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いじめ

2015.11.06

いじめ防止対策を次のステップへ

名古屋市の中学生が自殺した件で、アンケート結果から20名の生徒がいじめの様子を見ていたことが明らかにされた。この件で私は昨夜のNHK「ニュースウォッチ9」の取材を受け、話をさせていただいたが、テレビ放送の宿命で発言の一部しか放送されていないので、あらためてこの件についてコメントを書いておきたい。

2013年のいじめ防止対策推進法以降も、いじめによると考えられる自殺事件が続発している。しかし、学校の事前事後の対応の様子は変わってきている。その経緯は、以下の通りである。

2013年 いじめ防止対策推進法施行、国のいじめ防止基本方針策定。学校がいじめ防止基本方針を定め、いじめ防止対策の組織を置くことが義務づけられる。
2014年 校長が調査をせずに「いじめはなかった」と発言する等、いじめ防止対策推進法に反する学校の対応が目立つ(山形県天童市の件など)。
2015年7月 岩手県矢巾町の事件で、いじめ防止基本方針で定められているアンケート調査等の策を学校がとっていないことが問題に。

昨年までは、いじめ防止対策推進法に反する対応が目立っていたにもかかわらず、報道でそのことが大きく問題になることはなかった。しかし、今年夏の岩手県矢巾町の事件では、いじめ防止対策推進法にのっとった対策が適切にとられていないことが大きく取り上げられ、ようやく法にのっとった対策を行うべきことが当然と考えられるようになった。そして、今回の名古屋市の事件では、学校が定期的にアンケートを調査を行うなど、法にもとづいて学校が計画的、組織的ないじめ防止対策を行っていたことが明らかになっている。報道も、学校や教育委員会に批判的にならざるをえなかった。

これまでは、法にのっとっていじめ防止対策を進めるということを確認せざるをえなかった。だが、今回は法にのっとった対策を進めても事件が起きてしまい、これまでとは違うレベルで考えなければならなくなっている。

今回の事件でようやく、いじめ防止対策推進法にのっとったいじめ防止対策のあり方が具体的にどうあるべきかが問われたと言える。今回の事件で今言えることは、20名の生徒がいじめを見ていたのに、大人はいじめに気づけなかったところに課題があるということである。

これまでのいじめについての議論は、いじめが起きたかどうかを確認してから、そのいじめに対応するというものになりがちであった。しかし、それでは対策は後手にまわってしまう。当事者は、いじめをいじめだとはなかなか認めない。暴言、からかい、暴力、差別的な態度等、いじめかどうかは判然としなくてもいじめにつながる可能性がある事態が生じていたら、それを見た人は何かしなくてはならないのである。

しかし、子どもたちは放っておいたら大人に何も言ってくれない。何かあったときに念のために誰かに言えるようにすることを促すような指導が、日常から必要である。

私は千葉県市川市のいじめ防止対策に関わっており、いじめかどうかが判然としない状況に敏感になることを目指した教材を開発、提供している。アンケートだけでなく、こうした取り組みを教育課程に位置づけ、実施していくことが必要である。

論文 いじめ防止プログラム開発の試み−いじめか否かが判然としない架空事例を教材として−

2015.08.27

国のいじめ防止体制が問われている

岩手で中学生が亡くなった事件への対応が問題になって以降、いじめ防止のあり方についていろいろと話題になっています。岩手の事件では、学校のいじめ基本方針に定められた対応がなされていなかったことが問題となっています。いじめはどこでも起きうるものですが、自殺などの重大事態に至るためには、いくつもの不幸な条件が重なるのが一般的であり、「どこかで誰かが何かをしていたら」重大事態は避けられたはず…ということになります。この意味で、学校がいじめ基本方針を定め、必要な策をとることは、重大事態に至る可能性を大きく減ずるものと言えます。一部の策が実施されなければ必ず重大事態が起こるということはありませんが、重大事態に至る可能性を高くしてしまいます。だから、不作為の罪は重いのです。

岩手の事件を受けて、文部科学省はいじめの調査をやり直すよう全国の学校に指示したとのことです。私はこうした文部科学省の動きには大いに疑問があります。夏休みが終わっていじめ防止も含めた指導が大変なこの時期に、学校に対していたずらに負担を増やしてどうするのでしょう。人事異動も卒業もあり、前年度の調査をやり直すにも限界があります。そして、過去の調査をやり直すことは、必ずしも現在の問題の解決にはつながらないので、対応する教員には徒労感が大きいでしょう。

いじめ防止対策推進法は、各学校が計画的、組織的にいじめ防止対策につとめることを求めている法律です。文部科学省が一律に何かをさせるのでなく、各学校が「こうすればいじめを防止できるであろう」と考え、自律的に対策を進めることを求めているはずです。文部科学省がすべきことは、各学校に対して一律に何かをさせることではなく、各地域・各学校のいじめ防止対策の体制を検討し、不十分な点があれば明らかにして改善を促すことでしょう。仮に多くの地域・学校でうまくいっていない部分があるのであれば、いじめ防止対策推進法の改正や国の基本方針の修正を検討すべきです。

そもそも、これまでのいじめ防止対策がうまくいかずに繰り返し同じような問題が生じていたのですから、文部科学省のいじめ防止対策がうまく機能していなかったわけで、いじめ防止対策推進法ができて以降、文部科学省だってやり方を変えなければなりません。このために、国にもいじめ防止のための組織を設置して、各地域・各学校のいじめ防止対策のあり方を検証し、必要があれば国の方針を修正するようにという提案をし、実際に文部科学省にいじめ防止対策協議会が設置されるに至ったはずです。しかし、残念ながらこの協議会は開催頻度が低く、今回のような事態があっても何の発信もしていません。

子どものためになるはずの学校で、多くの子どもがいじめに苦しみ、死に至る事態が続いています。自ら作ったはずの基本方針を遵守しない学校があり、文部科学省も的外れなことばかりしています。文部科学省はいじめ防止対策協議会がきちんと機能するようにし、各学校・各地域のいじめ防止対策の点検と国の基本方針の再検討を進めるべきです。国の担当者たちが本気で子どもたちのために働こうとしているのかが、問われています。

2013.11.20

授業「学校と教育」2013年11月20日資料(いじめに関して)

 「学校と教育」の本日2013年11月20日の資料です。「ijime20131120.pdf」をダウンロード