Twitter

September 2020
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      

Recent Trackbacks

無料ブログはココログ

« 9月入学制具体案の修正について | Main | 「ダブルバインド型いじめ」としての「ステメいじめ」や「いじり」(メモ) »

2020.06.04

「今ではない」9月入学を導入するとしたらどうなるのか

新型コロナウイルスの影響による休校措置を受けての9月入学という話は、すぐに導入はされないということで、落ち着きつつあります。このまま夏休みの大幅短縮等で対応することには疑念を抱かざるをえませんが、9月入学への移行には国民的合意が不可欠ですから、合意形成ができていない現段階での導入見送りは妥当なことと考えます。

しかし、9月入学への移行は「今ではない」がいずれ導入すべきだという議論が出ていることについては、もう少し議論がなされるべきだと考えられます。というのは、具体的に考えると、9月入学への平時の移行は非常に困難だからです。

年度の4月開始を9月開始に移行するには、移行期間中に、学年の進行を5ヶ月遅らせるか7ヶ月前倒しするかのいずれかが必要です。それぞれについて、見ていきましょう。

1) 5ヶ月遅らせる場合

今後、平時に戻った上で5ヶ月遅らせるのであれば、移行期間中に特に必然性なく5ヶ月の「留年」を強いるか、5ヶ月分の空白期間を設ける必要があります。大学だけのことであれば、かつて東大が検討したように、高校卒業後に5ヶ月間の「ギャップターム」を挟んで大学入学ということでよいでしょうが、小中高でも実施するとなるとどこかで子どもたちに学年の進まない5ヶ月を過ごさせることとなります。しかも、小学校入学時期を遅らせるか一時的に多くの者を入学させるかいずれかが必要となるのは、これまでの来年度からの九月入学導入に関する検討の中で出ている通りです。今後あらためて9月入学を導入する場合、5ヶ月遅らせる理由はないように思われます。

2) 7ヶ月前倒しする場合

7ヶ月前倒しする場合には、学年の区切りはこれまで通り4月1日現在の年齢とするのか、9月1日現在の年齢に変えるのかによって、やり方が違ってきます。これを機に義務教育開始時期を早めようという話もあり、現在と年齢の区切りを変えないと考えると、年齢の区切りは4月1日のままとして検討したいと思います。また、ここでは小中高だけでも十分に複雑なので、小中高の段階のみ検討します(未就学児や大学の話題を含めても、さらに複雑になることはあっても、単純になることはありません)。

具体的な移行の方法には次のようなものが考えられます。

A) 全学年を一気に移行する

ある年度を、4月から8月までの5ヶ月で終わらせることとし、9月から新しい年度を始める方法です。こうすれば、一気に9月入学に移行でき、移行後は5歳5ヶ月〜6歳4ヶ月の時期に小学校に入学となります。義務教育が終わるのは、14歳5ヶ月〜15歳4ヶ月の時期となります。学校に在籍する児童等が一時的に激増するようなこともありません。しかし、最大の問題は5ヶ月で1学年分を終えてしまうことです。夏休みや土曜日をすべて授業に宛てたとしても全く授業時間が足りません。

B) 数年かけて年度の開始時期を移行する

一気に7ヶ月早めるとA)のように5ヶ月で1年分を終わらせる必要が出てくるので、少しずつ年度の開始時期を早めることとします。たとえば、1ヶ月ずつ7年にわたって早めるのであれば、それぞれの年度の時期は以下のようになります。

1年目 4月〜2月
2年目 3月〜1月
3年目 2月〜12月
4年目 1月〜11月
5年目 12月〜10月
6年目 11月〜9月
7年目 10月〜8月

1ヶ月分詰めるのであれば、夏休みの短縮や土曜授業設定等で実現可能と思われます。また、在籍する児童等が一時的に激増することもありません。しかし、毎年日程を組み直さなければならないので、かなりわかりにくく感じられ、賛同する人は少ないのではないでしょうか。

