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2020.05.26

9月入学制具体案の修正について

9月入学制について具体案を発信したところ、未就学児への影響について多くのご心配のご意見をいただきました。これを受け、具体案を次のように修正したいと思います。

  1. 2020年度末を21年8月とする。21年度より、学校の年度を9月から翌年8月までとする。
  2. 20年度については、すでに休校措置で学習が進んでいない部分があること、今後も分散登校や再度の休校措置が必要となる可能性があり、学習進度を高めるのに限界があることを踏まえ、夏休みの過度な短縮などをせず、21年6月くらいまでかけて教育課程を進める。ただし、高校3年生や大学4年生などについて、教育課程の進行に無理がない場合には、3月に卒業することを認め、4月からの就職が最大限可能であるようにする。
  3. 小学校入学時期は当面、4月1日時点で6歳の者とする。21年生まれの者が6歳となる27年度より、小学校入学時期を1ヶ月ずつ遅らせ、31年度より9月1日時点で6歳の者とする。
  4. 入試、公務員試験など、児童生徒学生に関わる試験のスケジュールは、20年度実施のものについては可能な範囲で、21年度以降実施のものについては原則として全て実施時期を現状より4~6カ月程度遅らせる。
  5. 教職員の任期、定年などは基本的に5カ月遅らせる。定年については、今後の公務員の定年延長などがなされる中で、適宜調整する。
  6. 20年度は1年5カ月となるが、授業料などは1年分のままとする。学校が負担すべき5カ月分の人件費などについては政府が必要な補助を行う。
  7. 未就学児が増えることによる保育ニーズの増大に関して、幼稚園・保育園などへの助成拡大、家庭で乳幼児を養育する保護者への支援措置の対応を行う。
  8. この他、社会を挙げて9月入学制に合わせた制度の変更を行う。

補足です。

この案では、移行のための費用が膨大にかかります。当然、法律改正をや学校の教育課程の変更等、さまざまな手間もかかります。特に、未就学児が増えることへの対応は深刻であり、待機児童の増加については保護者への休業補償等の策を検討する必要があると考えます。こうしたコストについて社会的合意が得られなければ、上記具体案の採用はありえません。

また、移行措置が終わるまでの間、日本では義務教育開始時期が遅くなり、長期にわたって義務教育等の修了時期が遅くなります。こうした状況はいずれ解消されますが、一時的にせよこうした教育時期の遅れが許容されないということであれば、上記具体案は採用できません。

そして、当然ですが、季節感は変わります。この点は9月入学制である以上、避けることができません。ただ、季節感は上記具体案を採用するか否かについて決定的な要因とはならないと考えています。

前のエントリーにも書きました、小中高などの1年間の動きは次のようになります。なお、3学期制でなく前期・後期の2期制を前提としています。

8月 基本的に夏休み。新採用の教員には研修期間を設け、異動の教員には早めに内示を出す等して、新年度の準備に時間がとれるようにする。
9月 新年度開始。夏休み明けであるが、子どもたちは学年が変わって気分を新たにこの時期を迎えられるため、不登校や自殺等のリスクは低減される。
10月〜11月 運動会や文化祭、修学旅行等の学校行事をこの時期と4〜5月とを中心に実施。ゴールデンウィークで時期が分断されることがない一方、適度に祝日があり、無理なく学校生活を送りやすい。部活動の秋季大会(従来の夏季大会に相当)も土日祝日等を活用して実施し、中高の3年生の部活動はこの時期を区切りとする。部活動の全国大会は11月から12月の土日や祝日を活用して実施することを原則とする。
12月 地域によるが、20日頃から冬休みに入る。
1月 地域によるが、成人の日くらいまでを冬休みとし、長めの冬休みに地域行事、社会教育活動等等を入れやすくする。
2月 2月末をもって前期修了。特に前期と後期との間の休みは設けない(数日確保してもよいかもしれない)。
3月 3月1日より後期開始。推薦入試等の入試がこの頃から始まる。
4月〜5月 運動会や文化祭、修学旅行等の学校行事を実施。また、ゴールデンウィークを中心に部活動の春季大会従来の秋季・冬季の大会に相当)を実施。
6月 入試を主にこの時期に実施。
7月 中旬で授業終了、その後は夏休み。

このようにすると、現状の4月入学制に見られた問題は、以下のようにほとんど解消されることとなります。

・入試の時期は6月となり、梅雨ではあるものの、台風は少ない時期で、インフルエンザや雪害等の影響はない。
・夏休みが年度の区切りとなるため、夏休み前にいじめ等の問題を抱えていた子どもが不安を抱えたまま過ごす必要がなく、新たな気持ちで9月を迎えやすい。(冬休みを長くするプランにしているが、それでも3週間程度であり、現在の夏休みの半分である。)
・部活動のメインの大会を秋季と春季の気候がよい時期に設定できる。野球の甲子園大会もメインは11月から12月の週末にすれば、酷暑の中、高校生が連日試合をするような無理をすることが避けやすくなるだろう。
・教職員が余裕をもって新年度の準備をできるようになる。

暑い時期に入試をすることへの懸念がありえますが、イメージとしては現在の入試から4ヶ月遅れにスライドすると考えてください。すなわち、5月中旬に大学共通テスト、6月に今2月に行われているさまざまな試験というイメージです。5月は天候がよいですし、6月は梅雨ですがこれまで大雨はあまり多くありません。また、いずれにしても入試には予備日程が必要ですが、入試と新年度の間に夏休みをはさんでいるため、別日程で調整する余裕がこれまでより1ヶ月分多くあります。また、仮に今後さらに温暖化が進んだ場合には、入試時期を5月中心にすることで対応が可能です。いずれにしても、感染症や雪害のリスクの高い現行の冬の時期の入試よりは状況は大きく改善されると考えられます。

私は多くのコストをかけてでも、これを機に9月入学制に移行し、学校教育でこれまで当然とされていたことを見直す契機ともするのがよいと考えます。コストについては、これまであまりにも教育にコストをかけてこなかったのですから、許容されてよいと考えています。しかし、社会的に合意ができるかと言われれば別です。合意が得られないのであれば、無理に教育課程を詰め込んでなんとかこの危機を乗り越えなければなりませんし、今後当面、入学時期の移行のような大胆な改革は難しくなることを引き受けなければならないでしょう。

あまり時間をかけるわけにはいきませんが、しっかりと議論ができればと思っています。

2020.05.23

9月入学制の論じ方について

9月入学制について、5月22日の教育新聞「オピニオン」欄「9月入学、デメリットは少ないのではないか」で、具体的な提案を書かせていただきました。この中で、以下の私案を示させていただいています。

  1. 2020年度末を21年8月とする。21年度より、学校の年度を9月から翌年8月までとする。
  2. 20年度については、すでに休校措置で学習が進んでいない部分があること、今後も分散登校や再度の休校措置が必要となる可能性があり、学習進度を高めるのに限界があることを踏まえ、夏休みの過度な短縮などをせず、21年6月くらいまでかけて教育課程を進める。ただし、高校3年生や大学4年生などについて、教育課程の進行に無理がない場合には、3月に卒業することを認め、4月からの就職が最大限可能であるようにする。
  3. 小学校入学時期は、21年度は4月1日時点で6歳の者、22年度は5月1日時点で6歳の者というように年齢基準時期を1カ月ずつ遅らせ、2026年度より9月1日時点で6歳の者とする。
  4. 入試、公務員試験など、児童生徒学生に関わる試験のスケジュールは、20年度実施のものについては可能な範囲で、21年度以降実施のものについては原則として全て実施時期を現状より4~6カ月程度遅らせる。
  5. 教職員の任期、定年などは基本的に5カ月遅らせる。定年については、今後の公務員の定年延長などがなされる中で、適宜調整する。
  6. 20年度は1年5カ月となるが、授業料などは1年分のままとする。学校が負担すべき5カ月分の人件費などについては政府が必要な補助を行う。
  7. 未就学児が増えることによる保育ニーズの増大に関して、幼稚園・保育園などへの助成拡大、家庭で乳幼児を養育する保護者への支援措置の対応を行う。
  8. この他、社会を挙げて9月入学制に合わせた制度の変更を行う。

私としては、このくらいの具体案をもとに、期間を決めて、9月入学制導入か否かの議論を行い、早めに結論を出すべきだと考えます。

なお、上記の案では、未就学児にしわ寄せが来てしまうのではないかと考えられます。私としては、少なくとも今の学年は今の学年のまま来年8月まで過ごし、今の年長の学年にあたる子どもたちだけが来年度小学校に入学するという上記の方法は比較的問題が少ないのではないかと考えました。その上で、来年9月以降は、小学校入学時期に合わせて幼稚園等の学年を再編成することとし、今から子どもたちが学年の枠を越えて交流する等の配慮をしておくことで対応可能だろうと考えています。しかし、この方法では今の年少や年中の子どもに混乱が生じるというご意見もあるかと思います。そういうことであれば、2023年度までは4月1日時点で6歳の者が小学校に入学することとし、その後に年齢基準時期を1ヶ月ずつずらす措置をとるということにしてもよいと考えます。その場合、上記の案より移行が終わるのに2年多くかかりますが、現時点での年少児以上の学年には学年分断等の影響は生じないこととなります。

また、大学卒業の時期については大学で基本的に自由に決められますので、現在の在学生については、4年生に限らず、在学期間が4年となる年度の3月で卒業することを認めてよいと考えます。

「9月入学の議論は今ではない」という意見もあるようですが、現状で休校措置や分散登校等の影響で学校生活に大きな支障が生じているこの状況にどう対応するかという面が大きいので、今きちんと議論がなされるべきです。特に、今年度中に実施される入試の時期をどうするかに関わるので、むしろ早急に議論する必要があるはずです。

9月入学制については留学に関するメリットが多く指摘されていますが、私は現状の4月入学制にはいろいろと課題があると考えています。主なものとして以下があります。

・入試の時期が冬で、インフルエンザや雪害の影響が大きい。
・夏休みが年度途中なので、夏休み前にいじめ等の問題を抱えていた子どもたちは、夏休み明けに不安を抱えやすい。
・以前より夏がかなり暑くなっている中で、部活動のメインの大会が夏になっており、健康管理が難しい、
・教職員側が新年度の準備をする時間が短い。特に、新採用の教員は数日の準備のみでいきなり教員として教壇に立つこととなり、無理がある。

9月入学制にすると、上記のような問題が解消されます。小中高などの1年間の動きは次のようになります。なお、3学期制でなく前期・後期の2期制を前提としています。

8月 基本的に夏休み。新採用の教員には研修期間を設け、異動の教員には早めに内示を出す等して、新年度の準備に時間がとれるようにする。
9月 新年度開始。夏休み明けであるが、子どもたちは学年が変わって気分を新たにこの時期を迎えられるため、不登校や自殺等のリスクは低減される。
10月〜11月 運動会や文化祭、修学旅行等の学校行事をこの時期と4〜5月とを中心に実施。ゴールデンウィークで時期が分断されることがない一方、適度に祝日があり、無理なく学校生活を送りやすい。部活動の秋季大会(従来の夏季大会に相当)も土日祝日等を活用して実施し、中高の3年生の部活動はこの時期を区切りとする。部活動の全国大会は11月から12月の土日や祝日を活用して実施することを原則とする。
12月 地域によるが、20日頃から冬休みに入る。
1月 地域によるが、成人の日くらいまでを冬休みとし、長めの冬休みに地域行事、社会教育活動等等を入れやすくする。
2月 2月末をもって前期修了。特に前期と後期との間の休みは設けない(数日確保してもよいかもしれない)。
3月 3月1日より後期開始。推薦入試等の入試がこの頃から始まる。
4月〜5月 運動会や文化祭、修学旅行等の学校行事を実施。また、ゴールデンウィークを中心に部活動の春季大会従来の秋季・冬季の大会に相当)を実施。
6月 入試を主にこの時期に実施。
7月 中旬で授業終了、その後は夏休み。

このようにすると、現状の4月入学制に見られた問題は、以下のようにほとんど解消されることとなります。

・入試の時期は6月となり、梅雨ではあるものの、台風は少ない時期で、インフルエンザや雪害等の影響はない。
・夏休みが年度の区切りとなるため、夏休み前にいじめ等の問題を抱えていた子どもが不安を抱えたまま過ごす必要がなく、新たな気持ちで9月を迎えやすい。(冬休みを長くするプランにしているが、それでも3週間程度であり、現在の夏休みの半分である。)
・部活動のメインの大会を秋季と春季の気候がよい時期に設定できる。野球の甲子園大会もメインは11月から12月の週末にすれば、酷暑の中、高校生が連日試合をするような無理をすることが避けやすくなるだろう。
・教職員が余裕をもって新年度の準備をできるようになる。

季節感が大きく変わり、生活科などが困るだろうという論点はあります。ただ、温暖化で季節感がかなり変わってきていることもありますので、これを機に季節感の捉え方を変えるとともに、小学校1年生から2年生にかけて連続的に学習を進める等の工夫が可能と思われます。

なお、大学に関しては現状でも9月入学を取り入れているところがあり、基本的に前期と後期を逆転させ、時期を微修正することで対応可能であろうと考えられます。具体的には、9月から12月が前期、成人式に配慮して少し長く冬休みをとり、1月中旬から5月末までを後期、6月から8月は集中講義や留学等の期間とすることが可能です。もちろん、2〜3ヶ月ごとに区切って授業を行うことも可能でしょう。

以上のように具体的なイメージを描いた上で、以下の二つの選択肢のどちらがよいかを論じるべきです。

A) 2020年度を2021年8月まで延長し、2021年度から9月入学制を導入する。
B) このまま4月入学制を維持する。

ただし、Bは単なる現状維持ではありません。すでに休校措置や分散登校で、小中高などの教育課程には大きな遅れが生じています。秋以降に新型コロナウイルスの第二波が生じて、ふたたび休校措置が必要となる可能性も残っています。こうした状況の中で、今年度の教育活動をどのように成立させるかもあわせて検討しなければなりません。現状では夏休みの大幅な縮減や来年度以降への教育内容持ち越しが提案されていますが、こうしたやり方で第二波に対応ができるかどうか不明ですし、夏休みが短くなることによる子どもたちの健康面への影響も心配です。Aであれば5ヶ月の余裕ができるのですから、こうした問題はありません。

Aのデメリットは、手間と費用だけです。もちろん手間や費用は膨大でしょう。この手間や費用をBによる今年度のかなり無理のある学校生活とのどちらをとるかという選択になるのだろうと思います。

