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いじめ

2020.01.21

ある教育委員会による一方的なスライド削除の通告について

ある教育委員会より、いじめ問題に関する講演の依頼をいただき、資料を事前送付して印刷をお願いしました。その教育委員会とはこれまで継続的にお付き合いがあり、いじめ問題に関してもよい取り組みをしていただけていると感じていました。

しかしながら、資料受領のメールに信じられない記載がありました。「法令を守らない教育委員会」というタイトルのスライドについて、「印刷資料からは除いて配付させていただきたいと存じます」と書かれていたのです。

該当のスライドは以下です。

Kyoi

これらはすべて、新聞等で報道されている案件であり、いじめに関する講演でこうしたことがらに触れることが必要だと私は判断しました。しかし、一方的に、この資料を印刷資料から抜くという連絡があったわけです。

百歩譲って相談をいただくということなら、ありうるかもしれません。しかし、一方的に連絡が来たことが、私には信じられませんでした。

あらためて思うのは、こうした教育委員会の一方的に「臭い物に蓋をする」ようなあり方が、いじめ被害に苦しんでいる人がいても、法令に反してまで、問題がなかったかのようにすることとつながっているのだということです。

当然ですが、このような検閲まがいのことをされて、何もなかったように講演をさせていただくわけにはいきません。講演は、辞退させていただくことにいたしました。

2019.12.12

流山市議会第4回定例会のいじめ問題に関する審議に関するコメント

12月3日から12月6日から行われた流山市議会令和元年第4回定例会一般質問に係る審議の動画が公開されましたので、いじめ問題に関する審議について確認させていただきました。このようにいじめ問題についてしっかりと取り上げてくださった市議をはじめ市議会関係の皆様に、感謝申し上げたいと思います。それにしても、後田教育長の答弁には首をかしげざるをえない点が多くありました。ここに、コメントを記したいと思います。

なお、議員の皆様の質問については、こちらに質問通告事項が掲載されています。

また、いじめ問題に関する審議の動画は、私が確認した限り、以下にあります。

12月3日の審議の動画はこちら

 石原修治議員のいじめ問題に関する質問に係る審議は5時間14分頃から

12月5日の審議の動画はこちら

 小田桐仙議員のいじめ問題に関する質問に係る審議は32分頃から

 植田和子議員のいじめ問題に関する質問に係る審議は4時間06分頃から

 

以下、コメントさせていだきます。

 

(1) 平成28年度事案の重大事態調査の依頼の遅れについて

石原議員の質問に対して、後田教育長は会議の中で話したことをもって調査を依頼したものと認識していたと、これまでの見解を繰り返しています。石原議員から議事録等はあるのかという質問が出されていますが、調査を依頼したことを示す議事録等の存在について後田教育長は回答を避け、当該会議の議事録があると回答しました。あからさまな論点ずらしがなされたわけです。どのように話したことが依頼に該当すると認識しているのか、議事録を示して説明すべきです。

なお、本件についての私の見解については、当ブログの過去の記事(こちら)を参照してください。会長すら決まっていなかった調査会にどのように依頼したと考えておられるのか、また調査会に依頼したと認識されている期間中に市教委指導主事が実質的な調査を行っていた法令違反の対応についてどのようにお考えなのか、大変興味深いです。

 

(2) 藤川のいじめ対策調査会退任の経緯について

藤川がいじめ対策調査会会長及び委員を退任した経緯について、小田桐議員と植田議員の質問に対する後田教育長の回答には重大な疑義があります。以下、指摘します。

後田教育長は、教育委員会として慰留をしたが了解が得られなかったとおっしゃっています。また、私が調査会は退任しても調査委員会としての任務は最終報告書提出まで行わせていただくことを考えていると申し上げたことについては認識がないとおっしゃっています。しかし、実際の経緯は以下の通りです。

・本年4月24日、指導課の担当指導主事より藤川に以下の内容のメールがありました。

「流山市いじめ調査会の皆の任期が令和元年5月31日をもって終了することを受け、現在、次期いじめ調査会について検討しているところではございますが、まずは藤川先生におかれては、ご自身のお気持ちと現在の状況を踏まえ、いじめ調査会を継続していただけるか否かについて、どのように考えておられるかをお聞きしたくメール致しました。」

・同日、藤川から以下の返信をいたしました。

「私としては、現状のままでは継続は難しいと考えています。率直に申し上げますが、市教委の皆に当初からいじめ防止対策推進法に則ったいじめ問題への対応の姿勢が全くといってよいほど見られず、現在調査中の事案に対しても調査会と協力して問題解決を進めようというお気持ちを皆がお持ちのように感じられません。茨城県取手市で市教委のいじめ問題への対応が違法だったとして大変な問題となっていますが、流山市の状況も同と私は考えております。
また、私個人の状況として、(中略)多忙を極めており、地理的にも遠い流山市に頻繁にうかがって対応することが難しい状況にあります。
こうした状況であるため、特に市教委の皆が私に継続を望まれないのであれば、任期満了をもって退任したいと考えています。もちろん、その場合、後任の会長となる方への引き継ぎはしっかりとさせていただきます。」

・このメールについての返信はありませんでした。

・5月27日にいじめ対策調査会の会議がありました。この席で、担当指導主事より次期も継続してほしいという話がありました。私は、4月の時点で継続は難しいとお話ししていたということ、この時期になっておっしゃるのはいかがなものかという話をしました。さらに、調査会を退任したとしても、調査委員会として最終報告書提出までつとめさせていただく気持ちはあるということ、そのために市の側で必要な規程の整備についても検討いただけないかといったことをお話ししました。なお、同席していた指導課長他の方々からは特段何もありませんでした。

・調査会は退任し調査委員会を継続するという可能性については、5月28日に、西村指導課長から私を含む当時の調査会委員全員に対して、以下のメールがありました。

「さて、昨日の会議にて今後のいじめ調査会のことについてお話をさせていただきました。その中で、現委員の皆が任期終了に伴って退かれることを確認させていただきました。ただ、第二次中間報告書を出すまでは継続していただけることと、そのために流山市で任期終了後も継続できるような内規を整備することを確認しました
内規を整備することに関してですが、市の総務課に確認したところ、今から内規を整備し現委員の皆に適用できるように間に合わせることは難しいとのことでした。そこで、ひとまず再任という形で委員の皆にご了解いただけないかとのご助言を受けました。通常の再任ですと2年の任期になってしまいますので、第二次中間報告書を出していただくと同時に職を退かれるという形をとってはということです。今後、教育委員会としても調査会の人選等、後任に引き継げるよう教育委員会でも準備を進めてまいります。」

経緯は以上です。慰留がなされたのは、任期が切れる4日前の5月27日の会議での担当指導主事の発言だけであり、指導課長をはじめとする役職者からは慰留と呼べる行為は全くありませんでした。十分に慰留がなされたとは言い難いことがおわかりいただけると思います。また、調査委員会だけを継続する意思があるということについては、指導課長名のメールを受け取っています。市教委にこのメールの記録がないはずはなく、私たちが決して調査を投げ出して退任したのでないことがおわかりいただけることと思います。教育長に、こうした認識がないという答弁が許されるはずはありません。

