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2005.02.15

寝屋川での小学校教職員殺傷事件について緊急コメント

 昨日、大阪府寝屋川市の小学校で、卒業生である17歳の少年が教員1名を殺害し、2名の教職員に重傷を負わせるという事件が起こった。教育に関わる者として、加害者に対して憤りを覚える。被害に遭われた方や関係の皆様に対して、何と言ってよいかわからない。

 この事件については、加害者の供述がほとんど報じられておらず、背景はよくわからない。しかし、加害者が小学校低学年の頃からテレビゲーム好きであり、小学校の卒業の際にはゲーム雑誌の編集者かゲームの3Dのデザイナーになりたいと書いていたこと、中学から不登校でゲームばかりやっていたらしいこと等から、テレビゲームと事件との関連が話題になりつつある。私はテレビゲームに関わる授業実践に携わってもいるので、この事件についての現段階でのコメントを、以下に記しておく。

1)大阪教育大附属池田小の事件以来、学校は外部からの侵入者への警戒を強めてきた。今回の事件も侵入者の犯行であるため、学校の安全対策が話題になることはあるであろう。もちろん、模倣犯への警戒等、学校関係者は安全対策を再点検することになろう。だが、完璧な安全などありえない。全国に何万件もある学校で、外部からの侵入者が殺人を企てた数は、ごくわずかである。こうした事件で子どもや教師が被害に遭う確率は、交通事故に遭ったり誘拐されたりする確率よりも、おそらくずっと低いであろう。学校の安全対策について、冷静な議論がなされることを期待する。

2)加害者の家庭環境についてはまだ何もわからないが、小学校低学年からのゲーム漬けは望ましくないはずだ。幼いうちは、身体を使って遊んだり、さまざまな人とコミュニケーションしたり、たっぷり睡眠をとったりすることが重要なのであり、長時間ゲーム漬けになることは、他の時間を奪うことになる。もちろん、ゲーム漬けが殺人に直接結びつくわけではないだろうが、時間管理のできない幼い子どもにゲームを与えることはまずいということを、私たち大人は再確認すべきであろう。

3)加害者が小学生時代からゲームに関わる仕事をしたいという夢をもっていたこと自体は、悪いことではない。しかし、ゲームに関わる仕事はゲームにのめりこむだけではできないということを、おそらく学んでいなかったのであろう。私たちの「テレビゲーム・リテラシー」の授業に協力くださったエンターブレイン(『週刊ファミ通』の発行会社)社長の浜村弘一さんは「現実の世界のもの、サッカーや野球をまずやってみてください」と言っている。また、ゲームクリエイターの飯塚隆さんも、「ゲームをたくさんした人が、デザイナーになれるわけではない。むしろ現実の社会でいろんな見聞を広め、楽しいこと新しいことをたくさん吸収し、それをゲームの世界でうまく取り入れることのほうが大切だ」と言っている(以上のインタビューは『週刊朝日』2005年2月18日号「テレビゲームにはまらない子の育て方」より)。こうしたゲーム関係者の言葉を、ゲームにはまる子どもたちにもっともっと伝えたい。

4)今回の事件と直接関連づけたくはないが、テレビゲームは、産業としては日本の貴重な輸出産業であり、ゲームクリエイターは子どもたちに人気の職業であるので、社会科やキャリア教育の枠組みで、もっとテレビゲームのことを扱うべきである。私は以前からこのように考えて、企業教育研究会で継続的にこの問題に取り組んできた。こうした取り組みを、今後も積極的に進めていきたい。

5)衝撃的な犯罪が起こると、私たちは何かに原因を帰属させて落ち着こうとする。だが、同様の事件が続発しているのでもない限り、原因は加害者本人に求められるべきである。安易に学校の安全対策やテレビゲームの問題に原因を帰属させてはならない。

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