私は、ここまで述べてきたような具体的なイメージを描きつつ、AがBよりずっとよいと考えますが、みなさんはいかがでしょうか。

2020.05.13

休校措置、オンライン学習、9月入学等に関する関係記事一覧

3月以降、新型コロナウイルスの影響による休校措置、オンライン学習、9月入学等の話題で非常に多くの取材を受けています。私が校長をつとめる千葉大学教育学部附属中学校では、できることからやる、教員がボトムアップでアイデアを出して実行するといった考え方で、毎平日朝9時に生徒が校内用ホームページを見ることを基本に、文書ベース+一部オンライン同時双方向型の学習指導を行っています。家庭の状況については全保護者にアンケートをとり、全生徒の状況を継続的に確認しながら、ネットでの対応が難しい家庭・生徒には個別に連絡をとることにしています。

新型コロナウイルスの影響による休校措置において最も重要なことは、子どもたちが安全に健康に生活できるようにすること。その中で、学習指導の充実の前に、学校・学級とのつながりを維持し、家庭以外に帰属できる場所を確保することが重要と考えています。ですから、学校と子どもたちがコンタクトする頻度がある程度必要であり、毎日1回つながるというくらいがよいのではないかと考えています。もちろん、学習を適切に進めることも子どもの精神衛生上よいと考えられますので、休校期間中に予定されていた期間の授業内容の半分程度を目標に家庭で学習を進め、学校再開後に一部の内容を短縮して実施できるようにすることが必要です。

9月入学制度については、グローバル対応において大きなメリットがありますので、今年度学校再開後に無理に授業を詰め込んで児童生徒や教師に多大なる負担をかけずにするという観点からも、今年度は5ヶ月延長して来年8月までとし、来年度から9月を新年度の始まりとする案が検討されることを期待しています。もちろん社会全体の合意が必要ですし、関連する法令・規則の改正、私立学校等の財務負担、一時的に小学校入学が先進国で最も遅い7歳5ヶ月となる等の問題はあります。とはいえ、今年度を5ヶ月延長することとして制度改正等は今年度の終わりまで時間をかけて実施することとし、まずは早めに入試や就職活動、関連する諸試験等についてスケジュールを延期する措置を決めることが必要と考えます。小学校入学時期は、来年度は4月1日時点の年齢とし、その後毎年1ヶ月ずつ基準となる日を後ろにずらし、5年かけて9月1日時点の年齢にすれば6歳での入学に戻すことが可能です。

もちろん9月入学についてはいろいろな意見があると思いますが、テクニカルに解決できる点については早期に対応策をまとめた上で、このまま今年度を無理に3月に終わらせるのがよいかこれを機に9月入学に舵を切るかという大きな論点について国民的な議論を行うべきでしょう。テクニカルな問題についての慎重論と、細かい点は気にしない推進論との対立では、議論がすれ違ってしまいます。

以下、私個人や千葉大学教育学部附属中学校が関係する、休校、オンライン学習、9月入学等に関する記事の一覧です。有料記事もありますが、参考にしていただければ幸いです。【記事は適宜追記しています】

9月入学、負担7兆円 教育学会「利点少ない」(北海道新聞、5月22日)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/423431

新型コロナ 遠隔授業、充実望む声 オンライン端末、整備に格差 保護者「学習の遅れ心配」(教育新聞、5月22日、購読会員限定記事)
https://www.kyobun.co.jp/commentary/c20200522/

新型コロナ 今後の教育のあり方は オンラインで多様化 藤川大祐・千葉大教授に聞く /愛知(毎日新聞、5月20日)
https://mainichi.jp/articles/20200520/ddl/k23/040/028000c

再開後の学校どう変わる? 「オンラインで広がる可能性 議論や不登校生参加も」 (毎日新聞、5月20日)
https://mainichi.jp/articles/20200520/k00/00m/040/038000c

オンライン学習定着へ課題も 環境整備、自治体・学校間格差…保護者から不安の声(毎日新聞、5月17日、有料会員限定記事)
https://mainichi.jp/articles/20200517/k00/00m/040/117000c

学校生活にも“新しい生活様式” 「子供の健康と安全を最優先に」千葉大・藤川教授(テレビ静岡、5月16日)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200518-00000008-sut-l22

学校再開はいつ? 再開後は「意識を変えていくことが重要」 静岡県内(テレビ静岡、5月15日)
https://www.fnn.jp/articles/-/42620

休業要請解除でも続く休校 文科省「経済と差、違和感」 教育委「子供は選べない」(毎日新聞、5月12日)
https://mainichi.jp/articles/20200512/k00/00m/040/228000c

社説 長引くコロナ休校 安心と希望与える対策を(宮崎日日新聞、5月12日)
https://www.the-miyanichi.co.jp/shasetsu/_44919.html

(コロナと学び)「9月入学」の是非、識者に聞く 前川喜平さん、藤川大祐さん(朝日新聞、5月10日、有料記事)
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14470636.html

9月入学検討も 長引く休校 “学習の遅れ”どうする?(NHK、5月9日)
https://www.nhk.or.jp/ohayou/digest/2020/05/0509.html

学習格差、広がる恐れ 特定警戒地域 休校継続多く(産経新聞、5月7日)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200507-00000595-san-soci

【コロナ危機 6つの質問】藤川大祐千葉大学教授(教育新聞、5月7日、購読会員限定記事)
https://www.kyobun.co.jp/close-up/cu20200507/

文科省、学校再開に向けた指針公表 「9月入学」は課題精査(産経新聞、5月1日)
https://www.sankei.com/life/news/200501/lif2005010104-n1.html

家庭学習 意欲高める工夫…難易度合う教材、ネットでの参加も(読売新聞、4月30日、読者会員限定)
https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/kyoiku/20200429-OYT8T50076/

9月入学、現職校長の識者に聞く「現実的」な導入論 教員たちが今「つらい」のは…(J-CASTニュース、4月30日)
https://www.j-cast.com/2020/04/30385282.html?p=all

9月始業や入学「選択肢」 文科相発言、課題も多く(日本経済新聞、4月29日、有料会員限定記事)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58595630Y0A420C2CR8000/

学校を失った子どもたち “教育の危機”に世界はどう対応?(NHK、4月28日)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200428/k10012407261000.html

学校とコロナ禍 風土や指導見直す契機に(日本経済新聞、4月26日、有料会員限定記事)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58468320U0A420C2CK8000/

HPでつながり、学ぶ好機ととらえ 藤川大祐・千葉大教授(共同通信、4月25日、リンクは神奈川新聞有料会員限定記事)
https://www.kanaloco.jp/article/entry-339743.html

「まずやってみる」はできないのか 閉じ込められる子ども、オンライン授業求める親たち(毎日新聞、4月17日、会員限定有料記事)
https://mainichi.jp/articles/20200417/k00/00m/040/121000c

【臨時休校 千葉大付属中の取り組み】(下)逆境を新たな学びの機会に(産経新聞、4月16日)
https://www.sankei.com/life/news/200416/lif2004160006-n1.html

【臨時休校 千葉大付属中の取り組み】(上)学習と生活、リズムづくり(産経新聞、4月15日)
https://www.sankei.com/life/news/200415/lif2004150011-n1.html

休校延長に保護者困惑、再開後も課題山積 (日本経済新聞、4月4日、有料会員限定記事)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57682870U0A400C2EA2000/

学校再開 長期休校も視野に入れた対応策を(教育新聞、4月3日、購読会員限定記事)
https://www.kyobun.co.jp/commentary/c20200403/

新学期休校「新高3生、受験に響く」 都立高、4月は授業多い1カ月(産経新聞、4月1日)
https://www.sankei.com/life/news/200401/lif2004010111-n1.html

学校活動、コロナ休校で見えてきた「本当に必要なもの」(3月26日、朝日新聞、有料会員限定記事)
https://digital.asahi.com/articles/ASN3S7K1LN3RUTIL057.html

2020.01.27

千葉大学教育学部授業実践開発研究室(藤川研究室)卒論等発表会を開催します

私たちの研究室の卒論等発表会が、2月2日(日)に開催となります。卒論だけでなく、修論や委託研究生等の発表もあります。皆様のご参加をお待ちしています。

藤川研究室 卒論発表会 2020年2月2日(千葉県) - こくちーずプロ https://www.kokuchpro.com/event/f673454c46b4cca4afdb84faade1a869/?fbclid=IwAR1-MID_lbbytjeJGaAQkpzmSBUyzsMQIQ3q-C4l9MWmVxTxJYpv8kdARyA 

2020.01.21

ある教育委員会による一方的なスライド削除の通告について

ある教育委員会より、いじめ問題に関する講演の依頼をいただき、資料を事前送付して印刷をお願いしました。その教育委員会とはこれまで継続的にお付き合いがあり、いじめ問題に関してもよい取り組みをしていただけていると感じていました。

しかしながら、資料受領のメールに信じられない記載がありました。「法令を守らない教育委員会」というタイトルのスライドについて、「印刷資料からは除いて配付させていただきたいと存じます」と書かれていたのです。

該当のスライドは以下です。

Kyoi

これらはすべて、新聞等で報道されている案件であり、いじめに関する講演でこうしたことがらに触れることが必要だと私は判断しました。しかし、一方的に、この資料を印刷資料から抜くという連絡があったわけです。

百歩譲って相談をいただくということなら、ありうるかもしれません。しかし、一方的に連絡が来たことが、私には信じられませんでした。

あらためて思うのは、こうした教育委員会の一方的に「臭い物に蓋をする」ようなあり方が、いじめ被害に苦しんでいる人がいても、法令に反してまで、問題がなかったかのようにすることとつながっているのだということです。

当然ですが、このような検閲まがいのことをされて、何もなかったように講演をさせていただくわけにはいきません。講演は、辞退させていただくことにいたしました。

2020.01.17

SNSでの青少年の犯罪被害に関するコメント

このところ、SNSの犯罪被害について、取材依頼を多くいただいています。同じことを何度もお話ししてもあまり意味がないので、現時点での私の見解をここに記しておきます。

まず、基本的な状況として、2013年を境目に中高生などの若い世代にスマートフォンの利用が拡大し、これに伴い、SNSやオンラインゲーム等の利用が広がりました。LINEのサービスが本格的に普及したのもこの年です。

これ以降の状況として重要なのは、LINEが標準的なコミュニケーションツールになったことと、Twitterの複数アカウント利用が常態化したことです。

LINEの普及は、チャット形式での2人あるいはグループでのコミュニケーションが日常化したことを意味します。中高生の場合、いくつものグループに入り、毎日それらのグループでチャットをすることが当たり前になりました。この結果、学校での人間関係が学校外でもずっと続く状況が顕著となりました。そして、コミュニケーションの頻度が上がったことで、ネットいじめにつながるリスクが増大しました。実際、2013年以降、LINEでのコミュニケーションに関わるネットいじめ案件は多く報道されています。

Twitterの複数アカウント利用は、「裏アカ」がネットいじめに使われるようになったことにもつながっていますが、趣味でのつながり等を作りやすくしました。中高生が趣味用Twitterアカウントで共通の趣味の人と日常的にコミュニケーションをとり、オフ会等で会うことは珍しくありません。この延長上に、「パパ活」用アカウントや「援助交際」用アカウントを作って「援助」してくれる人を探すということもあります。

これら以外に、オンラインゲーム等の利用もあります。

注意すべきは、SNSやオンラインゲームの普及と同時期に、少年犯罪が著しく減少していることです。ここ十数年で少年犯罪は数分の一に減っています。

そもそも家庭や学校でうまくいかない青少年は、どうしてもある程度の数いると考える必要があります。SNS等が普及する以前には、そうした者の中には非行少年のたまり場に集うものがそこそこいて、少年非行、少年犯罪につながっていた部分がかなりあったと思われます。しかし、SNS等の普及で、そうしたたまり場に行かなくても、青少年はなんとか日々をやり過ごすことが可能になります。たとえば、SNSで知り合った人には自分の素性がわからないので、かえって悩みを素直に打ち明けられるという話がよく聞かれます。ゲームで救われている者も多いでしょう。このように、ネットの普及は、子どもたちを犯罪に関わることから遠ざける機能をもっていると考える必要があります。

(参考)少年による刑法犯等検挙人員・人口比の推移(法務省『平成30年版 犯罪白書』)
http://hakusyo1.moj.go.jp/jp/65/nfm/n65_2_3_1_1_1.html

しかし、当然ながらネットにはリスクもあり、家出をしたい若者(特に女性)が、性行為をすることが想定されるにもかかわらず、SNSで知り合った人のところに行くような案件が出てきています。Twitterの複数アカウント利用ではこうしたコミュニケーションが容易ですから、結果として、SNSに起因する犯罪の4割以上がTwitter経由になるわけです。

このように考えると、ネットが危険というのは不正確であり、青少年にはそもそもリスクがあり、特に家庭や学校でうまく行っていない者にとっては、家庭や学校が危険なのだという前提に立つ必要があります。

では、SNSで子どもが犯罪被害に遭う問題について、家庭や学校ではどのように対応すべきなのでしょうか。

当然ですが、インターネットがどのようなものであり、SNSには有用性も危険性もあるということを理解してもらうような教育は不可欠です。また、ネット初心者の子どもには、子どもに合ったフィルタリングサービスを利用することも必要です。利用時間を決め、家庭内では基本的にリビングルームで使用させるなどして、保護者がゆるやかに子どもの様子を見守れるようにすることも必要です。

しかしながら、そうしたことだけでは対応は不十分です。SNSでの犯罪被害については、何が犯罪なのかをきちんと子どもたちに教えておく必要があります。具体的には以下のことを理解してもらわなければなりません。

・保護者に無断で18歳未満の子どもを宿泊させることは、たとえ子ども本人が望んでいても、誘拐や条例違反(深夜外出違反)の罪に問われる可能性があること。

・18歳未満の子どもの下着姿や裸の写真、動画を撮ることは、基本的に児童ポルノ製造という犯罪にあたること。

SNSで知り合った人が、自分の悩みをよく受け止めてくれたとしても、保護者に無断で泊まらせようとしたり、下着姿や裸の写真・動画を求めたりしてきたら、その人は犯罪に該当しうる行為をしていることになります。そのような相手に大切な自分の身体を委ねるようなことをしてはならない、ということをこそ、理解してもらう必要があります。

中高生(あるいは小学生)が、家を出たいとか自分を傷つけたいという心理に陥ることは、残念ながらありうることです。そうしたときに頼るのがSNSで知り合った相手しかいないというのは、まずい状況です。保護者とうまくいかない場合に助けてくれる大人を作っておくことが、被害防止のためには重要なのだろうと思います。