後田教育長の市議会での答弁は、悪質な嘘と申し上げてよいと思います。

 

(3) 現在のいじめ防止対策調査会の委員の人選について

調査会の委員の人選に関する植田議員の質問に対して、後田教育長は、委員の人選、運営について、ガイドライン第4の規定に基づき、中立性、公平性、ならびに第三者性の確保のため、職能団体や大学、学会からの推薦によることを図るよう努めていると回答しています。しかし、私の得た情報では、現在の調査会会長は元判事で元弁護士の方であり、調査会委員の中には元流山市教委指導課長が入っているとのことです。仮にこの情報が正しければ、職能団体や大学、学会からの推薦によるのか疑問ですし、委員の中立性については深刻な問題がありえます。現在の委員について、どのような団体に推薦を依頼したのか、市教委や市立小中学校の勤務経験はないのか等について、情報を公開すべきでしょう。このような状態で、被害者側に理解を求めるということには、かなりの無理があります。

 

以上、わかりやすい点についてコメントをさせていただきました。後田教育長の答弁にはこのように明らかな嘘や隠蔽が見られます。そして、相変わらず最終報告書を受けて対応するとおっしゃり、これまでの中間報告書には対応をしないとお考えのようです。教育長のこのような姿勢が、流山市教委のひどい対応を生んでいると考える必要があります。流山市議会や報道機関におかれては、引き続き事実の解明に力を尽くしていただきたく、お願い申し上げます。

2019.12.06

萩生田文科大臣の流山市教委に関するコメントの書き起こし

本日12月6日、閣議後に萩生田文部科学大臣が記者との質疑応答の中で、流山市教委のいじめ問題や教員の不適切指導に対する対応について質問に答えました。このときの書き起こしを入手したので、掲載させていただきます。

Q:千葉県流山市のいじめ問題について、
流山市ではいじめが3年間放置されていた問題や児童への行き過ぎた指導が意図的に学校から報告されていなかったことが議会でも問題になっています。これらについて処分者は一切出ていません。流山市教育委員会に県教委を通して状況確認や指導の予定はありますでしょうか?
また相次ぐこういった問題があるなかで処分者なしという状況についても受け止めを。

A:千葉県の流山市におけるいじめ問題については、10月に流山市の教育委員会の担当者を文科省に呼び事実関係の確認を行うとともに、重大事態の認定の遅れたことへの指摘のうえ、いじめ防止対策推進法にのっとり適切な対応をするよう指導したところです。
また教職員による不適切な指導については事実関係の把握に努めるとともに、引き続き千葉県教育委員会から適時報告を受けつつ、必要に応じて指導助言を行ってまいりました。
流山市におけるいじめ問題や教職員の不適切な指導については、文部科学省としては極めて遺憾だと思っております。懲戒処分等については、各自治体の権限に、責任と権限において行うべきものであり、これは国としてコメントは差し控えたいと思いますけれども、しかし、今後も適切な対応がとられるかどうかは、注視し必要に応じて指導や助言を行いたいと思います。

報道では教員の不適切な指導についてのみ報じられていますが、いじめ問題についてもこのように出されていました。文部科学省には引き続き、流山市教委に対して指導助言を行なっていただきたいと思います。

流山市議会におけるいじめ問題に関する審議の書き起こし

12月5日、流山市議会でいじめ問題についての審議が行われました。報道機関の方から書き起こしをいただきました。公開してかまわないということなので、以下に掲載させていただきます。

注目していただきたいところには、下線をつけます。下線部については、下でコメントさせていただいていますので、下までぜひお読みください。

①平成20年3月末にいじめ重大事態を位置付けて以降、いじめの対応をめぐり本市の取り組みの不適格さを指摘する
流山市いじめ対策調査会前会長による記者会見が10月21日に文部科学省記者クラブにて実施された
本市におけるいじめ重大事態の取り扱いについて以下を問う

ア)10月21日の大学教授による記者会見と比較し、中間報告書はどのような内容だったのか
また学校の出欠扱いなど、市教委の見解とは異なる報道も報道されているが、どう捉えていますか。
→元年5月31日に提出された中間報告の内容は記者会見と比較し、指摘された内容も含まれる、学校の出欠の取り扱いなど教委と把握している内容も報道されています。
このことについては誠に残念です。

イ)本案について、平成29年3月末のいじめ重大事態の位置づけが正しかったのか。また、平成29年第一定例会の私の一般質問に対し
「現在臨時招集をしてのいじめの対策調査会を立ち上げるほどの事案は発生しておりません」と答弁したが、本案の経過から正確性を欠いた答弁だったのではないか?
→平成29年2月当時、本案件については学校と教委は連携を取り保護者らと面談をしていた、その時は引き続き丁寧に寄り添う事が重要だと判断、調査会を立ち上げる必要はないと判断しました。その後3月になり学校からの情報で3月末に上げた情報で重大案件と認定しました。当時の答弁が正確性を欠いたとは思っておりません。

ウ)本案に対するいじめ対策調査会の中間報告書はどのような位置づけなのか、また本案の中間報告書は2度に渡って市教委に提出され
市長にも提出されていることを令和元年第二回定例会でわざわざ確認したにも関わらず、対策などがなぜ総合教育会議や教育委員会議などで議論が深められなかったのか?
中間報告書の取り扱いについては、現在、現調査会において最終報告書の作成に向けて中間報告書を参考にしている段階にあり、現調査会が判断するものと考える。(①)
市長などと情報を共有し教育委員会議では随時報告させ情報共有を心がけています。

市長に)
Q,重大事態の被害者は「いじめ」の被害者と認識していますか?被害者の意識、受け止め方など家族の問題か?
調査会で調査中だったので事実関係の確認をしていた、状況を踏まえて教育会議では「いじめ事案」として認識していた。
→いじめの重大事案として認識していました。


教育長に)
Q10月25日に文科大臣について指摘があったが対応について不適切なものだったと考えるか?
私たちも発言を受けて法に沿って対応すべきだったと考えています
私たちが30日を超えたことについて対応すべきだった、当時は学校での対応の結果、重大事案と考えてなかった。
欠席が30日を超えてなくても重大事案として対応すべきでした。(②)

教育部長に)
Q,6月14日の段階で新調査会は立ち上がっていたのか?
立ち上がっていませんでした。

市長に)
Q11月22日に千葉日報に市長のコメントが載った「最終報告書を観て判断したい、市教委には迅速にと」発言があったがこれは市長の発言か?
わたしの発言です。(③)

教育部長)
Q,被害者児童や保護者に調査の時期、期間、事項、方法などを示したと発言があったが、これは現調査会が行ったものか?
→説明は現在進めていると認識している。要望の有無についてはこの場での答弁は控える。

Q,新調査会について、しっかり調査が出来る体制となっているのか?
→被害者への説明については法令に基づき義務つけられている、員については説明はするが出来るだけご理解いただけるようにしたい。
平行線になったとしても努力義務と認識して努力はしていきたい。(④)

