『日テレフォーラム5』
2月21日放送の『メディア・マガジン7~日テレフォーラム5』に出演した。「いい番組って何?」をテーマに、視聴者代表の方々、タレントさん、番組制作者等々の皆様と、議論した。
3月2日の朝日新聞夕刊の丸山タケシさんのコラム「TV構造改革」で、この番組を取り上げてくれた。丸山さんいわく、「『フォーラムでございます。真剣でございます」といった、まことにきまじめな空気が漂う」「そんなに突き詰めて考え込んだら、笑えるものも笑えないわい」「『やってます』。ポーズは立派。でも、意味ありげなものって、案外、無意味」と、この『日テレフォーラム』を批判する。
たしかに、視聴率買収をはじめ、日本テレビはこのところ問題続出である。そして、ついに視聴率三冠王も続かなくなりそうだ。『日テレフォーラム』が「やってます」というポーズに見えても、仕方ないかもしれない。だが、『日テレフォーラム』を毎年行い、『メディア・マガジン』(年4回放送)の中で、人がきちんと見られる時間(土曜日か休日の午前10:30~)に放送しているのである。民放の東京キー局で他にこのような取り組みをしているのは、テレビ東京だけだ。
私は、メディアリテラシー教育を研究する立場から、「子どもとメディア」や「メディアリテラシー」を正面から取り上げる番組がもっと増えてほしいと思う。だが、丸山さんの言うようないかにも「やってます」という番組が望ましいとも思わない。できることなら、センスのよい番組にしたいと思う。
批判であれ何であれ、『日テレフォーラム』を全国紙のコラムで取り上げていただけたことは、うれしい限りだ。願わくば、「センスのよいメディアリテラシー番組」が実現するよう積極的なご提案を賜りたい、と思う。そうじゃないと、丸山さんのコラムも、「きまじめな番組にとりあえずツッコミをいれてみました」という程度で終わってしまうのでは?
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コメントをここに書いたことについて、朝日新聞連載の著者である丸山タケシさんにメールを差し上げました。丸山さんからはご丁寧なご返事をいただきました。
私信なので内容のご紹介は控えますが、特段のご反論はありませんでした。
新聞を読んでいると、テレビに対して揶揄するような文章が目につきます。テレビを批判することは重要ですが、きちんとした批判もせずにレビさえ悪者にすればよいという風潮は、よからぬものだと思います。
Posted by: 藤川大祐 | 2004.03.05 09:44 AM