以上が現時点でのコメントです。取材依頼をされる場合には、まず上記のコメントをお読みいただければ幸いです。

2019.12.21

市議会教育福祉委員会協議会で確認された流山市教委の法令違反かつ不適切ないじめ問題対応

私は10月21日、文部科学省内にて記者会見を行い、流山市教委がいじめ問題について法令違反かつ不適切な対応をしており、被害者が今でも苦痛の中にあるということを公表しました(記者会見の内容等はこちら)。

これまで市教委は私のこうした指摘に対して非を認めず、責任逃れのような発言を繰り返してきました。しかし、12月16日、市議会教育福祉委員会協議会(つまり正式な会議でなはない会ということでしょう)で高橋あきら議員による質疑がなされ、その質疑応答の内容がこちらで公開されています。「質疑通告は、提出期限通り「11日正午」までに提出していたのですが、回答準備がされず、残念です」とあり、回答内容は不十分なものと思われますが、それでも私が記者会見で指摘した内容について、教委がほぼ事実と認めた内容となっています。

以下、具体的に、私が指摘した内容についてどのようなことが認められたのかを見ていきます。

私が法令違反として指摘したのは、以下3点でした。

  1. いじめ防止対策推進法第28条第1項が定める重大事態の要件を満たす事案が発生していたにもかかわらず、同事案を重大事態と認めず、重大事態としての調査を実施しなかった。(複数年経過後、調査会の指摘等を受け、市教委はあらためて重大事態と認めた。)
  2. 市条例第17条第3項において、重大事態が発生し、市教委が調査を行う場合には、調査を調査会に依頼することとなっている。しかしながら、重大事態と認め、市教委が調査を行うこととした案件について複数ヶ月の間、調査会に調査を委託せず、市教委職員が関係者に対する調査を一部行った。
  3. 市条例第16条第6項で、調査会の会長及び副会長を委員の互選で決めることになっているにもかかわらず、平成276月から平成295月までの最初の委員任期期間中には会長及び副会長を決定しなかった。なお、会長及び副会長の決定がなされたのは平成298月であり、それも委員からの指摘があって選出することになったものである。

1については、これまでの市教委の説明では被害者側代理人と相談して重大事態認定しなかったということであり、法令違反であったことは認められていました。今回の質疑応答では、「当時の記録によるやり取りのメモしか残っていない。また保護者から「変更」「要望」とはなかったと記憶している」とあり、これまでの市教委の説明の根拠は当時のメモのみに基づいていたことが明らかになりました。法令違反を認めながら、なぜそうした法令違反が生じたのかについて丁寧な事実確認を行うことすらできていなかったことを、市教委は認めたことになります。

2については、これまでの市教委の説明では平成29年3月あるいは4月に調査会に調査を依頼したつもりだったとされていましたが、今回ようやく同年8月2日に口頭で依頼したという回答がなされています。これまでの回答が事実関係を隠蔽し、自分たちの責任をごまかそうというものであったことが確認されたことになります。このように簡単にわかる事実さえ素直に認めない体質が、流山市教委にはあります。

3については、私の知る限り、これまで市教委は認めていませんでした。今回初めて、正副会長の選出が行われたのが平成29年8月2日であることを認めたことになります。すなわち、平成27年6月の流山市いじめ対策調査会設置以降、2年以上にわたって正副会長の選出を怠っていたことが明らかになりました。このことは、2とも関係します。すなわち、市教委は重大事態認定後に調査会に調査を委託したつもりだったと言っていますが、正副会長の選出すら行っていない組織に委託したつもりでいたことになります。重大事態とまともに向き合おうとしていなかった状況が、確認できたと言えます。

そして、私が不適切な対応と指摘したのは、以下2点でした。

  1. 市教委の特定の担当者といじめ問題の関係者との間に敵対的な関係が生じたことから当該担当者をその関係者と直接接しないようにすると調査会会議において担当の役職者が明言したにもかかわらず、この約束を反故にし、その後も繰り返し当該担当者が関係者と接するようにし、関係者の状態を悪化させ、重大事態調査の進行を妨げた。
  2. 令和元年5月当時、調査会委員は市教委の対応に疑問を抱き、5月末の任期満了後に委員継続の意思がないことをそれぞれ告げていたにもかかわらず、留任を説得する等の対応をとらなかった。当時、重大事態の調査が途中であったにもかかわらず、現在に至るまで旧調査会メンバーから現調査会メンバーの引き継ぎは行われておらず、実質的な調査は停止しているものと思われる。

1については、市教委として妨害した認識はないとずっと言われていますが、今回の質疑応答でも「たまたま他の職員がいないところへ保護者から電話があり、出てしまった」とあります。少なくとも、該当職員が関係者(市教委は「保護者」と言っています)と直接関わったことは認められたこととなります。接触させないという約束をしたのであれば、たまたま電話に出た場合には「申し訳ありません。私は対応させていただかないことになっていますので、他の者が対応いたします。今は他の者が不在ですので、こちらから連絡させます。」などと話してすぐに電話を切るように準備しておくべきです。そうしたことを怠っていたことこそが、調査の妨害となったのです。今後はぜひ、該当職員による接触がいかに関係者との関係を悪化させたのかについて、事実確認を行ってほしいと思います。

2については、メールのやりとりの開示が求められていますが、「メールのやり取り、全文開示は、執行部とも個人情報保護の観点で相談して回答する」となっています。質問通告後に私に許可をとって公表すればよかったはずですが、なぜ個人情報保護を持ち出すのでしょうか。以下、該当するメール(わずか2件ですが)を全文開示します(こちらでもほとんど開示していましたが、私に一部を隠す意図はないので、ここでは市教委の担当者名のみを伏せ、全文開示します)。

 

○指導課担当指導主事からのメール(平成31年4月24日)

藤川 大祐 

 日頃より大変お世話になっております。

 流山市いじめ調査会の皆の任期が令和元年5月31日をもって終了することを
受け、現在、次期いじめ調査会について検討しているところではございますが、
まずは藤川先生におかれては、ご自身のお気持ちと現在の状況を踏まえ、いじめ調査会
を継続していただけるか否かについて、どのように考えておられるかをお聞きしたく
メール致しました。

 どうぞ、よろしくお願い致します。

○藤川からの返信(平成31年4月24日)

○○様

藤川です。ご連絡ありがとうございます。

私としては、現状のままでは継続は難しいと考えています。率直に申し上げますが、市教委の皆に当初からいじめ防止対策推進法に則ったいじめ問題への対応の姿勢が全くといってよいほど見られず、現在調査中の事案に対しても調査会と協力して問題解決を進めようというお気持ちを皆がお持ちのように感じられません。茨城県取手市で市教委のいじめ問題への対応が違法だったとして大変な問題となっていますが、流山市の状況も同と私は考えております。

また、私個人の状況として、1年前より附属中学校長併任となり、さらに昨年10月より副学部長兼任となってしまっていて多忙を極めており、地理的にも遠い流山市に頻繁にうかがって対応することが難しい状況にあります。

こうした状況であるため、特に市教委の皆が私に継続を望まれないのであれば、任期満了をもって退任したいと考えています。もちろん、その場合、後任の会長となる方への引き継ぎはしっかりとさせていただきます。

よろしくお願いいたします。

 

上記藤川のメールに対して、市教委側からは返信がありませんでした。少なくとも私に関しては慰留がなされていなかったことがご理解いただけると思われます。

さらに、10月21日の記者会見前のやりとりについても、議員が開示を求めておられますので、以下、開示いたします。

 

○藤川からのメール(令和元年9月26日)

流山市教育委員会 指導課長 西村

千葉大学の藤川です。私どもが流山市いじめ問題調査会を退いてから約4ヶ月になりますが、いまだ新たな委員の方々への引き継ぎについてご相談をいただけず、心配しております。また、第二次中間報告書に記したさまざまなことがらについても、市教委としてどのように受け止められているのかを知ることができず、残念に思っております。

私としては、市教委がなされたこれまでの法令違反あるいは不適切な対応のあり方がこのままうやむやになってしまうべきではないと考えております。このため、記者会見を行い、添付のような内容を近日中に公表することにいたしました。

私としては、過度にセンセーショナルに扱われ、市の行政に混乱を生じさせるようなことは本意ではありませんので、添付の内容を報道機関に率直に伝えることのみを考えており、市教委にもこうして事前にお知らせするものです。また、井崎市長には別途この旨をご連絡申し上げていることも、申し添えます。

添付の文書の内容は、すべて第二次中間報告書に含まれている内容であり、貴教委もご異存のないところと存じますが、もし何かありましたらお知らせください。

私どもがこれまで真摯に取り組んできたことに、これからでも貴教委が真摯にお応えいただけることを切に願っております。

(添付ファイルはこちら

 

○西村指導課長からの返信(令和元年9月27日)

藤川大祐 様

ご無沙汰しております。藤川様には、いじめ対策調査会にて大変お世話になりありがとうございました。

流山市教育委員会にてメールの内容を確認をさせていただきました
藤川様がご指摘されているいじめ問題対応を確認させていただいたところ、こちらの認識とは異なる点がございます。
十分にご理解していただいていることと思いますが、公表されるにあたり「流山市いじめ防止対策推進条例」第19条「秘密等の保持」にご留意いただきますようよろしくお願いいたします。
なお、すでに新たな流山市いじめ対策調査会を実施しており、最終報告書作成に向け取り組みを進めていることを申し添えます。

流山市教育委員会

 

○藤川からの返信(令和元年9月27日)

西村
藤川です。ご返信ありがとうございます。
1)ご認識が異なる点があるということですが、どういった点が異なるのでしょうか。具体的にお知らせください。
2)条例第19条についてはもちろん認識しております。そもそも今回の公表は個人情報には触れておりません。また、「職務上知り得た秘密」に該当するとは考えますが、市教委が法令違反の対応をしていることや不適切な対応をしていることは公益性の高い情報であり、こうした事実を知りながら何もしないことはむしろ職務に反する態度と思われますので、第19条が言う「正当な理由」があると考えております。この点についても、ご見解が異なるようでしたらお知らせください。
3)最終報告書に向けた取り組みを進めているということですが、私は前会長として新会長に対して引き継ぎを行う責務があると考えております。新会長がどなたなのか、いつ頃どのように引き継ぎを行うことをお考えなのかについて、ご教示ください。
以上、よろしくお願いいたします。

○藤川からの再度のメール(令和元年10月7日)

西村

千葉大学の藤川です。前回のメールから10日となりました。1)について回答をいただいておりませんが、回答をされる意志をおもちでしたらそろそろ回答いただけますと助かります。また、2)について回答がないということは見解の相違はないということと解しておりますが、私の理解が異なるようでしたらお知らせください。

よろしくお願いいたします。

 

○西村課長からの返信(令和元年10月9日)

藤川 大祐 様

 昨日まで出張で外出していたため失礼しました。


 1)の件に関しては、こちらの資料および担当者からの聞き取りから当方としては、認識が
異なるとお伝えいたしました。どこが、どのようにという点に関しては、このメールで
議論する意思はありません。

 2)に関して、「正当な理由」かどうかについては慎重にご判断いただければと思います。

 

○藤川からの返信(令和元年10月9日)

西村
藤川です。ご返信ありがとうございました。
念のために申し上げますが、私は貴殿からの「認識が異なる」という回答について内容を教えていただきたいとお願いしただけであり、議論をお願いしてはおりません。にもかかわらず回答をいただけないこと、遺憾に思います。認識が異なると回答されながら、どのように認識が異なるかについては説明を拒否されたと解してよろしいでしょうか。
「正当な理由」に関しましては、所管をされるご担当者でありながら、ご担当者としてのご認識はお知らせいただけないということだと受け止めました。
以上、取り急ぎ、ご返信申し上げます。

 

こうしたメールのやりとりには、流山市教委の姿勢がよく表れていると思いますが、いかがでしょうか。

 

以上のように、私が記者会見で指摘した事実については、ようやく市教委がほとんど認めたということが確認できたと言えます。今後は、なぜこのような法令違反かつ不適切な対応がなされたのかを検証し、責任の所在を明らかにし、組織体質の抜本的改善が図られ、さらには市教委のこうした対応で苦しめた被害者側への支援をしっかりと進めるべきです。

2019.12.12

流山市議会第4回定例会のいじめ問題に関する審議に関するコメント

12月3日から12月6日から行われた流山市議会令和元年第4回定例会一般質問に係る審議の動画が公開されましたので、いじめ問題に関する審議について確認させていただきました。このようにいじめ問題についてしっかりと取り上げてくださった市議をはじめ市議会関係の皆様に、感謝申し上げたいと思います。それにしても、後田教育長の答弁には首をかしげざるをえない点が多くありました。ここに、コメントを記したいと思います。

なお、議員の皆様の質問については、こちらに質問通告事項が掲載されています。

また、いじめ問題に関する審議の動画は、私が確認した限り、以下にあります。

12月3日の審議の動画はこちら

 石原修治議員のいじめ問題に関する質問に係る審議は5時間14分頃から

12月5日の審議の動画はこちら

 小田桐仙議員のいじめ問題に関する質問に係る審議は32分頃から

 植田和子議員のいじめ問題に関する質問に係る審議は4時間06分頃から

 

以下、コメントさせていだきます。

 

(1) 平成28年度事案の重大事態調査の依頼の遅れについて

石原議員の質問に対して、後田教育長は会議の中で話したことをもって調査を依頼したものと認識していたと、これまでの見解を繰り返しています。石原議員から議事録等はあるのかという質問が出されていますが、調査を依頼したことを示す議事録等の存在について後田教育長は回答を避け、当該会議の議事録があると回答しました。あからさまな論点ずらしがなされたわけです。どのように話したことが依頼に該当すると認識しているのか、議事録を示して説明すべきです。

なお、本件についての私の見解については、当ブログの過去の記事(こちら)を参照してください。会長すら決まっていなかった調査会にどのように依頼したと考えておられるのか、また調査会に依頼したと認識されている期間中に市教委指導主事が実質的な調査を行っていた法令違反の対応についてどのようにお考えなのか、大変興味深いです。

 

(2) 藤川のいじめ対策調査会退任の経緯について

藤川がいじめ対策調査会会長及び委員を退任した経緯について、小田桐議員と植田議員の質問に対する後田教育長の回答には重大な疑義があります。以下、指摘します。

後田教育長は、教育委員会として慰留をしたが了解が得られなかったとおっしゃっています。また、私が調査会は退任しても調査委員会としての任務は最終報告書提出まで行わせていただくことを考えていると申し上げたことについては認識がないとおっしゃっています。しかし、実際の経緯は以下の通りです。

