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2005.02.09

多古中学校でキャリア教育について講演

 昨2月8日(火)、千葉県多古町の町立多古中学校で、キャリア教育について講演をさせていただきました。
 多古中学校は、文部科学省の指定を受けてキャリア教育の研究をしており、この日は地元のロータリークラブの方々による授業の後、私が教員向けに講演をさせていただきました。ロータリークラブの方々のお話はどれも興味深いもので、伝統ある城下町の方々が中学校のために積極的に力になってくださっていることが、よくわかりました。
 講演の内容の詳細を書くのは略させていただきますが、以下にレジュメを貼り付けておきます。

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今求められるキャリア教育とは? 千葉大学教育学部助教授 藤川大祐

1 ニート・フリーター問題の背景

・学力や学習時間の二極化から「希望格差社会」(山田昌弘)へ
・学歴(学校歴)社会の崩壊=「よい学校」を出ても幸せになれない
・高度情報社会であふれる情報→何をしたいのか、どう決めてよいか、わからない
・「新人類親」の登場→「承認の供給不足」(宮台真司)と自己肯定感の低さ
・「同調圧力」が、「かけがえのなさ」を奪っていく

2 間違いだらけの親や教師

・「とにかく勉強しなさい」に納得するのは無理
・「何がしたい?」と問われても、何がしたいかわからない
・「適性検査」で決めた進路を貫けるほうがおかしい
・「職場体験」はないよりマシだが……

3 キャリア教育の前提となること

・「利己的な夢」から「利他的な夢」へ
・社会人の最低条件は「対話能力」、大人と話せるようにする
・必要なのは、上辺だけの知識でなく、「何をしてきたか」を説明できること(中谷彰宏)
・完璧主義でなく、プラス志向
・覚えることより、自分の頭で考えること
・知的好奇心に訴える授業から、承認欲求に訴える授業へ
・他者との違いを肯定し、異質な他者と共生する

4 これからのキャリア教育のために

・基本的な「キャリア教育」は、日常の教科に埋め込む
・具体的な「人」の姿を通して、「1人でも世界は(少しは)変えられる」ということを、繰り返し見せていく
・総合でも特活でも、基本テーマは「自分発見」
・「他の人がやらないことをやる」という戦略的発想
・繰り返し、「10年後の自分」をシミュレートする
・職場体験の前に、徹底した「対話能力」向上を
・一方的にお世話になるのでなく、相手にもメリットを

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