教育部長へ)
Q,最終報告書について、委員の交代や被害者との関係などから出にくい環境だと考えているが?
→出来る限り、義務としては理解は位置付けられいないが分かっていただけるように努力したい。
第三者が作っているので時期についてはコメントできないが、速やかに出して頂けるように申し上げています。

教育長へ)
Q、11月2日に前調査会の会長になぜ最終報告書を作る前にやめたのか?と問うたところ、「やむにやまれる思いで記者会見をした」と話したについて
→わたしからはコメントできません、心情まで把握できてませんので。前会長が最終報告までまとめると言っていたことについては初めて聞いた話、慰留はしたが了承を得られなかった。(⑤)

Q,議会へ資料請求をした際、調査委員の氏名や役職など第二次中間報告書では黒塗りになっている、公費を払っても黒塗り、これは教委に得するような黒塗りではないか?
私どもも書類の専門家ではないので法務部で慎重に考えた結果の黒塗りです。(⑥)

教育部長へ)
Q,法令に基づけば保護者に説明し納得してから初めて調査が始まると考えているが、そういうことではないのか?
→委員については委嘱は了解を得てからではなく、説明をして疑義があれば理解してもらう努力をしながら進めていけると考えています。
委嘱状を渡して新たな委員を選出しているわけですが、特に文書をもって引き継ぎをする法律はない、現状としては内容を書いた文書での委嘱は行っていません。

市長へ)
Q、調査会前会長に市長みずから意見を聞く事は考えていないのか?すべきではないのか?
私自身も理解しないと、お会いして適切なやりとりをするために事実を把握しなければいけないし、直接面会する権限というものが無いのです。
まず事実確認をして、お会いする事を考えます。(⑦)

Q、前いじめ対策調査会がまとめた報告書をしっかり引き継ぐことが大事だと考えているがどう考えているか?
→新調査会と協議をして判断していきたい。

Q,第二次中間報告書について、教育福祉委員会で議論して答弁できるように勉強していただきたい。事実として重大事態にも関わらず当初教委、学校がそうしないように扱ったかもしれないので次回答弁出来る様にしっかりおさらいしていただきたい。

以下、下線部についてコメントです。

① 中間報告書の扱いについて、新しい調査会の判断に委ねるとされています。私たちは市教委から依頼されて調査をし、その成果を中間報告書に記して教育長に提出したのですが、正式に提出されたものについて当面何もしないと宣言されています。不当です。

② 教育長は、重大事態認定しなかったことが誤りだと公式に認めていることになります。となると、なぜこのようなことが起こったのかを確認し、誰に責任があるかを明確にし、このことによって生じた被害についてどのように償うのかについて、明確に説明をされるべきではないでしょうか。

③ 市長も、最終報告書が出るまで対応しない立場をとるということを明言されたことになります。遺憾です。

④ 現在の調査会の人選について、被害者側から重大な疑義が出されていると認識しています。努力するというようなレベルの問題ではないはずです。いずれ何が問題かが明らかになるでしょう。

⑤ 私は本年5月27日開催の流山市いじめ対策調査会の席上で、調査中の案件の調査が終了するまでは調査委員会の長として責任をもってまとめたいとお話ししました。正式な会議で申し上げたことが教育長に伝わっていないということなのでしょうか。そして、慰留をしてくださったとのことですが、私は4月時点でこのまま調査会委員を続けることはできないと連絡してあったにもかかわらず、教委側から慰留に該当する発言があったのは5月27日の会議の場において、担当指導主事から一言あっただけです。5月27日というのは、任期が切れるわずか4日前です。しかも、その場におられた指導課長他、指導主事よりも上の立場の方々からは特に慰留の言葉はなく、まして教育長からは何のメッセージもいただいていません。流山市教委にとって「慰留」とは、このように軽いものなのだということですね。

⑥ 墨塗りについては、いろいろと疑義が出ています。教委だけでなく法務部にも問題ありということなのでしょうか。

⑦ 市長には記者会見前にSNSを通じて連絡をさせていただきましたが、何の返信もいただけませんでした。市長からは、その後も全く連絡をいただいておりません。私としても、ぜひお会いしてお話しさせていただき、最終報告書を待たずに必要な対応をとっていただくようお願いしたいと思っています。

2019.12.02

公開された第二次中間報告書と、井崎流山市長の先延ばし宣言

流山市教委がいじめ重大事態について法令違反かつ不適切な対応を行った問題について、少し動きがありました。

流山市議会が市教委に対して、重大事態(平成29年に重大事態認定された事案)の第二次中間報告書の開示を請求したようで、このほど第二次中間報告書が開示され、共産党市議団のサイトで公開されています。もちろん個人情報に関する部分は非公開なので墨塗りの箇所が多く、墨塗りのあり方についても疑問は残りますが、市教委の対応の問題に関する記述はかなり公開されていますので、ご関心をお持ちの方はお読みいただけるとよいと思います。

第二次中間報告書が公開されているページは、こちらです。ファイルは二つに分かれており、その1はこちら、その2はこちらです。

特にお読みいただきたいのは、p.66からp.73にかけての「11. 学校及び市教委の対応に対する評価」のところです。特に、9.71からp.73にかけての「11.3. 重大事態としての対応に関する問題」については、市教委の対応がどのような意味で法令違反であり不適切なのかであることが端的に記されていますので、ご確認いただければ幸いです。

この部分の中に、「条例に従って第三者によって構成される調査委が調査にあたっていたと考えるのは当然のことである」という記述があります(p.72)。この箇所で主語にあたる部分が墨塗りになっていますが、「考える」の主語は被害者側であることは文脈からご理解いただけると思います。市教委は、第三者で構成される流山市いじめ対策調査会(以下、「調査会」)が調査を行っているという印象を、被害者側に与えたということが書かれているわけです。そして、第二次中間報告書ではこの点について「市教委からはこれに対応する説明はなされておらず、市教委は条例の規定に合わない事態が続いていることを認識していながら、あたかも認識していないかのように振る舞っていたものと解される」と指摘しています(p.72)。そして、「本件において、法令に従って義務を遂行するはずの市教委が法令に従った対応ができなかったことは、結果的に本件の深刻化、長期化につながる大きな要因となったと言える」とも指摘しています(p.72)。

この第二次中間報告書は、市教委指導課が確認の上で教育長に提出されたものです。すなわち、上記の第二次中間報告書の記述は、指導課も確認の上で確定したものです。少なくとも、本件が平成29年3月に重大事態認定されて以降の対応においては、指導課長をはじめとする担当者らは条例に従った対応ができていないことを認識していながら、あたかも条例に従って調査会が調査に着手しているかのように被害者側に説明していたわけです。