・本年4月24日、指導課の担当指導主事より藤川に以下の内容のメールがありました。

「流山市いじめ調査会の皆の任期が令和元年5月31日をもって終了することを受け、現在、次期いじめ調査会について検討しているところではございますが、まずは藤川先生におかれては、ご自身のお気持ちと現在の状況を踏まえ、いじめ調査会を継続していただけるか否かについて、どのように考えておられるかをお聞きしたくメール致しました。」

・同日、藤川から以下の返信をいたしました。

「私としては、現状のままでは継続は難しいと考えています。率直に申し上げますが、市教委の皆に当初からいじめ防止対策推進法に則ったいじめ問題への対応の姿勢が全くといってよいほど見られず、現在調査中の事案に対しても調査会と協力して問題解決を進めようというお気持ちを皆がお持ちのように感じられません。茨城県取手市で市教委のいじめ問題への対応が違法だったとして大変な問題となっていますが、流山市の状況も同と私は考えております。
また、私個人の状況として、(中略)多忙を極めており、地理的にも遠い流山市に頻繁にうかがって対応することが難しい状況にあります。
こうした状況であるため、特に市教委の皆が私に継続を望まれないのであれば、任期満了をもって退任したいと考えています。もちろん、その場合、後任の会長となる方への引き継ぎはしっかりとさせていただきます。」

・このメールについての返信はありませんでした。

・5月27日にいじめ対策調査会の会議がありました。この席で、担当指導主事より次期も継続してほしいという話がありました。私は、4月の時点で継続は難しいとお話ししていたということ、この時期になっておっしゃるのはいかがなものかという話をしました。さらに、調査会を退任したとしても、調査委員会として最終報告書提出までつとめさせていただく気持ちはあるということ、そのために市の側で必要な規程の整備についても検討いただけないかといったことをお話ししました。なお、同席していた指導課長他の方々からは特段何もありませんでした。

・調査会は退任し調査委員会を継続するという可能性については、5月28日に、西村指導課長から私を含む当時の調査会委員全員に対して、以下のメールがありました。

「さて、昨日の会議にて今後のいじめ調査会のことについてお話をさせていただきました。その中で、現委員の皆が任期終了に伴って退かれることを確認させていただきました。ただ、第二次中間報告書を出すまでは継続していただけることと、そのために流山市で任期終了後も継続できるような内規を整備することを確認しました
内規を整備することに関してですが、市の総務課に確認したところ、今から内規を整備し現委員の皆に適用できるように間に合わせることは難しいとのことでした。そこで、ひとまず再任という形で委員の皆にご了解いただけないかとのご助言を受けました。通常の再任ですと2年の任期になってしまいますので、第二次中間報告書を出していただくと同時に職を退かれるという形をとってはということです。今後、教育委員会としても調査会の人選等、後任に引き継げるよう教育委員会でも準備を進めてまいります。」

経緯は以上です。慰留がなされたのは、任期が切れる4日前の5月27日の会議での担当指導主事の発言だけであり、指導課長をはじめとする役職者からは慰留と呼べる行為は全くありませんでした。十分に慰留がなされたとは言い難いことがおわかりいただけると思います。また、調査委員会だけを継続する意思があるということについては、指導課長名のメールを受け取っています。市教委にこのメールの記録がないはずはなく、私たちが決して調査を投げ出して退任したのでないことがおわかりいただけることと思います。教育長に、こうした認識がないという答弁が許されるはずはありません。

後田教育長の市議会での答弁は、悪質な嘘と申し上げてよいと思います。

 

(3) 現在のいじめ防止対策調査会の委員の人選について

調査会の委員の人選に関する植田議員の質問に対して、後田教育長は、委員の人選、運営について、ガイドライン第4の規定に基づき、中立性、公平性、ならびに第三者性の確保のため、職能団体や大学、学会からの推薦によることを図るよう努めていると回答しています。しかし、私の得た情報では、現在の調査会会長は元判事で元弁護士の方であり、調査会委員の中には元流山市教委指導課長が入っているとのことです。仮にこの情報が正しければ、職能団体や大学、学会からの推薦によるのか疑問ですし、委員の中立性については深刻な問題がありえます。現在の委員について、どのような団体に推薦を依頼したのか、市教委や市立小中学校の勤務経験はないのか等について、情報を公開すべきでしょう。このような状態で、被害者側に理解を求めるということには、かなりの無理があります。

 

以上、わかりやすい点についてコメントをさせていただきました。後田教育長の答弁にはこのように明らかな嘘や隠蔽が見られます。そして、相変わらず最終報告書を受けて対応するとおっしゃり、これまでの中間報告書には対応をしないとお考えのようです。教育長のこのような姿勢が、流山市教委のひどい対応を生んでいると考える必要があります。流山市議会や報道機関におかれては、引き続き事実の解明に力を尽くしていただきたく、お願い申し上げます。

2019.12.06

萩生田文科大臣の流山市教委に関するコメントの書き起こし

本日12月6日、閣議後に萩生田文部科学大臣が記者との質疑応答の中で、流山市教委のいじめ問題や教員の不適切指導に対する対応について質問に答えました。このときの書き起こしを入手したので、掲載させていただきます。

Q:千葉県流山市のいじめ問題について、
流山市ではいじめが3年間放置されていた問題や児童への行き過ぎた指導が意図的に学校から報告されていなかったことが議会でも問題になっています。これらについて処分者は一切出ていません。流山市教育委員会に県教委を通して状況確認や指導の予定はありますでしょうか?
また相次ぐこういった問題があるなかで処分者なしという状況についても受け止めを。

A:千葉県の流山市におけるいじめ問題については、10月に流山市の教育委員会の担当者を文科省に呼び事実関係の確認を行うとともに、重大事態の認定の遅れたことへの指摘のうえ、いじめ防止対策推進法にのっとり適切な対応をするよう指導したところです。
また教職員による不適切な指導については事実関係の把握に努めるとともに、引き続き千葉県教育委員会から適時報告を受けつつ、必要に応じて指導助言を行ってまいりました。
流山市におけるいじめ問題や教職員の不適切な指導については、文部科学省としては極めて遺憾だと思っております。懲戒処分等については、各自治体の権限に、責任と権限において行うべきものであり、これは国としてコメントは差し控えたいと思いますけれども、しかし、今後も適切な対応がとられるかどうかは、注視し必要に応じて指導や助言を行いたいと思います。

報道では教員の不適切な指導についてのみ報じられていますが、いじめ問題についてもこのように出されていました。文部科学省には引き続き、流山市教委に対して指導助言を行なっていただきたいと思います。

流山市議会におけるいじめ問題に関する審議の書き起こし

12月5日、流山市議会でいじめ問題についての審議が行われました。報道機関の方から書き起こしをいただきました。公開してかまわないということなので、以下に掲載させていただきます。

注目していただきたいところには、下線をつけます。下線部については、下でコメントさせていただいていますので、下までぜひお読みください。

①平成20年3月末にいじめ重大事態を位置付けて以降、いじめの対応をめぐり本市の取り組みの不適格さを指摘する
流山市いじめ対策調査会前会長による記者会見が10月21日に文部科学省記者クラブにて実施された
本市におけるいじめ重大事態の取り扱いについて以下を問う

ア)10月21日の大学教授による記者会見と比較し、中間報告書はどのような内容だったのか
また学校の出欠扱いなど、市教委の見解とは異なる報道も報道されているが、どう捉えていますか。
→元年5月31日に提出された中間報告の内容は記者会見と比較し、指摘された内容も含まれる、学校の出欠の取り扱いなど教委と把握している内容も報道されています。
このことについては誠に残念です。

イ)本案について、平成29年3月末のいじめ重大事態の位置づけが正しかったのか。また、平成29年第一定例会の私の一般質問に対し
「現在臨時招集をしてのいじめの対策調査会を立ち上げるほどの事案は発生しておりません」と答弁したが、本案の経過から正確性を欠いた答弁だったのではないか?
→平成29年2月当時、本案件については学校と教委は連携を取り保護者らと面談をしていた、その時は引き続き丁寧に寄り添う事が重要だと判断、調査会を立ち上げる必要はないと判断しました。その後3月になり学校からの情報で3月末に上げた情報で重大案件と認定しました。当時の答弁が正確性を欠いたとは思っておりません。

ウ)本案に対するいじめ対策調査会の中間報告書はどのような位置づけなのか、また本案の中間報告書は2度に渡って市教委に提出され
市長にも提出されていることを令和元年第二回定例会でわざわざ確認したにも関わらず、対策などがなぜ総合教育会議や教育委員会議などで議論が深められなかったのか?
中間報告書の取り扱いについては、現在、現調査会において最終報告書の作成に向けて中間報告書を参考にしている段階にあり、現調査会が判断するものと考える。(①)
市長などと情報を共有し教育委員会議では随時報告させ情報共有を心がけています。

市長に)
Q,重大事態の被害者は「いじめ」の被害者と認識していますか?被害者の意識、受け止め方など家族の問題か?
調査会で調査中だったので事実関係の確認をしていた、状況を踏まえて教育会議では「いじめ事案」として認識していた。
→いじめの重大事案として認識していました。


教育長に)
Q10月25日に文科大臣について指摘があったが対応について不適切なものだったと考えるか?
私たちも発言を受けて法に沿って対応すべきだったと考えています
私たちが30日を超えたことについて対応すべきだった、当時は学校での対応の結果、重大事案と考えてなかった。
欠席が30日を超えてなくても重大事案として対応すべきでした。(②)

教育部長に)
Q,6月14日の段階で新調査会は立ち上がっていたのか?
立ち上がっていませんでした。

市長に)
Q11月22日に千葉日報に市長のコメントが載った「最終報告書を観て判断したい、市教委には迅速にと」発言があったがこれは市長の発言か?
わたしの発言です。(③)

教育部長)
Q,被害者児童や保護者に調査の時期、期間、事項、方法などを示したと発言があったが、これは現調査会が行ったものか?
→説明は現在進めていると認識している。要望の有無についてはこの場での答弁は控える。

Q,新調査会について、しっかり調査が出来る体制となっているのか?
→被害者への説明については法令に基づき義務つけられている、員については説明はするが出来るだけご理解いただけるようにしたい。
平行線になったとしても努力義務と認識して努力はしていきたい。(④)

教育部長へ)
Q,最終報告書について、委員の交代や被害者との関係などから出にくい環境だと考えているが?
→出来る限り、義務としては理解は位置付けられいないが分かっていただけるように努力したい。
第三者が作っているので時期についてはコメントできないが、速やかに出して頂けるように申し上げています。

教育長へ)
Q、11月2日に前調査会の会長になぜ最終報告書を作る前にやめたのか?と問うたところ、「やむにやまれる思いで記者会見をした」と話したについて
→わたしからはコメントできません、心情まで把握できてませんので。前会長が最終報告までまとめると言っていたことについては初めて聞いた話、慰留はしたが了承を得られなかった。(⑤)

Q,議会へ資料請求をした際、調査委員の氏名や役職など第二次中間報告書では黒塗りになっている、公費を払っても黒塗り、これは教委に得するような黒塗りではないか?
私どもも書類の専門家ではないので法務部で慎重に考えた結果の黒塗りです。(⑥)

教育部長へ)
Q,法令に基づけば保護者に説明し納得してから初めて調査が始まると考えているが、そういうことではないのか?
→委員については委嘱は了解を得てからではなく、説明をして疑義があれば理解してもらう努力をしながら進めていけると考えています。
委嘱状を渡して新たな委員を選出しているわけですが、特に文書をもって引き継ぎをする法律はない、現状としては内容を書いた文書での委嘱は行っていません。

市長へ)
Q、調査会前会長に市長みずから意見を聞く事は考えていないのか?すべきではないのか?
私自身も理解しないと、お会いして適切なやりとりをするために事実を把握しなければいけないし、直接面会する権限というものが無いのです。
まず事実確認をして、お会いする事を考えます。(⑦)

Q、前いじめ対策調査会がまとめた報告書をしっかり引き継ぐことが大事だと考えているがどう考えているか?
→新調査会と協議をして判断していきたい。

Q,第二次中間報告書について、教育福祉委員会で議論して答弁できるように勉強していただきたい。事実として重大事態にも関わらず当初教委、学校がそうしないように扱ったかもしれないので次回答弁出来る様にしっかりおさらいしていただきたい。

以下、下線部についてコメントです。

① 中間報告書の扱いについて、新しい調査会の判断に委ねるとされています。私たちは市教委から依頼されて調査をし、その成果を中間報告書に記して教育長に提出したのですが、正式に提出されたものについて当面何もしないと宣言されています。不当です。

② 教育長は、重大事態認定しなかったことが誤りだと公式に認めていることになります。となると、なぜこのようなことが起こったのかを確認し、誰に責任があるかを明確にし、このことによって生じた被害についてどのように償うのかについて、明確に説明をされるべきではないでしょうか。

③ 市長も、最終報告書が出るまで対応しない立場をとるということを明言されたことになります。遺憾です。

④ 現在の調査会の人選について、被害者側から重大な疑義が出されていると認識しています。努力するというようなレベルの問題ではないはずです。いずれ何が問題かが明らかになるでしょう。

⑤ 私は本年5月27日開催の流山市いじめ対策調査会の席上で、調査中の案件の調査が終了するまでは調査委員会の長として責任をもってまとめたいとお話ししました。正式な会議で申し上げたことが教育長に伝わっていないということなのでしょうか。そして、慰留をしてくださったとのことですが、私は4月時点でこのまま調査会委員を続けることはできないと連絡してあったにもかかわらず、教委側から慰留に該当する発言があったのは5月27日の会議の場において、担当指導主事から一言あっただけです。5月27日というのは、任期が切れるわずか4日前です。しかも、その場におられた指導課長他、指導主事よりも上の立場の方々からは特に慰留の言葉はなく、まして教育長からは何のメッセージもいただいていません。流山市教委にとって「慰留」とは、このように軽いものなのだということですね。

⑥ 墨塗りについては、いろいろと疑義が出ています。教委だけでなく法務部にも問題ありということなのでしょうか。

⑦ 市長には記者会見前にSNSを通じて連絡をさせていただきましたが、何の返信もいただけませんでした。市長からは、その後も全く連絡をいただいておりません。私としても、ぜひお会いしてお話しさせていただき、最終報告書を待たずに必要な対応をとっていただくようお願いしたいと思っています。

