。

iii) 学級機能の縮小に関しては、学級が期待されている機能を縮小してよいかを検討する必要があります。学校から見れば、学級は担任教員によって児童生徒を管理する仕組みであり、他の児童生徒の考えに触れながら学習を進める場でもあります。児童生徒や保護者から見れば、学級は児童生徒が帰属する集団であり、人間関係を構築したり担任教員による継続的な指導を受けたりする場です。単位制高校でもホームルーム機能を重視するところが多く、大学や専門学校においても学級担任のような制度が近年重視される傾向があり、児童生徒や学生が帰属する集団は管理や相互扶助のために必要と考えられています。学級機能を縮小する議論においては、学級が期待されているこうした機能をどう考えるかについての検討が含まれるべきです。

3. 現状では、学級機能を弱める方向の議論は強く支持されているとは言い難く、今後議論を重ねるにしても推進していくには時間がかかります。そして、仮にかなりこうした方向での変化が進んだとしても、いじめの問題は残ると考えられます。ですから、学級機能をどうするかという問題とは別に、現に今起こりうるいじめについてどう対策するかが論じられる必要があります。私は教育方法学の研究者であり、授業プログラムや教材の開発を専門としていますので、現に今起こりうるいじめの防止に寄与する授業プログラムや教材の開発に取り組んでいます。具体的には、以下の点を重視した授業が必要だと考えています。

・学級内で互いの話をじっくり聞く機会を設けること。
・いじめや人間関係に関して、学校外の人と対話をする機会を設けること。
・「空気が読めない」「自分勝手」に見える態度をとっている人がいても、そのことを理由にその人に対して嫌がらせをすることは正当化されないということを理解できるようにすること。
・周囲で見ている観衆や傍観者はいじめの進行を止めることが可能であることを理解できるようにすること。自分の安全を守りつついじめを止める方向でアクションをとる方法はさまざまあることを理解できるようにすること。
・こうしたことを、陳腐で意図が読める教材でなく、ある程度以上のクオリティで新鮮な印象を与える教材を使った授業で実現すること。

私が関わっている取り組みについて詳しくは、以下に記されています。

▽千葉県市川市における地域住民参画によるいじめ防止授業の取り組み
http://ace-npo.org/fujikawa-lab/file/pdf/other/2014/2014fujikawa.pdf?cd=00116414
▽千葉県柏市における脱いじめ教育の取り組み(ブログ記事)
http://dfujikawa.cocolog-nifty.com/jugyo/2017/05/post-c45d.html
▽ソフトバンク及び企業教育研究会による「みんなで考えよう、ケータイ・スマートフォン」
http://ace-npo.org/info/kangaeyou/kyouzai/kangaeyou4.html

宇野常寛さんは私が敬愛する評論家であり、教育に関しても大いに示唆をいただきたいと願っています。私の著書『授業づくりエンタテインメント!』にもご登場いただいており、今回の件は『授業づくりエンタテインメント!』でも少し議論していたことの延長と言えます。今後、さらに議論させていただく機会があればと願っています。

2017.05.23

脱いじめ傍観者教育用教材「私たちの選択肢」の作成と柏市での授業実施について

このたび、千葉大学、敬愛大学、千葉県柏市、ストップイットジャパン等の連携によって、脱いじめ傍観者教育用動画教材「私たちの選択肢」を開発し、この教材を用いた授業を柏市立全中学校1年生全学級で実施することを発表しました。授業の実施は、NPO法人企業教育研究会が担当します。柏市ではあわせて、匿名通報サービスSTOPitを全中学校で導入します。

5月22日(月)、柏市立土中学校にて、報道機関向けの公開授業を実施しました。10社以上が来てくださり、すでに多くのメディアで取り上げられています。以下、短期間で期限切れになるものもあると思いますが、記事等へのリンクを貼っておきます(順不同)。

▽NHK
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170522/k10010990901000.html
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170523/k10010991471000.html
▽朝日新聞
http://www.asahi.com/articles/ASK5Q43XPK5QUDCB00F.html
▽ICT教育ニュース
http://ict-enews.net/2017/05/23kashiwa/
▽教育新聞
https://www.kyobun.co.jp/news/20170522_03/
▽東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/list/201705/CK2017052302000186.html
▽読売プレミアム
http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20170510-118-OYT1T50144/search_list_%25E6%259F%258F%25E5%25B8%2582__
▽千葉日報
https://www.chibanippo.co.jp/news/national/410096
▽毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20170523/ddl/k12/100/081000c
▽J-CASTニュース
https://www.j-cast.com/2017/05/23298720.html?p=all
▽産経ニュース
http://www.sankei.com/region/news/170603/rgn1706030023-n1.html
▽内外教育(6月2日号に記事が掲載されています)
http://www.jiji.com/service/senmon/educate/backnumber.html

いじめ防止対策推進法が施行されてまもなく4年になりますが、まだまだ実効的ないじめ防止対策が進んでいない状況があります。特に、LINE等の普及によって、ネットパトロールでは見えないネットいじめが広がり、子どもたちの中でいじめを止める動きが広がらなければ、いじめの深刻化を防ぐことは困難です。私たちは質の高い教材の開発を通して脱傍観者教育を推進し、実効性あるいじめ防止対策を広げていきたいと考えています。

(追記)
脱いじめ傍観者教材「私たちの選択肢」の柏市全中学校1年生全クラス実施の発表を受けて、本日も取材や問合せを多くいただいています。研究成果としての教材ですから、無料で広く使っていただけるよう配布を準備しています。近日中に具体的なアナウンスを行えるようにします。

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