朝日新聞11月22日付千葉県版に、「流山市立小中学校のいじめ問題 「保護者説明 丁寧に」 県教委、市教委に指摘」という記事が載っています(この記事はネットには掲載されていないようです)。この記事では、県教委が今年6月に流山市教委に対して「調査についてしっかり保護者に説明をして欲しい」と指摘し、「年単位で報告が遅れたことを重く受け止め、公平公正な調査を速やかにまとめてほしい」と「懸念を伝えた」とされています。このことについて、流山市教委の西村指導課長は「調査委の立ち上げ方がよくわからなかった。反省点だ」と話したとのことですが、「よくわからなかった」という認識の問題でないことは第二次中間報告書からもご理解いただけると思います。平成29年3月から8月までの期間中、市教委の担当者らにはすでに法令違反の状況だという認識がありながら、被害者側を誤認させる説明を行っていました。問題は、「よくわからなかった」という認識でなく、誤認させる説明を行ったという行為にあります。県教委も、早く報告書をまとめることばかり求めず、市教委の対応にどのような問題があったのかを把握し、適切に再発防止や処分がなされるよう指導すべきです。

さて、第二次中間報告書では、最終報告書を待たずに市教委が必要な対応を行うことを求めています。平成29年12月に第一次の中間報告書が提出された後のことについて「その後、約1年半が経過しているにもかかわらず、市教委やB中学校は本件に関して、何がどのようにまずかったのか、具体的な見解を公表しておらず、また、再発防止策を公表することもしていない。調査委員会としては、こうした市教委、B中学校のあり方に強い疑問を抱くものである」と記しています(p.76)。「再発防止策の策定や実施が先送りされている中で、新たな被害が生じている恐れがある」とも記しています(p.76)。

ところが、市教委のみならず井崎流山市長までも、最終報告書を待って対応するという姿勢をずっと示しています。千葉日報の11月22日付の「トラブル対応の仕組み検討必要 いじめ問題で流山市長」という記事(有料会員限定記事はこちら)では、「最終報告書をみて判断したい」「報告書に改善策が盛り込まれれば、再発防止に取り組むように指示している」という市長談話を伝えています。第二次中間報告書では対応はせず、最終報告書を待つという先送りの姿勢がはっきりと出てしまっています。

第二次中間報告書の提出から、すでに6ヶ月が経過しました。市教委からは現在の調査会に対して引き継ぎをしてほしいという連絡を受けていますが、現状では引き継ぎの日程すら決まっていません。市長にも市教委にも、第二次中間報告書をふまえて対応を行う姿勢は見られず、ただひたすら時間だけが経過していきます。まるで、嵐が過ぎるのをじっと待っているかのようです。第二次中間報告書をふまえた対応を待つ理由など、全くないはずなのですが。

2019.11.13

明らかになった、流山市教育委員会 後田博美教育長の責任

流山市教委の法令違反かつ不適切ないじめ問題への対応について、流山市教委の後田博美教育長にお尋ねしたいことを、10月26日付の本ブログで書かせていただきました。流山市議会では、各会派の代表が本件についてご対応くださり、私がお尋ねしたいことを市議会事務局から市教委に対して質問してくださり、このほど回答が提出されたようです。後田教育長から市議会事務局への回答書が、公表されています(ここで見られます)。

驚くことに、後田教育長からの回答には、「記憶しています」という表現がいくつも見られます。いじめ重大事態への対応という法でも定められた重要な案件について、何も資料を確認せず記憶だけで回答しているのです。このこと一つとっても、後田教育長をはじめとする流山市教委が、いじめ重大事態への対応をいかに軽視しているかがわかります。

この内容を読んでも、責任や処分に関しては最終報告書を待つという態度しか読み取れず、相変わらず中間報告書の指摘を受けて対応するという姿勢が見られません。そして、市教委の法令違反かつ不適切な対応がいじめ被害者を苦しめたことについて、謝意も示されていません。そもそも、現在の調査会の調査のあり方について、被害者側とは合意が得られていないようですので、最終報告書はいつ出されるかわかりませんし、出されたとしても被害者の同意が得られず、市長部局での再調査が必要になる可能性があります。こんなことをしているうちに、関係者は転出したり定年退職したりして、責任を問うことができなくなると思われます。

しかしながら、今回の回答は、市教委の対応がいじめ被害者を苦しめたことについて、後田教育長に責任があることを明確に示しています。以下、具体的に述べます。

第一に、平成29年重大事態認定案件について、重大事態の調査委託が4ヶ月以上にわたってなされていなかったことの責任が、後田教育長にあることが明確です。本件では、平成29年3月に市教委が重大事態認定し、市教委の説明では4月28日に開催された流山市いじめ対策調査会(以下、「調査会」とします。)において市教委から調査会に調査を委託したつもりであったとされています。しかし、10月24日付の本ブログで書かせていただいたように、4月の時点では調査会会長すら決まっていない状態で、調査の委託がなされる状況にはなく、実際に依頼されたのは8月2日に開催された調査会の時点においてでした。今回の回答でも4月28日の調査会の時点で調査を依頼したという教育長の認識が示されていますが(A6)、この時点で後田教育長は調査会の会長が誰なのかすら確認をしていなかったことになります。そして、教育長の回答では重大事態調査の依頼ができていなかったことを知ったのは7月21日付の被害者代理人からの文書によってであったとされていますが(A6)、他方で県教委からの指導の連絡は6月に聞いていたとも述べられており(A3)、県教委からの指導を受けても調査の状況について確認がなされていないと読み取れます。こうなると、後田教育長が当初から調査の進め方や方針について指導課から報告を受けていたという回答(A5)も怪しく、後田教育長は一貫して本件重大事態への対応について、誰が会長なのかも知らず、県教委から指導があっても状況の確認を怠り、7月下旬まで調査が依頼されていない状態を放置した責任があるということになります。

第二に、平成26年度発生事案について、重大事態の要件を満たしているにもかかわらず当時重大事態認定されなかった問題についてですが、このような法令違反の対応がなされた責任が後田教育長にあることも明確です。後田教育長は本件が重大事態の要件を満たしていることを知っていながら、被害者代理人との話し合いを受けて重大事態認定しなかったという認識を示しています(A10)。重大事態の要件を満たしている案件について、たとえ被害者側から申し立てがあっても認定しなくてよいなどという規定は法になく、法令違反の対応がなされたことが明確です。

これらの法令違反の対応は、被害者をひどく傷つけています。第一の点については、被害者は明確に、最もつらかったのは市教委が調査をしているかのように言いながら4ヶ月以上にわたって調査がなされていなかったことであったと述べています。被害が深刻化した責任は、市教委にあり、このことについて認識できたはずの後田教育長が管理者として重い責任を担っていたことが明らかです。第二の点については、被害者の苦しみがその後も癒えず、結局は3年半以上経過した後に市教委が重大事態認定をするに至っています。この点についても、平成26年度当時に市教委が法令違反の判断をしたことが問題なのであり、そのことを認識していた後田教育長には管理者としての責任があります。

最終報告書を待つのは、責任問題の先延ばしに過ぎません。これまでの中間報告書に十分に問題は示されているはずですので、今すぐにでも関係者の責任を明らかにして被害者や市民に謝罪した上で、再発防止策の策定・実施と被害者の支援を進めるべきです。今回の回答でも、再発防止について後田教育長は実質的に何の回答もしていません(A15)。具体的な再発防止策を考える気がないのでしたら、責任をとって辞職され(当然、処分逃れではまずいので給与の返納や退職金の辞退等が前提でしょう)、後継者に再発防止策の策定や実施を委ねられるのも一つの方法かと思います。