2019.12.02

公開された第二次中間報告書と、井崎流山市長の先延ばし宣言

流山市教委がいじめ重大事態について法令違反かつ不適切な対応を行った問題について、少し動きがありました。

流山市議会が市教委に対して、重大事態(平成29年に重大事態認定された事案)の第二次中間報告書の開示を請求したようで、このほど第二次中間報告書が開示され、共産党市議団のサイトで公開されています。もちろん個人情報に関する部分は非公開なので墨塗りの箇所が多く、墨塗りのあり方についても疑問は残りますが、市教委の対応の問題に関する記述はかなり公開されていますので、ご関心をお持ちの方はお読みいただけるとよいと思います。

第二次中間報告書が公開されているページは、こちらです。ファイルは二つに分かれており、その1はこちら、その2はこちらです。

特にお読みいただきたいのは、p.66からp.73にかけての「11. 学校及び市教委の対応に対する評価」のところです。特に、9.71からp.73にかけての「11.3. 重大事態としての対応に関する問題」については、市教委の対応がどのような意味で法令違反であり不適切なのかであることが端的に記されていますので、ご確認いただければ幸いです。

この部分の中に、「条例に従って第三者によって構成される調査委が調査にあたっていたと考えるのは当然のことである」という記述があります(p.72)。この箇所で主語にあたる部分が墨塗りになっていますが、「考える」の主語は被害者側であることは文脈からご理解いただけると思います。市教委は、第三者で構成される流山市いじめ対策調査会(以下、「調査会」)が調査を行っているという印象を、被害者側に与えたということが書かれているわけです。そして、第二次中間報告書ではこの点について「市教委からはこれに対応する説明はなされておらず、市教委は条例の規定に合わない事態が続いていることを認識していながら、あたかも認識していないかのように振る舞っていたものと解される」と指摘しています(p.72)。そして、「本件において、法令に従って義務を遂行するはずの市教委が法令に従った対応ができなかったことは、結果的に本件の深刻化、長期化につながる大きな要因となったと言える」とも指摘しています(p.72)。

この第二次中間報告書は、市教委指導課が確認の上で教育長に提出されたものです。すなわち、上記の第二次中間報告書の記述は、指導課も確認の上で確定したものです。少なくとも、本件が平成29年3月に重大事態認定されて以降の対応においては、指導課長をはじめとする担当者らは条例に従った対応ができていないことを認識していながら、あたかも条例に従って調査会が調査に着手しているかのように被害者側に説明していたわけです。

朝日新聞11月22日付千葉県版に、「流山市立小中学校のいじめ問題 「保護者説明 丁寧に」 県教委、市教委に指摘」という記事が載っています(この記事はネットには掲載されていないようです)。この記事では、県教委が今年6月に流山市教委に対して「調査についてしっかり保護者に説明をして欲しい」と指摘し、「年単位で報告が遅れたことを重く受け止め、公平公正な調査を速やかにまとめてほしい」と「懸念を伝えた」とされています。このことについて、流山市教委の西村指導課長は「調査委の立ち上げ方がよくわからなかった。反省点だ」と話したとのことですが、「よくわからなかった」という認識の問題でないことは第二次中間報告書からもご理解いただけると思います。平成29年3月から8月までの期間中、市教委の担当者らにはすでに法令違反の状況だという認識がありながら、被害者側を誤認させる説明を行っていました。問題は、「よくわからなかった」という認識でなく、誤認させる説明を行ったという行為にあります。県教委も、早く報告書をまとめることばかり求めず、市教委の対応にどのような問題があったのかを把握し、適切に再発防止や処分がなされるよう指導すべきです。

さて、第二次中間報告書では、最終報告書を待たずに市教委が必要な対応を行うことを求めています。平成29年12月に第一次の中間報告書が提出された後のことについて「その後、約1年半が経過しているにもかかわらず、市教委やB中学校は本件に関して、何がどのようにまずかったのか、具体的な見解を公表しておらず、また、再発防止策を公表することもしていない。調査委員会としては、こうした市教委、B中学校のあり方に強い疑問を抱くものである」と記しています(p.76)。「再発防止策の策定や実施が先送りされている中で、新たな被害が生じている恐れがある」とも記しています(p.76)。

ところが、市教委のみならず井崎流山市長までも、最終報告書を待って対応するという姿勢をずっと示しています。千葉日報の11月22日付の「トラブル対応の仕組み検討必要 いじめ問題で流山市長」という記事(有料会員限定記事はこちら)では、「最終報告書をみて判断したい」「報告書に改善策が盛り込まれれば、再発防止に取り組むように指示している」という市長談話を伝えています。第二次中間報告書では対応はせず、最終報告書を待つという先送りの姿勢がはっきりと出てしまっています。

第二次中間報告書の提出から、すでに6ヶ月が経過しました。市教委からは現在の調査会に対して引き継ぎをしてほしいという連絡を受けていますが、現状では引き継ぎの日程すら決まっていません。市長にも市教委にも、第二次中間報告書をふまえて対応を行う姿勢は見られず、ただひたすら時間だけが経過していきます。まるで、嵐が過ぎるのをじっと待っているかのようです。第二次中間報告書をふまえた対応を待つ理由など、全くないはずなのですが。

2019.11.22

大学入学共通テスト 今からでも「混合戦略」に舵を

【この記事は、2017年5月29日の教育新聞に執筆したものです。大学入学共通テストのあり方が問題になっていますので、編集部の協力を得てここに転載します。】

◇厄介な新たなゲームが始まる◆

本紙電子版5月16日付(紙版5月22日付)は「大学入学共通テストで方針案 国語と数学で記述式問題例」の見出しで、16日に公表された大学入試センター試験に代わる新たな試験の実施方針案について報じている。

同テスト(仮称)は平成33年度入学者選抜から導入予定で、現在の中学校3年生が大学入試を受けるときから適用される。高校等では来年4月から新入試を想定した指導を行う必要があるので、具体的な問題のあり方に注目が集まるところである。

だが、公表された記述式問題例からすると、厄介な新たなゲームが始まろうとしているといえそうだ。

国語の記述問題例は、回答が求める文字数が20字以内、35字以内と非常に短い。採点基準には基本的に中間点がなく、条件を全て満たしていれば正解、一つでも満たしていなければ不正解となっている。従って国語の記述問題では、解答者がそれぞれ自分なりに具体例等を入れながら説明したり、完璧ではないなりに途中まででも説明したりといったことは認められない。点数をとるには、自分なりの工夫をしようとは考えず、求められている要素を無駄なく入れ込んだ回答を書くしかない。

数学の問題例では、記述問題が限定されている点に注目したい。多くの問題は従来のセンター試験と同様に、マークシートで1文字ずつ数字や記号を入れていくものである。記述問題は、不等式や等式を用いて変数の範囲や変数同士の関係を示すもの、変数の値を場合分けして示すものだ。数学で記述式といえば、結論に至る道筋を説明し、論理の飛躍なく適切に説明しているかが問われるはずだが、示された問題は、結論だけを書かせ、途中の道筋については全く評価されない。

結局、示された問題例はかなり無理をしてなんとか記述式といえる問題をつくったものと考えられ、結果的に、これまで記述式問題として考えられていたものとは大きく異なる新たな種類の問題をつくってしまったといえる。文科省は、今の中3以下に対して、大学に入りたければこの新たなゲームで高い成績をとれるようにせよと言っていることになる。

◆求められる能力とは無関係になる◇

こうした問題例が特殊なゲームとなっているのは、大学1年生を対象に実施されたモニター調査実施結果からもうかがわれる。国語では記述問題全体の正答率が33・1%、数学では記述式だけをとると23・8%と低い。中には、国語では3・0%、数学では5・6%と低い問題もある。回答した大学生は「幅広い学力層からなる」とされており、それでも正答率が1割に満たないのは、問題がかなり特殊なゲームとなっているからとしか考えられない。

記述問題の導入は、国語では思考力・判断力・表現力を評価するためであり、数学では「数学を活用した問題解決に向けて構想・見通しを立てること」に関わる能力を評価するためであるはずだ。だとすれば、中間点を一切つけず、いくつかの条件を満たした回答であるか否かだけを評価するような問題は合わないはずである。このままでは、各教科で本来求められるはずの能力とは無関係に、共通テスト特有の問題に対応するスキルの習得のみを求めることになってしまうだろう。そうした特殊なスキルは、おそらく大学入学後に使われることはない。全国の若者に、他で使えない特殊なスキルの習得を強いるのは、近い将来の国力を大きく低下させることになりかねない。

なぜこうなってしまったのか。それは、思考力・判断力・表現力等の能力を全国一律のペーパーテストで問おうとするからである。思考力・判断力・表現力等は、現実の問題解決の文脈で発揮される能力であり、現在の技術では低コストで評価するのは不可能である。無理に問題を作れば、思考力・判断力・表現力等とは異なる能力を評価するものにしかならない。

◇純粋戦略では手詰まり状態に◆

ゲーム理論に「混合戦略」との概念がある。プレーヤーがいつも同様の手を選ぶのでなく、複数の異なる手をある程度ずつの割合で組み合わせて使う戦略だ。どういう戦略が有効かが分からない状況では、同様の手ばかり使う「純粋戦略」は大勝ちする可能性がある一方、大負けするリスクが高い。だから、先行きが不透明な状況では「混合戦略」をとり、状況に応じて複数の手を使う比率を修正していく。それが、大負けを防ぐには最善である。

今後の大学入試では「純粋戦略」でなく「混合戦略」がとられるべきなのだ。

大学入試は多様であってよく、一定の条件下で各大学が複数の異なるタイプの入試を実施し、状況をふまえて改善を続けるという方向に、今からでも舵を切るべきである。

2019.11.13

明らかになった、流山市教育委員会 後田博美教育長の責任

流山市教委の法令違反かつ不適切ないじめ問題への対応について、流山市教委の後田博美教育長にお尋ねしたいことを、10月26日付の本ブログで書かせていただきました。流山市議会では、各会派の代表が本件についてご対応くださり、私がお尋ねしたいことを市議会事務局から市教委に対して質問してくださり、このほど回答が提出されたようです。後田教育長から市議会事務局への回答書が、公表されています(ここで見られます)。

驚くことに、後田教育長からの回答には、「記憶しています」という表現がいくつも見られます。いじめ重大事態への対応という法でも定められた重要な案件について、何も資料を確認せず記憶だけで回答しているのです。このこと一つとっても、後田教育長をはじめとする流山市教委が、いじめ重大事態への対応をいかに軽視しているかがわかります。

この内容を読んでも、責任や処分に関しては最終報告書を待つという態度しか読み取れず、相変わらず中間報告書の指摘を受けて対応するという姿勢が見られません。そして、市教委の法令違反かつ不適切な対応がいじめ被害者を苦しめたことについて、謝意も示されていません。そもそも、現在の調査会の調査のあり方について、被害者側とは合意が得られていないようですので、最終報告書はいつ出されるかわかりませんし、出されたとしても被害者の同意が得られず、市長部局での再調査が必要になる可能性があります。こんなことをしているうちに、関係者は転出したり定年退職したりして、責任を問うことができなくなると思われます。

しかしながら、今回の回答は、市教委の対応がいじめ被害者を苦しめたことについて、後田教育長に責任があることを明確に示しています。以下、具体的に述べます。

第一に、平成29年重大事態認定案件について、重大事態の調査委託が4ヶ月以上にわたってなされていなかったことの責任が、後田教育長にあることが明確です。本件では、平成29年3月に市教委が重大事態認定し、市教委の説明では4月28日に開催された流山市いじめ対策調査会(以下、「調査会」とします。)において市教委から調査会に調査を委託したつもりであったとされています。しかし、10月24日付の本ブログで書かせていただいたように、4月の時点では調査会会長すら決まっていない状態で、調査の委託がなされる状況にはなく、実際に依頼されたのは8月2日に開催された調査会の時点においてでした。今回の回答でも4月28日の調査会の時点で調査を依頼したという教育長の認識が示されていますが(A6)、この時点で後田教育長は調査会の会長が誰なのかすら確認をしていなかったことになります。そして、教育長の回答では重大事態調査の依頼ができていなかったことを知ったのは7月21日付の被害者代理人からの文書によってであったとされていますが(A6)、他方で県教委からの指導の連絡は6月に聞いていたとも述べられており(A3)、県教委からの指導を受けても調査の状況について確認がなされていないと読み取れます。こうなると、後田教育長が当初から調査の進め方や方針について指導課から報告を受けていたという回答(A5)も怪しく、後田教育長は一貫して本件重大事態への対応について、誰が会長なのかも知らず、県教委から指導があっても状況の確認を怠り、7月下旬まで調査が依頼されていない状態を放置した責任があるということになります。

第二に、平成26年度発生事案について、重大事態の要件を満たしているにもかかわらず当時重大事態認定されなかった問題についてですが、このような法令違反の対応がなされた責任が後田教育長にあることも明確です。後田教育長は本件が重大事態の要件を満たしていることを知っていながら、被害者代理人との話し合いを受けて重大事態認定しなかったという認識を示しています(A10)。重大事態の要件を満たしている案件について、たとえ被害者側から申し立てがあっても認定しなくてよいなどという規定は法になく、法令違反の対応がなされたことが明確です。

これらの法令違反の対応は、被害者をひどく傷つけています。第一の点については、被害者は明確に、最もつらかったのは市教委が調査をしているかのように言いながら4ヶ月以上にわたって調査がなされていなかったことであったと述べています。被害が深刻化した責任は、市教委にあり、このことについて認識できたはずの後田教育長が管理者として重い責任を担っていたことが明らかです。第二の点については、被害者の苦しみがその後も癒えず、結局は3年半以上経過した後に市教委が重大事態認定をするに至っています。この点についても、平成26年度当時に市教委が法令違反の判断をしたことが問題なのであり、そのことを認識していた後田教育長には管理者としての責任があります。

最終報告書を待つのは、責任問題の先延ばしに過ぎません。これまでの中間報告書に十分に問題は示されているはずですので、今すぐにでも関係者の責任を明らかにして被害者や市民に謝罪した上で、再発防止策の策定・実施と被害者の支援を進めるべきです。今回の回答でも、再発防止について後田教育長は実質的に何の回答もしていません(A15)。具体的な再発防止策を考える気がないのでしたら、責任をとって辞職され(当然、処分逃れではまずいので給与の返納や退職金の辞退等が前提でしょう)、後継者に再発防止策の策定や実施を委ねられるのも一つの方法かと思います。