C) 学年進行で移行する

移行開始時期で小学校等に在籍している児童等については高校卒業まで4月開始のままとし、その次の代から9月入学にします。具体的には次のようになります。

1年目 4月〜8月は小1〜高3が通常通り在籍、9月から新小1が入学。9月以降、小学校は1学年多い。
2年目 3月に高3は卒業、4月に(旧)小1〜高2は進級・進学。9月に(新)小1は進級、新小1が入学。1〜3月と9〜12月、小学校は1学年多い。
3年目 3月に高3は卒業、4月に(旧)小2〜高2は進級・進学。9月に(新)小1・2は進級、新小1が入学。1〜3月と9〜12月、小学校は1学年多い。
4年目 3月に高3は卒業、4月に(旧)小3〜高2は進級・進学。9月に(新)小1〜3は進級、新小1が入学。1〜3月と9〜12月、小学校は1学年多い。
5年目 3月に高3は卒業、4月に(旧)小4〜高2は進級・進学。9月に(新)小1〜4は進級、新小1が入学。1〜3月と9〜12月、小学校は1学年多い。
6年目 3月に高3は卒業、4月に(旧)小5〜高2は進級・進学。9月に(新)小1〜5は進級、新小1が入学。1〜3月と9〜12月、小学校は1学年多い。
7年目 3月に高3は卒業、4月に(旧)小6〜高2は進級・進学。9月に(新)小1〜6は進級・進学、新小1が入学。1〜3月、小学校は1学年多い。9〜12月、中学校は1学年多い。
8年目 3月に高3は卒業、4月に(旧)中1〜高2は進級・進学。9月に(新)小1〜中1は進級・進学、新小1が入学。1〜3月と9〜12月、中学校は1学年多い。
9年目 3月に高3は卒業、4月に(旧)中2〜高2は進級・進学。9月に(新)小1〜中2は進級・進学、新小1が入学。1〜3月と9〜12月、中学校は1学年多い。
10年目 3月に高3は卒業、4月に(旧)中3〜高2は進級・進学。9月に(新)小1〜中3は進級・進学、新小1が入学。1〜3月、中学校は1学年多い。9〜12月、高校は1学年多い。
11年目 3月に高3は卒業、4月に(旧)高1・2は進級。9月に(新)小1〜高1は進級・進学、新小1が入学。1〜3月と9〜12月、高校は1学年多い。
12年目 3月に高3は卒業、4月に(旧)高2は進級。9月に(新)小1〜高2は進級・進学、新小1が入学。1〜3月と9〜12月、高校は1学年多い。
13年目 3月に(旧)高3は卒業、8月に(新)高3は卒業。移行が完了し、9月に(新)小1〜高2は進級・進学、新小1が入学。1〜3月、高校は1学年多い。

移行に膨大な時間がかかる上に、学校に在籍する児童等が1学年分増えることが繰り返し生じます。しかし、この形であればどの代の子どもも、短期間で年度を終わらせる必要がありません。教室や教員の確保に大きな課題はあるものの、子どもに無理をさせないためにはこの案がベストと思われます。


以上、今後平時に9月入学に移行する場合に、具体的にどのような方法がありうるのかを検討しました。9月入学自体に大きなメリットがあるとしても、移行は非常に大変です。9月入学は「今ではない」という議論においては、平時にどのように移行するかという問題もあわせて検討されるべきです。移行の大変さを共有しないで今後9月入学が導入されるような事態になってしまうと、「こんなはずじゃなかった」という不満が多くの方に強く残ってしまうのではないかと危惧しています。

« 9月入学制具体案の修正について | Main | 「ダブルバインド型いじめ」としての「ステメいじめ」や「いじり」(メモ) »

Comments

おっしゃる通り、「先送り」とか「今ではない」というのは政府(文科省)の詭弁です。

9月入学のメリットは多くの人が認めていて、政府も過去に何度か検討している。
しかし、世論も盛り上がらないまま立ち消えになった。
それは、平時にやると、何の問題もないところに大きな波風を立ててしまうからだ。
今回、高校生の切実な願いから生まれた9月入学案にこれほど多くの人が迎合し、盛り上がったのは、
大時化(しけ)のさなかにあり、「今ならできるんじゃないか」、「やるなら今しかない」と思ったからだ。
そんなことは政府(文科省)もわかっているはずだ。
先(平時)での実現の可能性を匂わすような表現をするのは、賛成派(推進派)に対する配慮か?

Post a comment

(Not displayed with comment.)

« 9月入学制具体案の修正について | Main | 「ダブルバインド型いじめ」としての「ステメいじめ」や「いじり」(メモ) »