私は、調査会に関わっている期間中、教育長が全く調査会に関心をお持ちになっていないように思われることについて、強い疑問を抱いていました。いじめ問題への対応を重視されているのであれば、調査会の会議において委員に挨拶をされることがあるはずでしょうし、大変な重大事態の調査を委託されるのであれば、教育長としての真摯な姿勢をお見せになって調査について委員に直接挨拶をされるべきだと考えます。しかし、教育長は一切そうした関わりをもたれず、調査会の会長が決まっていないことさえ認識されていませんでした。私は多くの教育委員会に関わらせていただいてきましたが、ここまで重要な案件に無関心に見える教育長を知りません。教育者として長年学校現場に関わっていらした後田教育長がいったいどんな思いで教育長業務をされているのか、いじめ問題についてどのようにお考えなのか、ずっと理解できずにおりました。

別の点についてです。流山市における市教委からの不適切な対応について、教育長は認識しており、対応を指示しているとされています(A13)が、個々の案件についてほぼ明らかにされていないと思われます。体罰案件への流山市教委のひどい対応に対して街頭で署名活動をされている方もいらっしゃいますので(参考)、こうした案件への具体的な対応を含め、市教委の対応にどのような課題があり、どのように改善が必要なのかを明確にしていただく必要があります。

流山市議会各派のここまでのご尽力に深く感謝させていただきます。そして、市教委のあり方の抜本的に改善に向けて、引き続き必要な対応をお願いしたいと思います。

今後に向けて市教委に尋ねたいことはすでに11月1日付の本ブログで示させていただいているところですが、今回の後田教育長の回答を受け、11月1日に挙げたものを含め、あらためて後田教育長にお尋ねしたいことをまとめると次のようになります。

1) 11月11日付けの回答書で多くの回答が記憶のみに基づくものとなっています。いじめ重大事態への対応について、後田教育長のお手元には一切の資料もご自身のメモも存在しないということでしょうか。存在する資料やメモがあるのであれば、そうした資料やメモを開示された上で、資料やメモに基づいて回答されるべきではないでしょうか。

2) 平成29年重大事態認定案件について、教育長は平成29年4月28日の時点で調査会に重大事態の調査が委託されたと認識しておられ(A6)、指導課から調査の進め方や方針について説明を受けておられたとのことですが(A5)、いったいどのような説明を受けられていたのでしょうか。調査会の会長が決まっていない状況で、調査会による調査の進め方や方針について具体的な内容があったとは考えにくいのですが、具体的な説明があったのでしょうか。

3) 平成29年重大事態認定案件について、調査会に調査が委託されていないことを教育長がお知りになったのは7月21日付被害者代理人文書を受けてと説明されていますが(A6)、6月の段階で県教委から指導を受けていたこともご存知だったと回答されています(A3)。6月の段階で、重大事態の調査がどのようになっていると認識されていたのでしょうか。6月の段階で重大事態調査が調査会に委託されていないことを認識されるに至らなかった事情はどのようなものであったのでしょうか。

4) 平成29年重大事態認定案件について、調査会への調査の委託が遅れ、そのことが被害者をひどく苦しめてきたことについて、教育長ご自身の責任をどのように考えておられるのでしょうか。最終報告書を待ってからあらためてご判断いただくのかもしれませんが、第二次中間報告書までの指摘を受けた段階での所感をお示しください。

5) 平成26年度発生案件について、いじめ防止対策推進法は重大事態認定について要件を満たしている事案について、たとえ被害者側からの申し立てがあっても重大事態と認定しなくてよいという規定がないことについて、ご存知でしょうか。ご存知だとすれば、被害者側代理人との話し合いの結果だとしても、当時、重大事態認定を行わなかったことは法令違反にあたるということになるということについて、ご理解いただけるでしょうか。

6) 平成26年発生案件について、当時重大事態認定をしなかったために被害者を苦しめ続けることとなったことについて、教育長ご自身の責任をどのように考えておられるのでしょうか。最終報告書を待ってからあらためてご判断いただくのかもしれませんが、第二次中間報告書までの指摘を受けた段階での所感をお示しください。

7) 新たな調査会の委員はどのような方々なのですか。専門性や中立性に問題はないのですか。(私が聞いた話では、市教委の元指導課長が委員に入っているそうです。市教委の対応が批判されている中、市教委のいじめ担当責任者を経験された方が委員に入っているとしたら、大問題です。)

8) 新たな調査会の委員については、被害者側の合意を得られているのですか。

9) 新たな調査会は旧調査会から引き継ぎをしていませんが、引き継ぎはしないのですか。(藤川が9月に市教委に記者会見の内容を連絡した際に確認したところでは、「引き継ぎは行う」ということでした。これに対して藤川から、新たな調査会の委員について被害者側から同意が得られていないと引き継ぎが無駄になる可能性があるのだが、同意は得られているのかと尋ねたのですが、これについては返信をいただいていません。もちろん、引き継ぎも行われていません。)

10) 「最終報告に対し」ては真摯に対応されるとのことですが、これまで2回出された中間報告書については真摯に対応しないということですか。そもそもこれまでの中間報告書について市教委としての反省も出されず、被害者支援等の対応もあまりなされていないようですが、これまでの中間報告書に真摯に対応しない理由は何ですか。

11) 中間報告書に対応せず最終報告には対応するという姿勢は、中間報告書が市教委にとって都合が悪いものであり、最終報告は市教委にとって都合のよいものにしようとしているということではないのですか。

12) 他にも市教委の不適切な対応が問題になっている事案があり、体罰案件に関して街頭で署名活動を訴えていらっしゃる方がいらっしゃいますが、たとえばこの体罰案件について市教委の対応にどのような問題があったか、どのような改善が必要か等について、教育長はどのような認識をお持ちですか。

2019.11.01

流山市教委のコメントに見る「悪くても謝らない」「責任転嫁する」という態度

流山市教委が法令違反かつ不適切ないじめ問題対応を行った問題で、昨日10月31日、流山市教委のサイトにコメントが掲載されました。

 

Nagareyama20191031

 

このコメントの中には「前流山市いじめ対策調査会会長の藤川大祐氏によって、文部科学省記者クラブにて行われた、流山市教育委員会のいじめ重大事態の対応についての記者会見に関する報道等により、市民の方々をはじめ多くの皆様に大変な御迷惑と御心配をおかけしていること、心よりお詫び申し上げます。」と書かれています。一応お詫びの言葉になっているのですが、何をお詫びしているかというと、私の記者会見に関する報道等で「御迷惑と御心配」をかけていることをお詫びしている形になっています。

これは大変不思議なお詫びです。なぜなら、私は記者会見で、流山市教委の対応が法令違反かつ不適切な対応があったことを指摘したのに、そうした対応があったのか否かについての言及が全くなされていないからです。法令違反や不適切な対応があったのであれば、まずそのことについて謝罪がなされるべきです。教育行政を司る教委として、法令違反や不適切な対応は許されないことであるはずだからです。そして、仮にそうした対応がなかったと主張するのであれば、どうどうと記者会見の内容に反論すべきです。堂々と反論しないから、市民は心配するのです。