私は、調査会に関わっている期間中、教育長が全く調査会に関心をお持ちになっていないように思われることについて、強い疑問を抱いていました。いじめ問題への対応を重視されているのであれば、調査会の会議において委員に挨拶をされることがあるはずでしょうし、大変な重大事態の調査を委託されるのであれば、教育長としての真摯な姿勢をお見せになって調査について委員に直接挨拶をされるべきだと考えます。しかし、教育長は一切そうした関わりをもたれず、調査会の会長が決まっていないことさえ認識されていませんでした。私は多くの教育委員会に関わらせていただいてきましたが、ここまで重要な案件に無関心に見える教育長を知りません。教育者として長年学校現場に関わっていらした後田教育長がいったいどんな思いで教育長業務をされているのか、いじめ問題についてどのようにお考えなのか、ずっと理解できずにおりました。

別の点についてです。流山市における市教委からの不適切な対応について、教育長は認識しており、対応を指示しているとされています(A13)が、個々の案件についてほぼ明らかにされていないと思われます。体罰案件への流山市教委のひどい対応に対して街頭で署名活動をされている方もいらっしゃいますので(参考)、こうした案件への具体的な対応を含め、市教委の対応にどのような課題があり、どのように改善が必要なのかを明確にしていただく必要があります。

流山市議会各派のここまでのご尽力に深く感謝させていただきます。そして、市教委のあり方の抜本的に改善に向けて、引き続き必要な対応をお願いしたいと思います。

今後に向けて市教委に尋ねたいことはすでに11月1日付の本ブログで示させていただいているところですが、今回の後田教育長の回答を受け、11月1日に挙げたものを含め、あらためて後田教育長にお尋ねしたいことをまとめると次のようになります。

1) 11月11日付けの回答書で多くの回答が記憶のみに基づくものとなっています。いじめ重大事態への対応について、後田教育長のお手元には一切の資料もご自身のメモも存在しないということでしょうか。存在する資料やメモがあるのであれば、そうした資料やメモを開示された上で、資料やメモに基づいて回答されるべきではないでしょうか。

2) 平成29年重大事態認定案件について、教育長は平成29年4月28日の時点で調査会に重大事態の調査が委託されたと認識しておられ(A6)、指導課から調査の進め方や方針について説明を受けておられたとのことですが(A5)、いったいどのような説明を受けられていたのでしょうか。調査会の会長が決まっていない状況で、調査会による調査の進め方や方針について具体的な内容があったとは考えにくいのですが、具体的な説明があったのでしょうか。

3) 平成29年重大事態認定案件について、調査会に調査が委託されていないことを教育長がお知りになったのは7月21日付被害者代理人文書を受けてと説明されていますが(A6)、6月の段階で県教委から指導を受けていたこともご存知だったと回答されています(A3)。6月の段階で、重大事態の調査がどのようになっていると認識されていたのでしょうか。6月の段階で重大事態調査が調査会に委託されていないことを認識されるに至らなかった事情はどのようなものであったのでしょうか。

4) 平成29年重大事態認定案件について、調査会への調査の委託が遅れ、そのことが被害者をひどく苦しめてきたことについて、教育長ご自身の責任をどのように考えておられるのでしょうか。最終報告書を待ってからあらためてご判断いただくのかもしれませんが、第二次中間報告書までの指摘を受けた段階での所感をお示しください。

5) 平成26年度発生案件について、いじめ防止対策推進法は重大事態認定について要件を満たしている事案について、たとえ被害者側からの申し立てがあっても重大事態と認定しなくてよいという規定がないことについて、ご存知でしょうか。ご存知だとすれば、被害者側代理人との話し合いの結果だとしても、当時、重大事態認定を行わなかったことは法令違反にあたるということになるということについて、ご理解いただけるでしょうか。

6) 平成26年発生案件について、当時重大事態認定をしなかったために被害者を苦しめ続けることとなったことについて、教育長ご自身の責任をどのように考えておられるのでしょうか。最終報告書を待ってからあらためてご判断いただくのかもしれませんが、第二次中間報告書までの指摘を受けた段階での所感をお示しください。

7) 新たな調査会の委員はどのような方々なのですか。専門性や中立性に問題はないのですか。(私が聞いた話では、市教委の元指導課長が委員に入っているそうです。市教委の対応が批判されている中、市教委のいじめ担当責任者を経験された方が委員に入っているとしたら、大問題です。)

8) 新たな調査会の委員については、被害者側の合意を得られているのですか。

9) 新たな調査会は旧調査会から引き継ぎをしていませんが、引き継ぎはしないのですか。(藤川が9月に市教委に記者会見の内容を連絡した際に確認したところでは、「引き継ぎは行う」ということでした。これに対して藤川から、新たな調査会の委員について被害者側から同意が得られていないと引き継ぎが無駄になる可能性があるのだが、同意は得られているのかと尋ねたのですが、これについては返信をいただいていません。もちろん、引き継ぎも行われていません。)

10) 「最終報告に対し」ては真摯に対応されるとのことですが、これまで2回出された中間報告書については真摯に対応しないということですか。そもそもこれまでの中間報告書について市教委としての反省も出されず、被害者支援等の対応もあまりなされていないようですが、これまでの中間報告書に真摯に対応しない理由は何ですか。

11) 中間報告書に対応せず最終報告には対応するという姿勢は、中間報告書が市教委にとって都合が悪いものであり、最終報告は市教委にとって都合のよいものにしようとしているということではないのですか。

12) 他にも市教委の不適切な対応が問題になっている事案があり、体罰案件に関して街頭で署名活動を訴えていらっしゃる方がいらっしゃいますが、たとえばこの体罰案件について市教委の対応にどのような問題があったか、どのような改善が必要か等について、教育長はどのような認識をお持ちですか。

2019.11.01

流山市教委のコメントに見る「悪くても謝らない」「責任転嫁する」という態度

流山市教委が法令違反かつ不適切ないじめ問題対応を行った問題で、昨日10月31日、流山市教委のサイトにコメントが掲載されました。

 

Nagareyama20191031

 

このコメントの中には「前流山市いじめ対策調査会会長の藤川大祐氏によって、文部科学省記者クラブにて行われた、流山市教育委員会のいじめ重大事態の対応についての記者会見に関する報道等により、市民の方々をはじめ多くの皆様に大変な御迷惑と御心配をおかけしていること、心よりお詫び申し上げます。」と書かれています。一応お詫びの言葉になっているのですが、何をお詫びしているかというと、私の記者会見に関する報道等で「御迷惑と御心配」をかけていることをお詫びしている形になっています。

これは大変不思議なお詫びです。なぜなら、私は記者会見で、流山市教委の対応が法令違反かつ不適切な対応があったことを指摘したのに、そうした対応があったのか否かについての言及が全くなされていないからです。法令違反や不適切な対応があったのであれば、まずそのことについて謝罪がなされるべきです。教育行政を司る教委として、法令違反や不適切な対応は許されないことであるはずだからです。そして、仮にそうした対応がなかったと主張するのであれば、どうどうと記者会見の内容に反論すべきです。堂々と反論しないから、市民は心配するのです。

法令違反や不適切な対応について見解を示さずに、藤川の名前を出して謝罪するというのでは、まるで藤川に問題の責任を押しつけているようです。藤川の個人名を出しながら見解を出さず責任転嫁するような姿勢に、市教委の「悪くても謝らない」「責任転嫁する」という不道徳な態度が象徴されています。こうした市教委がいじめや体罰の被害に苦しんでいる児童生徒や保護者にどのように対応するのか、流山市民の皆様はぜひ想像していただきたいと思います。想像していただくと、ますます心配になるのではないでしょうか。

そして、市教委のコメントには「現在は、新たないじめ対策調査会において調査を進めております。/今後、現調査会によって作成される最終報告に対し、教育委員会として真摯に対応してまいります。」と書かれています。私が市民、市議会議員、教育委員等の立場であれば、次のことを尋ねたくなります(尋ねられる立場にある方はぜひ尋ねてください)。

1) 新たな調査会の委員はどのような方々なのですか。専門性や中立性に問題はないのですか。(私が聞いた話では、市教委の元指導課長が委員に入っているそうです。市教委の対応が批判されている中、市教委のいじめ担当責任者を経験された方が委員に入っているとしたら、大問題です。)

2) 新たな調査会の委員については、被害者側の合意を得られているのですか。

3) 新たな調査会は旧調査会から引き継ぎをしていませんが、引き継ぎはしないのですか。(藤川が9月に市教委に記者会見の内容を連絡した際に確認したところでは、「引き継ぎは行う」ということでした。これに対して藤川から、新たな調査会の委員について被害者側から同意が得られていないと引き継ぎが無駄になる可能性があるのだが、同意は得られているのかと尋ねたのですが、これについては返信をいただいていません。もちろん、引き継ぎも行われていません。)

4) 「最終報告に対し」ては真摯に対応されるとのことですが、これまで2回出された中間報告書については真摯に対応しないということですか。そもそもこれまでの中間報告書について市教委としての反省も出されず、被害者支援等の対応もあまりなされていないようですが、これまでの中間報告書に真摯に対応しない理由は何ですか。

5) 中間報告書に対応せず最終報告には対応するという姿勢は、中間報告書が市教委にとって都合が悪いものであり、最終報告は市教委にとって都合のよいものにしようとしているということではないのですか。

これまで2回にわたる中間報告書の作成については、市教委にも確認してもらっており、事実誤認等はないという回答を得て提出しています。にもかかわらず、市教委は中間報告書の内容には真摯に対応せず、最終報告を待つという態度をとりつづけています。こうした市教委の姿勢が、被害者を絶望させ、被害者の苦痛を増大させています。

被害者がもっともつらかったこととして挙げたのは、市教委にウソをつかれていたことでした。真摯に対応すべきだった時期は、もっとずっと以前だったはずです。

2019.10.27

流山市だけではない、教委等の法令違反のいじめ対応(報じられた主なもの一覧)

流山市教委の法令違反かつ不適切ないじめ対応についてですが、当ブログの記事にいただいたコメントによれば、昨日流山市内で行われたタウンミーティングには井崎市長や後田教育長が出席され、いじめ対応についても話題になったようです。流山市のサイトを見ると、市内2ヶ所で、子育てや教育をテーマにしたタウンミーティングが実施されたようですね。報道機関の取材にはなかなか応じてくださっていない市長や教育長が、お逃げになることなくこうした場に出ていただき、市民の方々と対話をされたことは大変ありがたいです。

まだ昨日のタウンミーティングの記録はアップされていませんが、当ブログにいただいたコメントによれば、市長も教育長も法令違反や不適切な対応を反省したり謝罪したり様子は示されていないようです。せっかく市民の方々に見解を出していただける機会に、このように責任逃れの印象を与えてしまうのは残念なことです。

特に問題なのは、後田教育長がおっしゃったとされる「最終報告を待つ。しっかり見極めて対応する」という言葉です。最初に事案が発生してからすでに5年が経過しており、平成29年12月と今年5月に2回にわたって中間報告書が提出されています。これらの中間報告書では、最終報告書を待つことなく必要な対応をとるよう求めて来ました。29年12月に教育長に中間報告書を手交させていただいた際にも、教育長は最終報告書を待たずに対応していただけることに合意していただけたと考えておりました。

仮に昨日の後田教育長の発言が事実だとすると、法令違反や不適切な対応について最終報告書が出るまで何もしないという姿勢は、単なる指導課の担当者の態度ではなく、トップの教育長が定めた市教委としての公式の方針ということになります。このことのもつ意味は大変重いです。というのは、中間報告書を提出したのは、市教委が任命した委員によって構成される流山市いじめ対策調査会であり、その調査会から求めた「最終報告書を待たない対応」について、任命権者である教育長が明確に否定したことになるからです。市教委自身が定めた流山市いじめ防止基本方針では「いじめを受けた児童等の救済を最優先に考え、いじめを行う児童等の行為を止め、関係機関と連携して指導します」とありますが、最終報告書まで対応しないという態度が「児童等の救済を最優先に考え」る態度と言えるはずがありません。そもそも、最終報告書が出るまで再発防止策を検討してはいけないとか被害者を支援してはいけないなどという規定はどこにもないのですから、躊躇なくできることをすればよいはずです。

後田教育長をはじめとする市教委の「最終報告を待つ」という態度は、被害者への二次被害を生じさせています。被害者は今も被害とその後遺症に苦しんでいます。中間報告書が出れば、市教委は必要な対応をとってくれると期待していたはずです。何かしようとしてもそう簡単には進まないでしょうが、後田教育長はじめ市教委は「最終報告を待つ」として、当面何もしないことを宣言してしまっていることになります。このことは、中間報告書の提出後の動きにわずかな希望を抱いていたはずの被害者をさらに深い絶望へと突き落とすことになります。そもそも、被害者が最もつらかったことは、平成29年夏の段階で、重大事態認定後の調査が4ヶ月以上も、調査会への委託すらなく進んでいなかったことだと聞いています。すでに、この問題の最大の加害者は市教委となっているのであり、後田教育長の「最終報告を待つ」という態度は、市教委による被害者への「いじめ」を重ねる態度なのです。

この問題を発表させていただいてから明日で1週間となります。いじめ問題に関わっておられる国会議員や県議の方々からは発表直後にご連絡をいただき、その後も動いてくださっています。国や県でもこの問題を受けた動きが出てくるはずです。流山市の市議の方々も、遠慮なく連絡をくださればと思います。昨日の記事で後田教育長にお尋ねしたいことをまとめてありますが、市教委の対応のどこがどのように問題があり、どのような質問をすれば問題が明らかになるか、何を求めるべきか等、意見交換させていただければありがたいです。

流山では、法令違反や不適切な対応があり、指摘されてもなお態度を改めない教育長はじめ市教委の方々の態度が被害者に二次被害を与え続けているわけですが、「流山だけの問題ではない」とお感じの方も多いと思います。実際、報道されている例は多いので、以下に競りしておきたいと思います。

○取手市教委(茨城県) 平成27年11月に中学生が亡くなった事案で、保護者が独自調査の結果を提出しいじめ被害があったことを訴えたにもかかわらず、市教委は教育委員会議で重大事態でないと違法な議決を行いました。本件については、文部科学省の指導等があって市教委は議決を覆して重大事態と認定し、県に調査を委託しました。今年3月に県が設置した調査委員会が調査報告書を提出し、これを受けて取手市いじめ問題専門委員会が再発防止策案を策定、現在、再発防止策案についてのパブリックコメントを募集しています。私は本件を受けて取手市が条例で設置した取手市いじめ問題専門委員会の委員長をつとめさせていただいています。なお、市教委や学校の関係者には、市や県から停職や減給といった懲戒処分がなされています。

