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2005.02.22

BPO報告会とシンポジウム「子どもとテレビ」

 本日、東京の千代田放送会館でBPO(放送倫理・番組向上機構)報告会とシンポジウム「子どもとテレビ」が開催され、シンポジウムのパネリストとして出席しました。
 今回のイベントは、2001年からBPO青少年委員会が行ってきた「青少年へのテレビメディアの影響調査」の結果の発表と、それを受けてのシンポジウムでした。調査は、4年間にわたって、同一の子どもに対して小学校5年生から中学校2年生までの4年間継続的な調査を行って、「社会的ルール違反傾向」と「不安な気持ちの現れ」の要因を明らかにしたものです。基本的には、どちらに関しても、テレビ視聴に関わる要因が特に影響しているとは言えないという結論が出たとのことでした。詳しくは近く文字で公開されると思います。
 私は、この調査に次の疑問をもっていましたので、シンポジウムでも述べさせていただきました。忘れないよう、ここに記しておきます。

1)テレビの悪影響についてのみ調査されているが、子どもが毎日ある程度以上接しているものである以上、さまざまな影響があるのは当然である。「勉強になる」「将来の夢を決めるきっかけになった」等のよい影響も含めて調査がなされるべきである。
2)悪影響の項目が「社会的ルール違反傾向」と「不安な気持ちの現れ」の2項目である理由が理解できない。「寝る時間が遅くなる」「勉強時間が減る」「言葉遣いが悪くなる」等、一般に言われていることについて調査すべきである。たとえ「社会的ルール違反傾向」と「不安な気持ちの現れ」について悪影響が認められなかったとしても、他の点で悪影響が認められる可能性があった。
3)「社会的ルール違反傾向」というと非行行動のような印象を受けるが、これがあるとして分類される子どものほとんどは「子どもだけでゲームセンターなどに行く」「夜おそくコンビニの前で友だちとしゃべる」のいずれか(もしくは両方)にYesと答えた子どもにすぎない。「夜おそく」の解釈にもよるが、これらは基本的に合法的な行為である。「社会的ルール違反傾向」という言葉が一人歩きしないことを願う。
4)「不安な気持ちの現れ」も同様で、「イライラすること」「さみしくなること」「なにもやる気がしないこと」など、抑うつに陥る傾向ということである。だが、思春期の子どもたちがこれらのいずれかにYesと答えることは、むしろ正常と言えるかもしれない。たとえテレビ視聴がここで言う「不安な気持ちの現れ」につながったとしても、それを悪影響として理解すべきかどうかについては慎重な検討が必要である。

 シンポジウムでご一緒させていただいた大山勝美さんからは、テレビ局OBがメディアリテラシー教育に協力する用意があると言っていただきました。江川紹子さんには(私が「利他的な夢」についてお話ししたため)ご著書『人を助ける仕事』(小学館文庫)をご紹介いただきました(キャリア教育のヒントになる好著です!)。多くの方々とお話しすることができ、大いに学ばせていただきました。貴重な機会を与えてくださったBPOやご関係の皆様に感謝しております。

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