法令違反や不適切な対応について見解を示さずに、藤川の名前を出して謝罪するというのでは、まるで藤川に問題の責任を押しつけているようです。藤川の個人名を出しながら見解を出さず責任転嫁するような姿勢に、市教委の「悪くても謝らない」「責任転嫁する」という不道徳な態度が象徴されています。こうした市教委がいじめや体罰の被害に苦しんでいる児童生徒や保護者にどのように対応するのか、流山市民の皆様はぜひ想像していただきたいと思います。想像していただくと、ますます心配になるのではないでしょうか。

そして、市教委のコメントには「現在は、新たないじめ対策調査会において調査を進めております。/今後、現調査会によって作成される最終報告に対し、教育委員会として真摯に対応してまいります。」と書かれています。私が市民、市議会議員、教育委員等の立場であれば、次のことを尋ねたくなります(尋ねられる立場にある方はぜひ尋ねてください)。

1) 新たな調査会の委員はどのような方々なのですか。専門性や中立性に問題はないのですか。(私が聞いた話では、市教委の元指導課長が委員に入っているそうです。市教委の対応が批判されている中、市教委のいじめ担当責任者を経験された方が委員に入っているとしたら、大問題です。)

2) 新たな調査会の委員については、被害者側の合意を得られているのですか。

3) 新たな調査会は旧調査会から引き継ぎをしていませんが、引き継ぎはしないのですか。(藤川が9月に市教委に記者会見の内容を連絡した際に確認したところでは、「引き継ぎは行う」ということでした。これに対して藤川から、新たな調査会の委員について被害者側から同意が得られていないと引き継ぎが無駄になる可能性があるのだが、同意は得られているのかと尋ねたのですが、これについては返信をいただいていません。もちろん、引き継ぎも行われていません。)

4) 「最終報告に対し」ては真摯に対応されるとのことですが、これまで2回出された中間報告書については真摯に対応しないということですか。そもそもこれまでの中間報告書について市教委としての反省も出されず、被害者支援等の対応もあまりなされていないようですが、これまでの中間報告書に真摯に対応しない理由は何ですか。

5) 中間報告書に対応せず最終報告には対応するという姿勢は、中間報告書が市教委にとって都合が悪いものであり、最終報告は市教委にとって都合のよいものにしようとしているということではないのですか。

これまで2回にわたる中間報告書の作成については、市教委にも確認してもらっており、事実誤認等はないという回答を得て提出しています。にもかかわらず、市教委は中間報告書の内容には真摯に対応せず、最終報告を待つという態度をとりつづけています。こうした市教委の姿勢が、被害者を絶望させ、被害者の苦痛を増大させています。

被害者がもっともつらかったこととして挙げたのは、市教委にウソをつかれていたことでした。真摯に対応すべきだった時期は、もっとずっと以前だったはずです。

2019.10.27

流山市だけではない、教委等の法令違反のいじめ対応(報じられた主なもの一覧)

流山市教委の法令違反かつ不適切ないじめ対応についてですが、当ブログの記事にいただいたコメントによれば、昨日流山市内で行われたタウンミーティングには井崎市長や後田教育長が出席され、いじめ対応についても話題になったようです。流山市のサイトを見ると、市内2ヶ所で、子育てや教育をテーマにしたタウンミーティングが実施されたようですね。報道機関の取材にはなかなか応じてくださっていない市長や教育長が、お逃げになることなくこうした場に出ていただき、市民の方々と対話をされたことは大変ありがたいです。

まだ昨日のタウンミーティングの記録はアップされていませんが、当ブログにいただいたコメントによれば、市長も教育長も法令違反や不適切な対応を反省したり謝罪したり様子は示されていないようです。せっかく市民の方々に見解を出していただける機会に、このように責任逃れの印象を与えてしまうのは残念なことです。

特に問題なのは、後田教育長がおっしゃったとされる「最終報告を待つ。しっかり見極めて対応する」という言葉です。最初に事案が発生してからすでに5年が経過しており、平成29年12月と今年5月に2回にわたって中間報告書が提出されています。これらの中間報告書では、最終報告書を待つことなく必要な対応をとるよう求めて来ました。29年12月に教育長に中間報告書を手交させていただいた際にも、教育長は最終報告書を待たずに対応していただけることに合意していただけたと考えておりました。

仮に昨日の後田教育長の発言が事実だとすると、法令違反や不適切な対応について最終報告書が出るまで何もしないという姿勢は、単なる指導課の担当者の態度ではなく、トップの教育長が定めた市教委としての公式の方針ということになります。このことのもつ意味は大変重いです。というのは、中間報告書を提出したのは、市教委が任命した委員によって構成される流山市いじめ対策調査会であり、その調査会から求めた「最終報告書を待たない対応」について、任命権者である教育長が明確に否定したことになるからです。市教委自身が定めた流山市いじめ防止基本方針では「いじめを受けた児童等の救済を最優先に考え、いじめを行う児童等の行為を止め、関係機関と連携して指導します」とありますが、最終報告書まで対応しないという態度が「児童等の救済を最優先に考え」る態度と言えるはずがありません。そもそも、最終報告書が出るまで再発防止策を検討してはいけないとか被害者を支援してはいけないなどという規定はどこにもないのですから、躊躇なくできることをすればよいはずです。

後田教育長をはじめとする市教委の「最終報告を待つ」という態度は、被害者への二次被害を生じさせています。被害者は今も被害とその後遺症に苦しんでいます。中間報告書が出れば、市教委は必要な対応をとってくれると期待していたはずです。何かしようとしてもそう簡単には進まないでしょうが、後田教育長はじめ市教委は「最終報告を待つ」として、当面何もしないことを宣言してしまっていることになります。このことは、中間報告書の提出後の動きにわずかな希望を抱いていたはずの被害者をさらに深い絶望へと突き落とすことになります。そもそも、被害者が最もつらかったことは、平成29年夏の段階で、重大事態認定後の調査が4ヶ月以上も、調査会への委託すらなく進んでいなかったことだと聞いています。すでに、この問題の最大の加害者は市教委となっているのであり、後田教育長の「最終報告を待つ」という態度は、市教委による被害者への「いじめ」を重ねる態度なのです。

この問題を発表させていただいてから明日で1週間となります。いじめ問題に関わっておられる国会議員や県議の方々からは発表直後にご連絡をいただき、その後も動いてくださっています。国や県でもこの問題を受けた動きが出てくるはずです。流山市の市議の方々も、遠慮なく連絡をくださればと思います。昨日の記事で後田教育長にお尋ねしたいことをまとめてありますが、市教委の対応のどこがどのように問題があり、どのような質問をすれば問題が明らかになるか、何を求めるべきか等、意見交換させていただければありがたいです。