川口市教委(埼玉県) 中学生がいじめ被害を訴え自殺未遂をしていたにもかかわらず学校や市教委はなかなか重大事態と認めず、ようやく重大事態として調査委員会を設置したものの、被害者側にはこうしたことを伝えず、聴き取りも行いませんでした。いじめ防止対策推進法第28条第2項では重大事態調査にあたっては被害者や保護者に情報を適切に提供すべきことを定めており、法令違反だと言えます。週刊文春の記事によれば、高校1年となった被害者が「教育委員会は、大ウソつき」という遺書を残して今年9月に自殺しました。

○吹田市教委(大阪府) 平成27年から29年にかけて小学生が暴言や暴行のいじめ被害を受け骨折や心因性の視力障害などを負った事案について、市教委や学校は1年半にわたって放置。日経新聞の記事によれば、被害者の両親は市教委の対応について「何度も足を運んだのに取り合ってもらえず、つらく悔しい思いをした。何のための組織なのかと思った」と強く批判しています。しかも、朝日新聞の記事によれば、市教委は第三者機関による調査を拒否していました。

○神戸市教委(兵庫県) 教員カレー「いじめ」事件が話題となっている神戸市教委ですが、児童生徒のいじめ被害への対応についても問題ある対応が報じられています。第一に、平成28年10月に中学生が亡くなった事案で、いじめ内容を記した調査メモが隠蔽され、関係者が懲戒処分されています(産経新聞の記事)。第二に、いじめを苦にして尼崎市の中学校に平成30年に転校した生徒の被害について重大事態としての調査を行わず、その生徒が今年8月に亡くなっています(神戸新聞の記事)。

○仙台市教委(宮城県) いじめ自殺案件が複数回報じられている仙台市では、平成30年11月に小学校2年生へのいじめを苦にして、母親が被害児童と無理心中したことが報じられています。この案件では、死亡後に学校が被害児童の欠席日数を計30日から28日に訂正したことが判明しており、重大事態にしないために欠席日数の操作が行われたのではないかと指摘されています(河北新報の記事)。いずれにしても、いったんは30日とカウントされていたのですから重大事態としての対応がなされるべきでしたし、30日はあくまでも目安ですから28日であっても重大事態としての対応が検討される必要があったと考えられます。

他にもあるかもしれないのですが、私が現時点で把握している最近の事例は以上です。他の事例をご存知の方はぜひお知らせください。

なお、昨年3月、総務省が「いじめ防止対策の推進に関する調査〈結果に基づく勧告〉」を公表しています。この中には重大事態の調査にさまざまな問題があることが示されています。たとえば、重大事態調査結果の被害者や保護者への情報提供を行っていない事例は回答のあった37教委のうち6教委に見られます。保護者への情報提供を行っていない理由は下記の通りであり、認識不足を挙げている県教委が1、市教委が1あることがわかります。この市教委では該当する重大事態が11件もあり、そこで被害者側に情報提供が行われていないのはどういうことなのか、(そしてこの市教委がどこなのか)気になります。

Hogosha

2019.10.26

流山市教育委員会 後田博美教育長にお尋ねしたいこと

流山市教委の法令違反かつ不適切ないじめ問題対応について、昨日、萩生田文科相が「教育委員会の対応に問題があると思う。だからこそ前会長も辞めてしまって、記者会見を開く事態になったんだと思う」とおっしゃっています。被害者に寄り添い、県教委を通して流山市教委を指導されるとのことで、期待しています。文部科学省児童生徒課のいじめ問題担当の方には、これまでも再三再四、流山市教委への指導をお願いしてきました。しかし、私がお願いしても、実効性ある指導はなされていません。今度は、トップである大臣がおっしゃっていますので、これまでとは違う形で指導されるものと期待しています。報道機関の方々には、ぜひ文部科学省がどのような指導をされるのかを取材していただきたく思います。

大きな問題に対応するとき、組織のトップが動くことは重要です。逆に言えば、組織のトップが何もしないような組織では、大きな問題に適切に対応することは難しいでしょう。この意味で、流山市教委の後田博美教育長には、ぜひ今からでもリーダーシップをとって、市教委のあり方を抜本的に見直し、これまで不適切な対応をされてきたいじめや体罰の被害者に対して必要な調査や支援を行っていただきたいと願っています。

過去の任命の際の文書によると、後田教育長は、流山市内の小学校の教諭、教頭、校長や市教委の職員を経て、平成23年4月に教育長に就任されており、26年9月に再任され、(記録が見つからないのですが)29年9月に再々任されているはずなので、現在3期目だと思われます。おそらく、来年令和2年9月までが任期です。私としては、ぜひ現在の任期中に、今回指摘させていただいたいじめ問題への対応について、教育長から率直なご説明をいただきたいと願っています。【追記:教育委員名簿によると、後田教育長の任期は令和3年9月まででした。】

私はこれまで二度教育長にお目にかかり、教育長のご認識やお考えをお尋ねしました。しかし、残念ながら十分なお答えをいただくことはできません。おそらく、今後私が直接教育長にお尋ねする機会はないと思いますが、教育長にお尋ねしたいことをここに記します。教育長に質問をされる機会があるであろう流山市議会議員のみなさんや報道機関のみなさん、ぜひこうしたことを教育長にお尋ねいただきたいと思います。

以下、質問を箇条書きで列挙させていただきます。

(平成29年認定重大事態認定案件について)

Q1 教育長が本件について報告を受けられたのは、いつ、どなたからだったでしょうか。

Q2 教育長は本件について、指導課にどのような指示をされましたか。指示をされなかったとしたら、なぜ指示をなされなかったのでしょうか。

Q3 本件の重大事態認定が遅れたことについて、県教委から指導の連絡がなされていますが、こうした連絡があったことについて、教育長は報告を受けておられましたか。受けておられた場合、いつ、どなたから報告を受けられましたか。

Q4 本件について、調査主体を学校でなく教委にすることについては認識をされていましたか。認識をされていたとしたら、条例上、調査会に調査を委託することになっていることをご存知でしたか。

Q5 本件は教委が調査会に調査を委託する初の事案となったはずですが、初めての調査にあたり、調査の進め方について指導課から報告を受けたり指導課に指示をされたりしましたか。しておられたとしたら、具体的にどのような報告あるいは指示でしたか。

Q6 本件調査が調査会に委託されたのは市教委による重大事態認定から4ヶ月以上経過してからでしたが、すぐに委託されなかったことについてお知りになったのはいつ、どのようにしてでしょうか。お知りになったことを受けて、教育長はどのような行動をとられたでしょうか。

Q7 平成29年12月に調査会から本件についての中間報告書が提出されていますが、この報告書を受けて、教育長はどのような行動をとられたのでしょうか。

Q8 調査会への調査委託が4ヶ月以上遅れたこと、そしてそのことが被害者に多大なる苦痛を与えたことについて、責任はどなたにあるとお考えでしょうか。指導や処分等はなされたのでしょうか。

(平成26年度発生事案について)

Q9 教育長が本件について報告を受けられたのは、いつ、どなたからだったでしょうか。その際、記録上の欠席が30日を超えているという点について、報告を受けておられましたか。

Q10 報告を受けられた当時、いじめによると考えられる不登校の日数がおおむね30日以上となった場合、いじめ防止対策推進法における重大事態に認定しなければならないことをご承知でしたか。ご承知だったとしたら、本件が重大事態として認定されていないことについて、報告を受けた当時、どのようにお考えになりましたか。指導課に対しては何らかの指導をなされましたか。

Q11 本件は平成30年10月に重大事態として認定されていますが、重大事態認定にあたり指導課からいつ、どのような説明を受けられましたか。また、指導課に対してどのような指導をなされましたか。

Q12 結果的に、重大事態の要件が満たされてから重大事態認定まで3年半以上かかっているわけですが、このように重大事態認定がなされていなかったことの責任はどなたにあるとお考えでしょうか。指導や処分等はなされたのでしょうか。

(流山市のいじめや体罰の問題への対応について)

Q13 これまで流山市の学校でいじめや体罰の被害に遭い、市教委や学校から不適切な対応を受けてきたと訴える方が次々と現れています。教育長は、これまでの教員や教委職員のご経験を含め、こうした不適切な対応の事例をご承知ですか。ご承知だとしたら、その事例についてはどのような対応がとられていましたか。

Q14 これまで訴えがあった案件について、事実確認を行っていただくお考えはおもちですか。

Q15 こうした不適切な対応が今後生じないようにするために、市教委としてどのようなことを行うおつもりでしょうか。

教育長がこうしたことについて率直に説明してくださることがあれば、流山市教委で何が起こっていて何が問題だったのかが、かなり明確になると思われます。市議会議員のみなさん、報道機関のみなさん、ぜひこうしたことを教育長にお尋ねください。教育長が率直に説明してくださることを切に願っています。

2019.10.25

流山市事案を受けた千葉県いじめ防止対策条例の改正の可能性について

このブログで連日取り上げている流山市教委のいじめ問題に対する法令違反かつ不適切な対応について、多くの方からご連絡をいただいています。再発防止や被害者支援を進めなければならないのですが、今のところ、流山市教委及び流山市からはそうしたことにつながる積極的な発言は聞かれません。やはり、組織の長である教育長はご自身の見解を述べられるべきだと思いますし、教育長や教育委員を専任している市長にはリーダーシップをとってご対応いただきたいと思います。

流山市レベルでの再発防止策については、まずは流山市で考えてほしいと思います。他方、今回の経緯の中では、県教委や文部科学省による流山市教委への指導が、実質的に機能しなかったということがあります。県議の方々からは、千葉県いじめ防止対策推進条例(以下、「県条例」とします。)の見直しも含めて考えたいというお話もいただいています。そこで、今回の件を受けて、千葉県いじめ防止対策条例をどのように改正すれば、県教委から市教委への実質的な指導が可能になったのかを検討してみたいと思います。

1)県の責務

県条例では、第5条で県の責務を定めていますが、市町村との関係については、「市町村その他の関係者と協力して」施策を総合的に策定し、実施する責務を負うとされているだけであり、市町村のいじめ防止対策について確認し指導するという点が責務として示されていません。市町村教委が不適切な対応をとりうることを前提とすれば、県には市町村のいじめ防止対策が適切に実施されているかを確認し、必要に応じて指導することを責務として負わせるべきでしょう。

2)市町村の役割

県条例では第6条で市町村の役割として、施策を作成し実施する、必要な措置を講じるということが書かれているだけで、実質的な義務はほとんど課されていません。これでは、流山市教委のように、法令を認識しないままの対応についてですら、県条例は無力です。たとえば、いじめ防止対策推進法その他の関係法令を遵守して必要な措置を講じ、法令に反する対応がないかを自ら点検することを責務として課すくらいのことがあってもよいように思います。

3)相談体制

県条例では第13条で相談及び情報収集体制の充実を掲げていますが、抽象的、一般的に「充実を図るものとする」とだけ記されています。ここに、市町村や県におけるいじめ問題への対応が法令に違反することが疑われる場合について相談を受ける窓口を設け、法令違反の対応に対する相談を確実に受けられるようにするという項目が追加されるとよいと思います。

4)いじめ問題対策連絡協議会

県条例では第19条においていじめ問題対策連絡協議会の設置を定めています。私も構成員として出席していますが、多くの関係者が出席する大変重要な会議です。しかし、この会議には市町村教委関係者は出席していません。すべての市町村から出席を求めると人数が多すぎるかもしれませんが、各教育事務所管内から輪番で市町村教委の担当者が出席し、できれば近隣の地域とも情報を共有する市町村連携の体制をとれるようにできるとよいと思います。この会議に出れば、市町村だけにしか通じない対応を改めようという意識が、多少なりとも担当者には生まれてくると思われます。

5)いじめ対策調査会

県条例第20条にあるように、県にも流山市と同様に、いじめ対策調査会が設置されています。しかし、この調査会が市町村教委のいじめ対応について実質的な検討ができる状況にないと思われます。調査会で市町村レベルの対応状況を精査すること、市教委への指導のあり方について調査会が県教委に意見すべきこと等を入れ、この調査会が市町村レベルのいじめ対応について実質的に機能するようにする必要があると思われます。(見直して内容を修正しました。)

6) 管理職・主任等への研修(ご意見をいただき、追記しました)

県条例第15条では人材の確保及び資質の向上を掲げており、教職員への研修の充実も挙げられています。しかし、流山の状況を見ると、管理職や主任等、学校を代表していじめ問題に対応する人の資質に問題が見られます。こうした人が市教委の指導課などに異動する可能性も含めて考えると、千葉市以外の市町村立学校の教員の任命権者である千葉県が、管理職や主任に対してコンプライアンス、保護者対応、第三者委員会等の運営方法、管理責任等について、具体的な事例(たとえば流山市の事案を教材化する)に沿って、協働学習形式で学ぶようなことが行われる必要があります。この意味では、単に教職員の研修の充実ということだけでなく、管理職や主任クラスへの研修の充実ということを条例に含めることが検討されるとよいでしょう。

 

2019.10.24

流山市教育委員会は資料を確認せずに嘘をつく

10月21日に流山市教育委員会の法令違反かつ不適切ないじめ問題対応に関して記者発表をしたところ、多くのメディアで報じられ、多くの方からご連絡をいただいています。

30年前に流山の小学校で教員からの虐待被害を受けていた宇樹義子さんは、この問題を受けて、ブログに「流山市教委いじめ不適切対応問題を受けて ―30年前に流山市の小学生だった者より」という記事を書いてくださいました。宇樹さんは、


「空気」が、「皆と同じであれ、集団の同質性を守れ、異なった者を排除しろ」と言えば、彼らはそうする。
「空気」が、「快活であれ、いつも強くあれ、弱音は吐くな」と言えば、彼らはそうする。
「空気」が、「優れた者/まともな者以外は痛めつけろ、殺せ」と言えば、彼らはそうする。
「空気」が、「常に世の中の役に立つものであれ、世の中に『迷惑』をかける者は死すべし」と言えば、彼らはそうする。
「空気」が、「目上の者にたてつくな」と言えば、彼らはそうする。

と書かれています。流山市教育委員会や同様の対応をとる学校、教育委員会にもあてはまる鋭い指摘だと思います。「空気」が人を傷つけ、場合によっては殺してしまうのです。熱心な教師にこそ、こうしたリスクがあります。

他にも多くの方から、流山市教委や市立の学校において、いじめ、体罰等の被害を受け、まともに対応してもらえなかったという声をうかがっています。流山市教委は、今回指摘した案件だけでなく、過去の案件を洗い出し、そのすべての被害者に対して謝罪、名誉回復、支援等を行うべきではないでしょうか。

 

各報道機関に流山市教委からのコメントが掲載されていますが、さすがにきちんと指摘しなければならないと思いますので、指摘させていただきます。流山市教委は流山市いじめ対策調査会に対して、いつ調査を委託したのかという問題についてです。

