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2005.02.02

「総合的な学習の時間」は「キャリア教育の時間」として見直されるべし

 文部科学大臣が「総合的な学習の時間」の削減に言及したと報道されて以来、2002年度に正式スタートしたばかりの「総合的な学習の時間」は崖っぷちに立たされている。先日のテレビ朝日『朝まで生テレビ』でも、この話題を含む教育問題が取り上げられていた。当初から「どうせ文部科学省はすぐに方針を変えるから、『総合』に真剣に取り組み必要などない」とうそぶいていた教員たちは、今ごろ「それ見ろ」と言っているに違いない。文部科学省に一貫性を求めるのは、無理なのだろうか。
 今後の「総合的な学習の時間」について、私も意見を求められる機会が出てきたので、基本的な考え方を述べておきたい。私の立場は、以下である。

1)「総合」の実情は、あまりほめられたものではない。一部の学校では魅力的な実践が行われ、子どもたちも問題解決能力やコミュニケーション能力を高めていると考えられるが、多くの学校(特に中学校)では成果をあげているとは言い難い。

2)だからといって、「総合」の導入のせいで「学力低下」になったと言うのには、飛躍がありすぎる。「総合」導入以前のデータで「学力低下」はかなり強く出ていたのであり、「総合」は「学力低下」の要因とは言えない。

3)「総合」が芳しくない状況である背景には、よく言われるように「理念はよいが、時間だけ作って予算や教員人事に配慮しなかったため」というだけではない。私は理念の詰めが不十分であったと考える。すなわち、「メディアリテラシーの向上」や「大人数であることをメリットとする」といったことが意識されていなかったことが、「誰に何のためにするのかがわからない発表」や「一人一人がバラバラに小さい課題を追究しているだけの実践」につながっている。

4)これまでの「総合」の最大の成果は、学校に外部の者が関わって実践をすることが飛躍的にやりやすくなったことである。たとえば、私たち企業教育研究会が企業と連携した授業を数多く実施できているのは、「総合」の導入なくして実現しえなかったことであろう。

5)今は、せっかく導入した「総合」の削減や廃止を議論するのでなく、これまでの3年間を振り返りつつ、今後の「総合」のあるべき姿を議論すべき時期であろう。当初より私は、「総合」で「他者の生き方にふれ、自らを再発見すること」が重要だと主張してきた。2005年の現在では、「子どもたちがさまざまな大人にふれ、キャリア意識を高めること」と言い換えてもいい。フリーターやニートの増大に言及するまでもなく、学ぶ先に子どもたちが夢をもてないことが、現在の学校が抱える根元的な問題である。「キャリア教育を目指す総合」であれば、多くの方々の支持が得られるであろう。

 ということで、結論としては、現行の総合的な学習の時間を「キャリア教育のための時間」として捉え直すことを、私は提言したい。

(学力問題について一言付け加える。学力問題が注目されることによって利益を得るのは、少子化で大打撃を受けるはずだった受験産業である。私たちは、かつてのような「受験戦争」で10代の青少年が過度に苦しむことに否定的だったはずだ。そして、少子化の進行とともに、「受験戦争」は大幅に緩和された。「受験戦争」が緩和されれば、子どもたちの「学力」が下がるのも当然である。私たちが望んだのは、現在のように、「学力」が以前より下がり、「受験戦争」が緩和した現在の状況そのものだったのではないか。だが、「受験戦争」の緩和は、塾や予備校への大打撃となることが予想されていた。数年前まで、塾や予備校の関係者は口々に悲観的な予測をしていたではないか。ところが、学力問題が注目された結果、「公立学校には任せられない」という雰囲気が強くなり、多くの親が子どもを塾や予備校に通わせて「学力」を高めようとしている。もうすでに学歴社会というより学校歴社会は崩壊しつつあるのに、である。先日も『朝まで生テレビ』に「ゆとり教育批判」の論客として出演していた「精神科医」の和田秀樹さんも、緑鐵受験指導ゼミナールという受験予備校のリーダーだ。学力問題で和田さんが登場するときの肩書きは「精神科医」でなく、せめて「精神科医・緑鐵受験指導ゼミナール監修」と併記すべきではないでしょうか、テレビ朝日さん!)

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