流山では、法令違反や不適切な対応があり、指摘されてもなお態度を改めない教育長はじめ市教委の方々の態度が被害者に二次被害を与え続けているわけですが、「流山だけの問題ではない」とお感じの方も多いと思います。実際、報道されている例は多いので、以下に競りしておきたいと思います。

○取手市教委(茨城県) 平成27年11月に中学生が亡くなった事案で、保護者が独自調査の結果を提出しいじめ被害があったことを訴えたにもかかわらず、市教委は教育委員会議で重大事態でないと違法な議決を行いました。本件については、文部科学省の指導等があって市教委は議決を覆して重大事態と認定し、県に調査を委託しました。今年3月に県が設置した調査委員会が調査報告書を提出し、これを受けて取手市いじめ問題専門委員会が再発防止策案を策定、現在、再発防止策案についてのパブリックコメントを募集しています。私は本件を受けて取手市が条例で設置した取手市いじめ問題専門委員会の委員長をつとめさせていただいています。なお、市教委や学校の関係者には、市や県から停職や減給といった懲戒処分がなされています。

川口市教委(埼玉県) 中学生がいじめ被害を訴え自殺未遂をしていたにもかかわらず学校や市教委はなかなか重大事態と認めず、ようやく重大事態として調査委員会を設置したものの、被害者側にはこうしたことを伝えず、聴き取りも行いませんでした。いじめ防止対策推進法第28条第2項では重大事態調査にあたっては被害者や保護者に情報を適切に提供すべきことを定めており、法令違反だと言えます。週刊文春の記事によれば、高校1年となった被害者が「教育委員会は、大ウソつき」という遺書を残して今年9月に自殺しました。

○吹田市教委(大阪府) 平成27年から29年にかけて小学生が暴言や暴行のいじめ被害を受け骨折や心因性の視力障害などを負った事案について、市教委や学校は1年半にわたって放置。日経新聞の記事によれば、被害者の両親は市教委の対応について「何度も足を運んだのに取り合ってもらえず、つらく悔しい思いをした。何のための組織なのかと思った」と強く批判しています。しかも、朝日新聞の記事によれば、市教委は第三者機関による調査を拒否していました。

○神戸市教委(兵庫県) 教員カレー「いじめ」事件が話題となっている神戸市教委ですが、児童生徒のいじめ被害への対応についても問題ある対応が報じられています。第一に、平成28年10月に中学生が亡くなった事案で、いじめ内容を記した調査メモが隠蔽され、関係者が懲戒処分されています(産経新聞の記事)。第二に、いじめを苦にして尼崎市の中学校に平成30年に転校した生徒の被害について重大事態としての調査を行わず、その生徒が今年8月に亡くなっています(神戸新聞の記事)。

○仙台市教委(宮城県) いじめ自殺案件が複数回報じられている仙台市では、平成30年11月に小学校2年生へのいじめを苦にして、母親が被害児童と無理心中したことが報じられています。この案件では、死亡後に学校が被害児童の欠席日数を計30日から28日に訂正したことが判明しており、重大事態にしないために欠席日数の操作が行われたのではないかと指摘されています(河北新報の記事)。いずれにしても、いったんは30日とカウントされていたのですから重大事態としての対応がなされるべきでしたし、30日はあくまでも目安ですから28日であっても重大事態としての対応が検討される必要があったと考えられます。

他にもあるかもしれないのですが、私が現時点で把握している最近の事例は以上です。他の事例をご存知の方はぜひお知らせください。

なお、昨年3月、総務省が「いじめ防止対策の推進に関する調査〈結果に基づく勧告〉」を公表しています。この中には重大事態の調査にさまざまな問題があることが示されています。たとえば、重大事態調査結果の被害者や保護者への情報提供を行っていない事例は回答のあった37教委のうち6教委に見られます。保護者への情報提供を行っていない理由は下記の通りであり、認識不足を挙げている県教委が1、市教委が1あることがわかります。この市教委では該当する重大事態が11件もあり、そこで被害者側に情報提供が行われていないのはどういうことなのか、(そしてこの市教委がどこなのか)気になります。

Hogosha

2019.10.26

流山市教育委員会 後田博美教育長にお尋ねしたいこと

流山市教委の法令違反かつ不適切ないじめ問題対応について、昨日、萩生田文科相が「教育委員会の対応に問題があると思う。だからこそ前会長も辞めてしまって、記者会見を開く事態になったんだと思う」とおっしゃっています。被害者に寄り添い、県教委を通して流山市教委を指導されるとのことで、期待しています。文部科学省児童生徒課のいじめ問題担当の方には、これまでも再三再四、流山市教委への指導をお願いしてきました。しかし、私がお願いしても、実効性ある指導はなされていません。今度は、トップである大臣がおっしゃっていますので、これまでとは違う形で指導されるものと期待しています。報道機関の方々には、ぜひ文部科学省がどのような指導をされるのかを取材していただきたく思います。

大きな問題に対応するとき、組織のトップが動くことは重要です。逆に言えば、組織のトップが何もしないような組織では、大きな問題に適切に対応することは難しいでしょう。この意味で、流山市教委の後田博美教育長には、ぜひ今からでもリーダーシップをとって、市教委のあり方を抜本的に見直し、これまで不適切な対応をされてきたいじめや体罰の被害者に対して必要な調査や支援を行っていただきたいと願っています。

過去の任命の際の文書によると、後田教育長は、流山市内の小学校の教諭、教頭、校長や市教委の職員を経て、平成23年4月に教育長に就任されており、26年9月に再任され、(記録が見つからないのですが)29年9月に再々任されているはずなので、現在3期目だと思われます。おそらく、来年令和2年9月までが任期です。私としては、ぜひ現在の任期中に、今回指摘させていただいたいじめ問題への対応について、教育長から率直なご説明をいただきたいと願っています。【追記:教育委員名簿によると、後田教育長の任期は令和3年9月まででした。】

私はこれまで二度教育長にお目にかかり、教育長のご認識やお考えをお尋ねしました。しかし、残念ながら十分なお答えをいただくことはできません。おそらく、今後私が直接教育長にお尋ねする機会はないと思いますが、教育長にお尋ねしたいことをここに記します。教育長に質問をされる機会があるであろう流山市議会議員のみなさんや報道機関のみなさん、ぜひこうしたことを教育長にお尋ねいただきたいと思います。

以下、質問を箇条書きで列挙させていただきます。

(平成29年認定重大事態認定案件について)

Q1 教育長が本件について報告を受けられたのは、いつ、どなたからだったでしょうか。

Q2 教育長は本件について、指導課にどのような指示をされましたか。指示をされなかったとしたら、なぜ指示をなされなかったのでしょうか。

Q3 本件の重大事態認定が遅れたことについて、県教委から指導の連絡がなされていますが、こうした連絡があったことについて、教育長は報告を受けておられましたか。受けておられた場合、いつ、どなたから報告を受けられましたか。

Q4 本件について、調査主体を学校でなく教委にすることについては認識をされていましたか。認識をされていたとしたら、条例上、調査会に調査を委託することになっていることをご存知でしたか。