教育新聞の記事では、市教委のコメントが「いじめの重大事態を報告した17年3月の臨時会で調査を依頼したつもりでいた。調査会の委員と市教委の間に誤解があった」と掲載されています。教育新聞が間違っていないとしたら、このコメントはあまりにもひどいです。というのは、2017年3月に調査会の臨時会は開催されていないからです。

当時の経緯はこうです。

3月8日 調査会定例会開催。深刻な案件が発生しているという第一報の説明はあった。(実はこの頃、市教委が重大事態認定をする根拠となった自殺企図があった。)
3月30日 市教委が重大事態認定。
4月28日 調査会臨時会開催。

3月中に臨時会は開催されておらず、3月に臨時会があったというのは明らかな誤りです。たしかに3月8日に本件について説明はありましたが、これはまだ第一報であり、市教委が重大事態認定するのはこの日から22日も後。3月8日の定例会で重大事態認定がなされたはずはありません。

昨日のTBSの「グッとラック!」で紹介された市教委のコメントでは、4月に調査会に委託したつもりだったとなっていました。これならまだ話はわかります。4月28日の臨時会のことを言いたいのだろうと思います。

たしかに、4月28日は本件への対応について審議がなされています。ただ、重大事態の調査の依頼はありませんでした。

このことについては、証拠があります。7月12日に、「平成29年度 いじめ対策調査会への報告会①」という会合が開かれていて、市教委作成の議事録があります。これは、本来調査会の臨時会を開催すべきだったのが、日程調整がうまくいかず、若干名の調査会委員がバラバラに集められていじめ事案への対応状況について報告を受けた会合です。この①には私も出席しています。この議事録には、重大事態としての調査をどう進めていくかに関する議論が書かれており、私からは市の条例に沿って調査を行う必要があること、そして調査会に調査が委託されれば最優先で行うつもりがあることを述べています。市教委から、早急に動いていきたいという言葉があって会合が終わっています。こうした経緯があって、8月2日開催の臨時調査会において、市教委から調査会に調査が委託されることになるのです。

この7月12日の会合の議事録は、市教委が作成したものです。こうした文書で経緯を確認すれば、4月の段階で調査委の依頼をしていたなどという説明はできないはずです。そもそも、市教委が内容を確認した上で提出した中間報告書でも、市教委が調査会に調査を委託したのは平成29年8月2日と明記してあります。中間報告書に関して事実の間違いはないと市教委は言っていたのであり、今になって3月あるいは4月に委託したつもりだったと言うのはあまりにもひどいと言わざるをえません。

 

なぜこうなるのか。昨日の記事では市教委が法令を見ないということを指摘しましたが、見ないのは法令だけでなく記録も見ないのです。市教委の担当者としては、報道機関に対してできる限りの説明をしているのであり、そこに嘘をつく意図はないと思います。しかし、記録を見ずに、当時の担当者の聴き取りだけをもとに回答していると思われます。当時の担当者の思いとしては、4月に依頼したつもりだったということなのかもしれません。しかし、記録を見れば、市教委としてその説明には無理があることが明白です。記録を見ないで担当者の言い分をそのまま発表しているので、結果的に嘘が生じるのです。

市教委がこのように担当者の思いだけをもとに説明し、結果的に嘘をつくことは、私たちが行った調査の過程でも見られました。事実関係が不明な点について市教委に質問して回答を得ることがしばしばありましたが、どうも他の要素と整合しない回答が多くありました。そうしたことがあると、あらためて根拠となる資料を出してもらい、資料との不整合があるとそれをまた確認するというような作業を行わなければならなくなっていました。当初は、市教委の回答に嘘が含まれることなど想定していなかったので、こうした作業が想定外に増え、調査の負担が増大しました。

市教委のこうした状況は、いじめや体罰の被害者への対応にもきっと表れていたはずです。被害者側の方々から、市教委に嘘をつかれたという声を多く聞いています。資料を確認せず、担当者の思いだけで説明するので、市教委や学校の対応が合理化されやすく、被害者側ではひどい嘘をつかれたと受け止めるしかなくなるのだと考えられます。

 

今回の記者発表をするにあたって、私は約1ヶ月前に、市教委の指導課長に会見内容をすべてお知らせし、何かあれば指摘してほしいとお願いしていました。指導課長からは、「こちらの認識とは異なる点がございます」という回答があったので、具体的に教えてほしいとお願いしました。ところが、指導課長からは「こちらの資料および担当者からの聞き取りから当方としては、認識が異なるとお伝えいたしました。どこが、どのようにという点に関しては、このメールで議論する意思はありません。」という驚くべき回答が返ってきたのです。結果を見ると、認識が異なる点というのは、調査会に調査を委託した時期だったのでしょうが、市教委ではどの資料をもとに3月あるいは4月に委託したと判断したのでしょうか。「議論する意思はありません」などとおっしゃらずにどのような資料をもとにどのような認識をおもちなのか言っていただければ、私からも7月12日の議事録などに触れ、認識を合わせることができたはずであり、残念です。

しかし、この指導課長のメールの文面は、市教委のいじめ問題等についてのコミュニケーションのあり方を象徴的に示すものとして貴重です。何か指摘されても「認識が違う」として具体的な説明を拒否し、資料も確認せず担当者の思いだけの「認識」をただ守ろうとしている状況がよくわかります。被害者側や報道機関は、市教委のコミュニケーションがこのようなスタイルであることを理解した上で、市教委とコミュニケーションをとる必要があります。市教委は資料を確認せずに嘘をつくのです。

2019.10.23

教育委員会がなぜ法令違反の対応をしてしまうのか

10月21日(月)に発表させていただいた流山市教育委員会の法令違反かつ不適切ないじめ問題への対応に関して、どうして教育委員会が法令違反の対応をしてしまうのかと、記者の方などから繰り返し問われます。私が流山を含めいくつかの教育委員会と関わらせていただいた中で考えていることを書かせていただきます。

 

1)孤軍奮闘

流山市教委の場合、いじめの問題に対応するのは、指導課に配置された1名の指導主事でした。何かがあれば、指導課長や課長補佐、他の指導主事がサポートするということになります。

私が流山市いじめ問題調査会(以下、「調査会」)の委員をつとめていた4年間で、担当指導主事をなさった方は3名おられます。どの方もいじめ問題に真摯に対応しようと、大変熱心に仕事をされていました。

ただ、担当指導主事は常に孤軍奮闘しているように見えました。あまり深刻でない問題であれば、一人で学校と連絡を取りながら対応すれば、それで十分なのかもしれません。しかし、深刻で前例がないような事態に対応するには、市教委内でさまざまな検討が必要であり、役割分担も必要です。しかし、組織風土として、組織できちんと相談することがあまりできていなかったように思います。

2)物言わぬ役職者

上記とも関連しますが、本来、いじめ問題への対応については指導課長が責任をもち、最終的な責任は教育長にあります。しかし、私が関わった指導課長にはリーダーシップをとる様子はほとんど見られませんでした。

本来、調査会の委員を委嘱する際には、責任ある立場の人(指導課長なり教育長)が、各委員にしっかりと挨拶し、いじめ問題が起きたら調査にあたってもらう重要な組織の委員を委嘱していることを説明し、協力を求めるということがあるはずです。しかし、歴代の指導課長からはそうした話を聞いたことがありません。教育長に至っては、重大事態の調査がかなり大変な状況になっても、調査会委員に対して直接話をされることは一切ありませんでした。

いじめ問題への対応の経緯についても、指導課長は通り一遍のことしか把握していないようで、深刻な問題についてリーダーシップをとり、担当指導主事と綿密に打合せをしながら対応しているとは考えにくい状況でした。

結局、指導課長や教育長といった役職者は、現場に近い面倒な問題について汗をかくことはしない立場ということになっているようで、何かがあっても「認識が違う」「認識が甘かった」というような大まかな説明だけして、やがて任期が終わるという状況になっているようです。こうした役職者には前例と違う対応は期待できませんから、いじめ問題に真摯な対応をしない例が重なればそれが変わることはないわけです。

3)外部との交渉の弱さ

こうした市教委の状況は、外部との交渉の弱さにつながります。

調査会の委員は教委から見ると外部の専門家です。こうした外部の専門家に対して、当初、担当指導主事はひどく遠慮がちであるように見えました。このことは、会議の日程調整に端的に表れています。委員の日程をきちんと調整して、多くの委員が出席できる日程で会議を設定するということができないのです。遠慮がちに日程を通知し、出席できないと返答するとそれ以上の調整が行われることはありませんでした。

また、会見で発表したように、調査会発足から2年以上にわたって会長が決まっていなかったのですが、担当指導主事はこのことに気付いていながら、調査会委員らに対して、出席者は少ない中だが会長を決めてほしいと言うことができていませんでした。

重大事態の調査を調査会に委託したつもりだったのにできていなかったということが出てきていますが、これも調査会の委員に対して明確に物を言えないことの反映だと考えられます。本来、会長の決まっていない組織に依頼をするというのは無理がありますし、調査を依頼したのであれば教委が資料を提出したり関係者の聴取の日程を調整したりといった業務を担う必要がありますが、そうしたことはなされていませんでした。本当に調査を依頼したつもりなのであれば、もっと具体的に調査をどう進めるかについて話がなされなければならなかったのですが、そうしたことができていないのは、ある意味で交渉が下手だということの表れなのだと思います。

4)法令を見ない

そして、市教委の方々は法令を踏まえて動くことがあまりないように思われます。孤軍奮闘する指導主事は、法令を確認せず、上司の考えを忖度したり、被害者側からの要望に応えたり、調査会の委員にうかがいを立てたりして問題に対応するのですが、法令に基づくということがありません。指導課長も、法令に関係する説明ができておらず、法的な理解に関して問うても誰も答えられない状況が続きます。

当然、私たち調査会では法令に基づいた対応をしているので、市教委にも法令に関係する話をする機会がありますが、重大事態の調査が始まっても、市教委担当者は法令を確認して話す様子はなく、何度か「あなたたちが作った条例を読んでいないんですか」というお話をしたことがあります。

教育行政を担う市教委が法令を見ないということが想像されにくく、外部の関係者は市教委は当然法令に従って動いているということを前提にします。外部の関係者が実は法令を見ていないのではないかといことに気付くまで時間がかかり、気付いた時点では事態はかなりこじれているということになります。

5)組織風土の問題

以上のように、流山市教委には組織風土に深刻な問題があります。すなわち、担当者は孤軍奮闘し、役職者は問題に深入りしないため、組織で連携した対応ができません。しかも、法令を見て対応されることがないため、容易に法令違反が起こります。外部の人とうまく交渉することもできません。

このような状況ですから、たとえばいじめ被害や体罰被害を保護者が申し立てても、熱心そうな指導主事がきちんとやってくれるのかと思えば、法令違反の場当たり的な対応を熱心にされるだけということになり、問題がより複雑にこじれることになるわけです。

本来、行政組織が法令に従って動くべきことは当然ですし、法令に従わなければ判断の根拠を示すことができない場合が多いはずです。そして、前例のない難しい案件に対応するためには、組織内で上下関係なく相談をするとともに、外部の専門家とも遠慮なくコミュニケーションをとり、多様な知見をふまえる必要があります。

 

今、全国各地で教委が法令違反のいじめ対応をしていることが報じられています。ここで述べた状況は決して流山市だけのことではなく、法令違反が指摘されている多くの教委に共通することではないでしょうか。

教委の個々の担当者は決して悪人ではないでしょう。しかし、組織を動かせなかったり法令を見なかったりする担当者は、いかに熱心であってもそれでよいということにはなりません。他の組織との人事交流を進める等して、組織改革を早急に行う必要があります。

流山市教委は、最終報告が出たら再発防止策をとると説明しているようです。しかし、調査会の委員が全員退任した後の新たな調査会が調査を再開して最終報告を出すにはまだ時間がかかるはずです。そもそも現在の調査会の委員のプロフィールが明らかにされておらず、被害者も人選について同意しないのではないかと考えられている状況です。私たちが出した2回の調査報告書で、教委の問題は十分に指摘されています。最終報告を待つというのは問題の先送りに過ぎません。ぜひ、今すぐ再発防止のための組織改革を始めてほしいと思います。

2019.10.21

流山市教育委員会の法令違反かつ不適切ないじめ問題対応について

本日2019年10月21日、文部科学省記者クラブにて、流山市教育委員会の法令違反かつ不適切ないじめ問題対応について公表する記者会見を行いました。


文部科学省が発表したように、小中高校のいじめ認知件数は過去最高を更新しており、いじめ防止対策推進法が定める「重大事態」の件数も昨年度602件と増加しています。そして、神戸市、埼玉県川口市等で、教育委員会が重大事態に対して法令違反あるいは不適切な対応をしている例が続出しています。こうした状況を背景にいじめ防止対策推進法の改正の議論がなされていますが、現状ではまだ改正への道筋は定まっておらず、また改正したとしても教委が法令に従わないのであれば実効性は担保できません。

重大事態への対応のあり方の問題は、被害者が死亡した事案では注目されがちですが、被害者が心身にひどい被害を負ったり不登校になったりして現に苦しんでいる事案はあまり大きく報道されることはありません。しかし、死亡事案で注目されているのと同じかそれ以上ひどいレベルでの対応を行っている教委はまだまだあると考えられます。

 千葉県の流山市教委は、いじめ重大事態に関して、以下のように法令違反あるいは不適切な対応をとってきました(主なもののみ示します)。

・いじめ重大事態に該当する事案について、重大事態と認めず、調査を行わなかった。

・いじめ重大事態と認定した事案について、条例に従って附属機関である流山市いじめ対策調査会(以下、「調査会」とします。)に調査を付託することを怠り、4ヶ月以上にわたって対応を放置した。

・被害者側や調査会との約束に反して被害者側との関係を悪化させる行為をとり、調査会による調査の妨害を行った。 

市教委の附属機関である流山市いじめ対策調査会において、こうした市教委の対応について繰り返し指摘をし、改善を求めてきましたが、いまだ改善がなされない状況があります。そうした中で、本年5月の任期満了をもって、すべての委員が退任するという状況に至っています。市教委のこうした対応によって、被害を受けた方やご家族は今でも大変な苦しみの中にあります。

記者会見で公表した資料は以下の通りです。

発表資料

補足資料

被害者保護者からいただいたコメント

 

市教委が法令に反し、調査を妨害するような状況にあることを多くの方に知っていただき、事態の改善と被害者の支援が適切に行われるようご理解ご協力をいただきますよう、お願いいたします。

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