Q5 本件は教委が調査会に調査を委託する初の事案となったはずですが、初めての調査にあたり、調査の進め方について指導課から報告を受けたり指導課に指示をされたりしましたか。しておられたとしたら、具体的にどのような報告あるいは指示でしたか。

Q6 本件調査が調査会に委託されたのは市教委による重大事態認定から4ヶ月以上経過してからでしたが、すぐに委託されなかったことについてお知りになったのはいつ、どのようにしてでしょうか。お知りになったことを受けて、教育長はどのような行動をとられたでしょうか。

Q7 平成29年12月に調査会から本件についての中間報告書が提出されていますが、この報告書を受けて、教育長はどのような行動をとられたのでしょうか。

Q8 調査会への調査委託が4ヶ月以上遅れたこと、そしてそのことが被害者に多大なる苦痛を与えたことについて、責任はどなたにあるとお考えでしょうか。指導や処分等はなされたのでしょうか。

(平成26年度発生事案について)

Q9 教育長が本件について報告を受けられたのは、いつ、どなたからだったでしょうか。その際、記録上の欠席が30日を超えているという点について、報告を受けておられましたか。

Q10 報告を受けられた当時、いじめによると考えられる不登校の日数がおおむね30日以上となった場合、いじめ防止対策推進法における重大事態に認定しなければならないことをご承知でしたか。ご承知だったとしたら、本件が重大事態として認定されていないことについて、報告を受けた当時、どのようにお考えになりましたか。指導課に対しては何らかの指導をなされましたか。

Q11 本件は平成30年10月に重大事態として認定されていますが、重大事態認定にあたり指導課からいつ、どのような説明を受けられましたか。また、指導課に対してどのような指導をなされましたか。

Q12 結果的に、重大事態の要件が満たされてから重大事態認定まで3年半以上かかっているわけですが、このように重大事態認定がなされていなかったことの責任はどなたにあるとお考えでしょうか。指導や処分等はなされたのでしょうか。

(流山市のいじめや体罰の問題への対応について)

Q13 これまで流山市の学校でいじめや体罰の被害に遭い、市教委や学校から不適切な対応を受けてきたと訴える方が次々と現れています。教育長は、これまでの教員や教委職員のご経験を含め、こうした不適切な対応の事例をご承知ですか。ご承知だとしたら、その事例についてはどのような対応がとられていましたか。

Q14 これまで訴えがあった案件について、事実確認を行っていただくお考えはおもちですか。

Q15 こうした不適切な対応が今後生じないようにするために、市教委としてどのようなことを行うおつもりでしょうか。

教育長がこうしたことについて率直に説明してくださることがあれば、流山市教委で何が起こっていて何が問題だったのかが、かなり明確になると思われます。市議会議員のみなさん、報道機関のみなさん、ぜひこうしたことを教育長にお尋ねください。教育長が率直に説明してくださることを切に願っています。

2019.10.25

流山市事案を受けた千葉県いじめ防止対策条例の改正の可能性について

このブログで連日取り上げている流山市教委のいじめ問題に対する法令違反かつ不適切な対応について、多くの方からご連絡をいただいています。再発防止や被害者支援を進めなければならないのですが、今のところ、流山市教委及び流山市からはそうしたことにつながる積極的な発言は聞かれません。やはり、組織の長である教育長はご自身の見解を述べられるべきだと思いますし、教育長や教育委員を専任している市長にはリーダーシップをとってご対応いただきたいと思います。

流山市レベルでの再発防止策については、まずは流山市で考えてほしいと思います。他方、今回の経緯の中では、県教委や文部科学省による流山市教委への指導が、実質的に機能しなかったということがあります。県議の方々からは、千葉県いじめ防止対策推進条例(以下、「県条例」とします。)の見直しも含めて考えたいというお話もいただいています。そこで、今回の件を受けて、千葉県いじめ防止対策条例をどのように改正すれば、県教委から市教委への実質的な指導が可能になったのかを検討してみたいと思います。

1)県の責務

県条例では、第5条で県の責務を定めていますが、市町村との関係については、「市町村その他の関係者と協力して」施策を総合的に策定し、実施する責務を負うとされているだけであり、市町村のいじめ防止対策について確認し指導するという点が責務として示されていません。市町村教委が不適切な対応をとりうることを前提とすれば、県には市町村のいじめ防止対策が適切に実施されているかを確認し、必要に応じて指導することを責務として負わせるべきでしょう。

2)市町村の役割

県条例では第6条で市町村の役割として、施策を作成し実施する、必要な措置を講じるということが書かれているだけで、実質的な義務はほとんど課されていません。これでは、流山市教委のように、法令を認識しないままの対応についてですら、県条例は無力です。たとえば、いじめ防止対策推進法その他の関係法令を遵守して必要な措置を講じ、法令に反する対応がないかを自ら点検することを責務として課すくらいのことがあってもよいように思います。

3)相談体制

県条例では第13条で相談及び情報収集体制の充実を掲げていますが、抽象的、一般的に「充実を図るものとする」とだけ記されています。ここに、市町村や県におけるいじめ問題への対応が法令に違反することが疑われる場合について相談を受ける窓口を設け、法令違反の対応に対する相談を確実に受けられるようにするという項目が追加されるとよいと思います。

4)いじめ問題対策連絡協議会

県条例では第19条においていじめ問題対策連絡協議会の設置を定めています。私も構成員として出席していますが、多くの関係者が出席する大変重要な会議です。しかし、この会議には市町村教委関係者は出席していません。すべての市町村から出席を求めると人数が多すぎるかもしれませんが、各教育事務所管内から輪番で市町村教委の担当者が出席し、できれば近隣の地域とも情報を共有する市町村連携の体制をとれるようにできるとよいと思います。この会議に出れば、市町村だけにしか通じない対応を改めようという意識が、多少なりとも担当者には生まれてくると思われます。

5)いじめ対策調査会

県条例第20条にあるように、県にも流山市と同様に、いじめ対策調査会が設置されています。しかし、この調査会が市町村教委のいじめ対応について実質的な検討ができる状況にないと思われます。調査会で市町村レベルの対応状況を精査すること、市教委への指導のあり方について調査会が県教委に意見すべきこと等を入れ、この調査会が市町村レベルのいじめ対応について実質的に機能するようにする必要があると思われます。(見直して内容を修正しました。)

6) 管理職・主任等への研修(ご意見をいただき、追記しました)

県条例第15条では人材の確保及び資質の向上を掲げており、教職員への研修の充実も挙げられています。しかし、流山の状況を見ると、管理職や主任等、学校を代表していじめ問題に対応する人の資質に問題が見られます。こうした人が市教委の指導課などに異動する可能性も含めて考えると、千葉市以外の市町村立学校の教員の任命権者である千葉県が、管理職や主任に対してコンプライアンス、保護者対応、第三者委員会等の運営方法、管理責任等について、具体的な事例(たとえば流山市の事案を教材化する)に沿って、協働学習形式で学ぶようなことが行われる必要があります。この意味では、単に教職員の研修の充実ということだけでなく、管理職や主任クラスへの研修の充実ということを条例に含めることが検討されるとよいでしょう。